児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
カチガラス 再来 うれし それを詠む 海鳴庵児玉

 盆も終わり、日も7時には暗くなってきた。高校野球が終われば、夏が終わる。そんな朝カチガラス来訪

 

高い あの鳴声(こえ)戻る カチガラス 再来嬉し 窓放ちみたる

                          海鳴庵児玉

 

参考句歌

2012.04.21 Saturday 玄関前で羽を休めていたカササギを詠む 海鳴庵児玉

 かささぎや 玄関前で お出迎え 君の家だか 僕の家だか

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3113 

| 児玉昌己 | - | 10:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
今やっていること 大正期の外交官、吉野作造に学んだ鹿島(永富)守之助のこと

  カイロ大学で行われた中東地域初めての日本研究所の記念国際シンポジウムが酷暑のさなかの7月あり、学長先生や同僚の皆さんと出かけて、日本エジプトの近代化比較で報告した。これについてはブログで書いた。

 報告は外交官永富守之助のことだった。

 リヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーと彼の著書『パン・ヨーロッパ』を日本に紹介し、後に鹿島建設の社長会長を務める人だ。その人のことに関心を注いでいる。

 日本の欧化、近代化の過程で、彼を私なりに位置づける、其れが私に求められた報告であり、今取り組んでいることだ。

 周知のとおり、明治以降の近代化は欧米化であり、最終的には軍国主義の跳梁跋扈で、原爆を2つも食らい、明治国家は吹き飛んで、現在の、相対的にだが、豊かで平和な国家がある。

 明治国家が始めた近代化、脱亜入欧のその一つの高みが、大正デモクラシーだったといえる。その高みにいたのが、鹿島(永富)守之助である、との認識に立っている。

 彼はその後、大政翼賛会の調査部長をしたがゆえに戦後、5年に及ぶ公職追放も体験している。

 私は、彼の人生のすべてを捕捉する立場にはない。それゆえ大正時代の若い日の守之助がそのテーマである。

 守之助については、6年前NHKのラジオ講座歴史再発見で3か月にわたってヨーロッパ統合を話す機会を得た。それで、以前、少し調べていたのだ。

 今回、カイロ大学に出かけ報告することになったが、それを活字化するようにとのことで、あれこれ調べているのである。

 話すことと書くことは決定的に違う。後者は、残るという意味で、数十倍の労力を擁する。たとえエッセイに近いものであってもである。

 鹿島研究所出版会から外交選集が出ている。12巻と別巻3冊の合計15冊である。盆の15日に古書店から無事それが届いた。ほとんど新品といってよい。

 アデナウアー伝を収めた別巻1を見ていたが、パラリと「謹呈 鹿島守之助」という札が落ちた。もとより私が購入したものだが、なんだか、守之助先生が天国からよろしく、といわれているようで、嬉しい気分になった。

 私の専門は政治学であり、歴史学ではないのだが、政治史となると私の分野でもある。

 年をとっても、例えば第1次大戦後の国際的な安全保障の確保を目指した国際連盟のこと、神川彦松など、新たな領域を勉強すると、新たな発見があり、楽しいことだ。

 この調べ物を通して、守之助の研究については、余人の及ばない名古屋大学名誉教授(現国士館大教授)の平川均先生(アジア開発論)とも連絡がつき、アレコレ助言を頂いている。

 またRCK通信でリヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーを書かれている戸澤英典先生(東北大学)にもである。先生とは日本EU学会を前任校の長崎純心大学で開催した時、お会いしているということだったが、面目ないことだが、当日の多忙極まる設営、運営の中で失念していた。

 さらにはアデナウアーの回顧録を30代で独語原文からお訳しになり、河出書房から出された佐瀬昌盛先生(防衛大名誉教授)にも電話できた。先生は現在82歳。慶事があり本宅改修中で、軽井沢の別荘にいるということで、声でお元気なのが分かりなにより、うれしかった。

 佐瀬先生には、欧州政治についての長年の学恩はもとより、本学公開講座および比較文化研究所欧州部会の講演で長年、大変お世話になったのである。

 参考ブログ

2017.07.20 Thursday 7月13日から19日まで、エジプトはカイロ大学に出張していました

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4278

| 児玉昌己 | - | 10:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
炎熱の久留米 大雨ですこし気温が下がった 庭の百日白を詠む

お盆も終わる。福岡県はゲリラ豪雨。すこし炎熱も弱まるが、お盆前の炎暑を詠む

 

 

百日白(さるすべり) 炎暑に映えし この花も 我れと同じく 枯れて萎(しお)れて  

 

いつ果てる 時も不明の  この夏の 炎熱炎暑 さすが堪えかね   

                              海鳴庵児玉

| 児玉昌己 | - | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
多文化社会に挑戦するものたち 「白人至上主義者」white supremacist

 白人至上主義者がヴァージニアで集会を開き、それに反対する集団にそのシンパが車で襲い、死者をだしている

 これにたいして、あらゆる集団の暴力を非難しても、米大統領は、この白人至上主義の差別主義者を非難もしない、として米メディアに批判されている。

 自身がその一派として親近感を感じているからだろう。実際、「フェイク大統領」と形容されるトランプは、メキシコ人を誹謗中傷していたことに代表される強い偏見の持ち主だ。少数派にたいしてもそうだ。

 そんなものがアメリカという国家の大統領だ。

 国家が傾くということは、政治家の質に現れる。わが国でも、政治権力の中枢における状況は他国のことを言えるほど上質のものではおよそないのだが。

 そして今日のテーマである、supremacist、発音は難しいが、スプレマスト。あまりなじみのない用語だ。

至上主義者ということで、今回の米国の用例では、ホワイトをつけて白人至上主義といっている。

 ネット上の辞書によると以下記載がある。

a person who believes that one group of people is better than all other groups and should have control.

 「他のすべての集団よりもいいと考えている」ということが味噌で、「アーリア人の血の優位性」というフィクションを作り上げたヒトラーによるナチズムがその極端な形になる。

 今回の場合、ナチスと違うのは、ナチスが政治権力を掌握して、それを現実に政治政策として実践したが、これは私的集団ということである。

 ただし、大統領が、積極的でなくとも、そのシンパであれば、問題となる。

 21世紀は相互依存、情報や人の自由移動が全開する時代である。

 30年前と違い、FBやメッセンジャーや、ラインなどありとあらゆるSNSで他国の政治状況が自国と同じように報じられ、共感したり、憤ったりできる時代だ。

 前世紀には未だ観念的、理念的、抽象的用語であった「人類」の概念も「地球社会」の概念も、過激派など原理主義との相克の中で、急速に定着しつつある。

 わが国でも、多文化社会を掲げる学部も国立大学にできている時代だ。

 我々も21世紀、情報も人も物理的に大々的に自由移動する中で、理解しておくべき価値である。

 

追記 この事件についてバージニア州知事のメッセージがある。BBCが伝えている。ここに残しておこう。

「今日シャーロッツビルに入ってきた白人至上主義者やナチスに伝えたい。我々のメッセージは単純で簡単だ。『帰れ』。この偉大な州はお前たちを歓迎しない。恥を知れ。お前たちは愛国者のふりをするが、お前たちは愛国者とは程遠い」、「お前たちは今日、他人を傷つけようとやってきて、実際に人を傷つけた。しかし私のメッセージははっきりしている。我々はお前たちより強い」バージニア州のテリー・マコーリフ知事(民主党)

米南部の極右集会に抗議、1人死亡 州知事は白人至上主義者に「帰れ」

BBC 2017年08月13日

 

 

 

 

 

| 児玉昌己 | - | 05:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
英のEU離脱Brexit後の紛争時のEUとイギリスの司法管轄権について

 次は、英のEU離脱に伴う紛争時の両者の司法管轄権に関する記事

 英のEU離脱ブレグジットで発生する係争事案に関する司法管轄権について、EUの裁判所である欧州司法裁判所のクーン・レナールツ長官が、英離脱後、EUと英で起こる紛争の司法管轄権について、欧州自由貿易協定に基づき設置されたEFTA裁判所が管轄権を持ちうるとの見解を語っている。

 この裁判所は、非EU加盟国であるノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドが確保しているEU市場への自由アクセスに伴う係争を扱うことができる。それを活用できるというものだ。

 EUobserverにが伝えているが、それよると、メイ英首相が、EUの欧州司法裁判所の司法管轄権を嫌っているということが、この発言の背景にある。

 だが、同時にEFTA裁判所は多く、欧州司法裁判所の判決を踏襲してきた、とも述べている。

 以前から述べているが、法的にみれば、国際政治上では、グローバリゼーションというアメリカナイゼーションの法空間を確保する米国連邦法とEUの連邦的法規範が激しく衝突している。

 またそのEU法の空間からイギリスが離脱することで発生するEUと英国との法的問題がある。

 その中にあって、今回、英が離脱した場合の欧州27か国を統べるEU法の空間で、EU市場への自由アクセスをめぐり、イギリス法との境界で起こると予想される紛争について、重要な発言が欧州司法裁判所長官から出されたということである。

 イギリスは、周知のごとく、EU法による主権的権限の浸食、「簒奪」(反EU、ブレグジット推進派)を嫌って、国民投票で僅差で、 昨年の2016年6月にEU離脱を決定した。

 しかしながら、一国でEUを律する広大な法の空間に対処するには、問題が大きい。

 たとえイギリスがEUを離脱後、EU市場への自由なアクセスを得たとしても、同国とEUの双方が、仮にEFATAの裁判所に司法管轄権を委ねたとしても、イギリスはEU法に結果的に拘束される可能性が高い。

 逆に言えば、EU側にその自信があるから、EFTA裁判所に、発生するイギリスとの紛争時の裁判権を委ねることを欧州司法裁判所のトップが言及したといえる。

 ちなみにEFTAはイギリスがEU(当時欧州経済共同体EEC)に対抗して1960年に形成した、その名の通りヨーロッパの自由貿易協定のFTA組織である。

 多くがここから、関税同盟と単一市場を形成しているEU加盟国となった。

 イギリス自身がEFTA創設国であったが、そのイギリスが組織形成からほどなくしてEU加盟の申請をした過去がある。

 イギリスのEU加盟についていえば、1963年フランスの大統領ドゴールによって、それはアメリカが背後にいる「トロイの木馬」とを意味するものとして阻まれた。

 イギリスのEU加盟が実現するのは、EUの前身である欧州石炭鉄鋼共同体創設から21年後の1973年ことである。

 現在、今日のテーマであるEFTAは、ノルウェー、スイス、アイスランド、リヒテンシュタインの4カ国である。その人口は、1400万人程度である。他方EUは現在5億。イギリスが離脱すれば、4億4千万。

 欧州においては、法の分野では、欧州石炭鉄鋼共同体以来、「アキ・コミュノテール」として知られる65年にわたり蓄積されてきた膨大なEU法とその最終判断者としての欧州司法裁判所がある。そしてイギリスもEU加盟後43年にわたり、この多くを加盟国の義務として国内法化してきた。

 ついでに言えば、その数がきわめて多く、経済政治社会の全領域に広がっているために、イギリスは、いったんこれをすべて国内法にするという、奇想天外というべくも他に類例を見ない手法である、大破棄法案Great Repeal Billを準備しているのである。

これについては下記のブログ参照

 欧州にあってはEU法とその最終判断者としての欧州司法裁判所の影響はあまりに大きく、イギリスは限りなく無力であるということである。

 わが国では、英国の、低レベルのEU離脱派議員や、販売だけを考えまるで思慮のない記事を売るタブロイド紙の論調に幻惑され、EUが解体されるとか、EUが崩壊するとかいう論を公然と唱えるものが、有力な学者やジャーナリストのなかにもいるが、彼らは、EU法に対する驚くべき無知をさらけ出しているということになる。

参考文献

ECJ president proposes Efta court as Brexit solution EUOBSERVER 2017年8月9

参考ブログ

2017.02.17 Friday金融、財政面から確実に進むEUの統合深化とEU統合の2スピード化の加速 上中下

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4202

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4203

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4205

2017.07.29 Saturday イギリス2大政党の不毛のEU離脱議論と無関係に進む企業の大量出国(エクソダス)

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4282

 2016.10.02 Sunday英のEU離脱に伴うEU法との整合性に関する方法提起 メイ政権 バーミンガムでの保守党大会で

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4134

 

  北朝鮮と併せて書いて、長くなったので、2つに分けることにした。

 

| 児玉昌己 | - | 08:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
北朝鮮の核の恐喝とトランプの舌戦 

 今日は米と北朝鮮の核の脅しの舌戦について

 北朝鮮は、米にたいして、ICBMへのグアム攻撃を検討していると発表した。この北朝鮮の脅しに対して米大統領が使った言葉を紹介しよう。

 これについては、日本語では「世界が見たことのないような砲火と激烈な怒りに直面する」と伝えられた。

以下がその英文。North Korea would face fire and fury like the world has never seen."  (US president Donald Trump. 8 August 2017.

 北朝鮮の夜郎自大は今に始まったことではない。

 自己の正当性と主権は主張しつつ、周辺国の恐喝への対応については、これに罵詈雑言で応える。これを夜郎自大といわずに何を言うかである。自身の権力基盤など、世襲三代目で、共和国と呼ぶ珍奇さだ。父の血を分けた兄を、金で買った現地人に殺させる。予期せぬカメラにより白日にそれがさらされた。 

 政治学的に縁もゆかりもない、スターリニズムの封建王朝が、あろうことか、「共和国」を僭称する。

 北朝鮮の世襲独裁政権に正統性などあったものでもない。

 わが国についても北朝鮮の独裁者は、「日本列島ごときは一瞬で焦土化できる能力を備えて久しい」と威嚇した。

  それは北朝鮮にたいする「敵基地攻撃能力」保有の検討に言及した小野寺五典防衛相や、安倍晋三首相を名指しで非難したものであった。

 なお米国にとって対北朝鮮戦略でふれるべき最重要な機密がある。

 北朝鮮のミサイルと、世襲3代目の独裁者、金正恩については、相当の精度で、米国の偵察衛星が発射場所や彼の所在などを集中的に監視しているであろうことである。

 米国を脅せば、その数十倍数百倍になって北朝鮮に打撃を与えることになるだろう。

 夜郎自大もほどほどにしておくことだ。

参考記事

 北朝鮮が「グアム周辺に火星12を発射」と米トランプ政権に警告 小野寺防衛相名指しで「日本列島を焦土化できる」産経2017年8月9日

グアムの米戦略爆撃機、北朝鮮へ先制攻撃の準備整う 米NBCテレビ報道 8/10(木)  産経 

 

| 児玉昌己 | - | 07:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
ルケンヌ教授一家との雲仙長崎の旅 別府は台風接近でキャンセル

 欧州大学院大学同窓のクリスチャンこと、パリ政治学院(Sciences Po)のルケンヌ教授一家との小旅行は雲仙長崎だけで、予定していた別府は台風接近のためキャンセル。お嬢さんのジュリエットがソウル経由で翌日パリに戻るというので、大事を取ってのことで残念至極。

 彼も私も、最近では5月のフランス大統領選挙の調査も含め、何度も相互に訪日、訪欧しているが、拙宅訪問は23年ぶりで、妻女のモニックやお嬢さんを伴ってのは、今回初めて。

  家族ぐるみで、旧交を交わしたのは楽しいことだった。
 雲仙は
定宿にしている富貴屋の、今回は少しリッチに露天のある離れを予約していた。

 私のお気に入りの白濁した硫黄泉であり、そのワイルドさがいい。気に入ってくれて何よりだった。

 翌日は猛暑の長崎。

 「信徒発見」(長崎純心大学学長の片岡瑠美子先生の言葉を借りれば、「信徒との出会い」)で有名なフランス人宣教師プチジャン神父と、大浦天主堂にも興味津々だった。

 また稲佐山からのパノラマも気に入ってくれた。

 その後、万一台風で新幹線が止まれば、大ごとになるとお互い相談し、別府は断念し、予約していたホテルをキャンセルし、翌朝の新幹線で、東京に戻ってもらった。

 長崎から戻った我が家では、ベランダから遠くに筑後川の大花火大会の花火が見えるそれを楽しんでもらった。

 行けなかった別府については、次の楽しみとして、後にとっておこうと語った次第だ。

 東京到着後、自然の意外性に触れつつ、クリスチャンは以下書いてくれた。

As Masami, a great 'connaisseur' of Edith Piaf and Juliette Greco, would say in French: "C'est la vie!"

 ちなみに、エデットピアフについては、妻女のモニックは2007年公開の伝記的映画の『エヂット・ピアフ愛の讃歌La Môme, 英語La Vie En Roseに市民参加の形で登場している。我が家でご一家とその映像で大いに盛り上がった。

 肩書のない欧州大学院大学の院生の時代から、34年続く交友を互いに有り難いことだと確認しあったことだった。

 

| 児玉昌己 | - | 18:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
8月入りし、新鮮味のない安倍新内閣、そして新装なったキャンパスには芝生が入る

 連日の猛暑いかがお過ごしでしょうか。

 政治では、国政の私物化というべき、森友、加計、PKO日報事件にみる首相個人とその不決断で、自ら支持率26%(毎日)と急落させて、不快感が全開。

 自衛隊法にも無知で、シビリアンコントロールのイロハも知らないのが防衛大臣を務め、かつ混乱の極致に立ち、都議選で大敗した後も、土壇場まで首相はその首を切ることもなかった。私情が国家利益の上にあったとしか言いようがない。

 防衛省は大騒動で、責任者の処分にも発展した。

 九州北部豪雨の渦中に、あるいは、北朝鮮のICBM試射のさなかでである。

 しかも、その首相の妻女が名誉校長だった森友では、真摯に説明するとしながら、まったく一度も当事者である妻女は語ることもない。

 上下2枚の後は白紙の札束をテレビの前で暴かれ、しかも神道を語り、 神道に基づく教育と学校建設を語る。まったく開いた口が塞がらない。 そんな人の学校の名誉校長というのが首相の妻女である。

 彼女は、まさに首相ともども、森友のお友達だったことだろう。加計も同様だ。

 当時文部行政をつかさどる事務方の最高ポストにいた事務次官こそ、この政権の文部行政に対する政治的影響行使の実態をすべてを見てきたことは何の不思議でもない。

 彼の内閣には、被災者に寄りそう復興に関心がるのかさえ不明な災害復興担当臣もいた。さすがに首が飛んだのだが。

 安倍首相の不決断と自分の任命責任。口では私にあるとしつつも、如何にとるのかさえ口にしない。 

 これでは国民が背を向けるのは当然だろう。 

 そして今、第3次安倍改造内閣の発足であり、その課題は改憲だ。

 憲法を、不磨の大典とし、未来永劫に不滅としたのは、明治憲法だった。そして原爆を2つ食らい、その憲法は一瞬にして消滅した。

 戦後も70有余年。象徴天皇制を導入、平和主義と人権、民主主義を掲げた憲法でここまで来た。

 自衛隊の存在については、変えるべきところはあると考えている。だが、そんな首相が改憲をいうかという思いが強い。

 改憲の文章は、魂が入り、実態が形成され、初めて条文の目的が果たされる。

 国家の最高法規である憲法。公と私を混同し、政治権力でそれを誘導しようとした、そんな公私の区別もつかない政治指導者が扱う問題ではないだろう。

 最高法規の改正は、それに見合う高い支持率と高い見識を持つ人が扱うべき課題だ。

 戦後70有余年、無謀な戦争では他国を侵略し、蹂躙し、国土は瓦礫と化した。そんな反省の上に、現憲法下での政治が行われてきた。その、我々が是とし善として憲法を変えるのだから。それにふさわしい政治家が行う必要がある。

  不決断で、低支持率の人が、自己の公私混同さえ説明できないものが、国家の最高法規である改憲を言う。

 まさにブラックユーモアだろう。

 直接的には数十万の自衛隊員の生命、その運用では全国民、すなわち一億二千万余の国民の生命と財産を脅かすことになる国防の扱いが重要である。

 大方が受け入れ得るべき人が、やるべき課題だろう。

 自民の中にも選挙を考えれば、二の足を踏むものも多い。私同様の考えがあるからでもあろう。

  ところで、勤務校のこの頃のこと。 

 カイロ大文学部日本文学科との共催となった日本研究所創設を祝う国際シンポジウムから戻って、ひと息入れている。このシンポジウム、レベルが実に高かった。

 どうして中東の地でこれほど日本語を愛する人が多いのかと不思議に思うほどだ。

 それが21世紀に我々が達成した国際的成果だろう。近代化の比較では、エジプト中東関係者がわが国の成功の秘密を聞き出したいという想いがあふれていた。

 キャンパスは、ここ4年ほど続いた新校舎の建設工事も最終段階で、外構工事に移っている。青々とした芝生が植えられ始め、全く別の顔を見せ始め、嬉しいことだ。

 炎熱のエジプトに行けば、水や緑の豊かさを、何よりうれしく有難く思う。

 台風接近だが、週末は、クリスチャンことパリ政治学院のルケンヌ教授が一家で久留米に来る。

 雲仙方面でしばしの夏休みをとるつもり。迷走台風の影響が少ないことを望むばかりだ。

 

| 児玉昌己 | - | 02:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
フランスからの客人もあるので剪定 庭が生き返った 

 7月も明日で終わりだ。梅雨が明けると、庭に雑草が猛烈に茂る。

8月に入れば、フランスからクリスチャンことルケンヌ教授(パリ政治学院)が一家で来る。

 まだお互い肩書もなかった欧州大学院大学の院生時代から30年以上懇意にしてきた。

 フランスに行くたびに、フィアンセ時代から知っている彼の妻女モニックともども、私に良くしてもらっている。

 今年五月の大統領を選ぶマクロンの決選投票でもお世話になった。

 今回その彼が、早稲田に招かれている。それで、九州に誘っている。一緒に温泉を回るつもりだ。

  それもあって、今回、庭師の田中さんにお願いして、キレイにしてもらった。

 庭では桃の木がさび病で長く傷んでいた。今回、泣く泣く切断してもらった。昨年、芦書房からNHKのラジオ講座のテキストを増補する形で出してもらったが、あとがきにこの桃の花のことを書いている思い出のあるものだった。

 またこの家に移ってきたころ、あれほど見事に白い花をつけていた百日紅は、めっきり花をつけなくなった。

アリが痛みの一つでしょうということで、こちらは助言で殺虫剤をまく。

 庭の樹木も生き物だ。やれる範囲で、ゆるゆると庭の仲間と一緒に過ごしていきたい。

参考歌

2010.08.31 Tuesday  炎暑、葉月の終わりと百日紅
往く夏を 惜しみたまふや  百日紅 舞うかのごとき 白き花群れ

夏枯れの 熱の静寂(しずけさ)包みしも 清楚舞い落つ 花百日紅
                          海鳴庵/
児玉

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2499

| 児玉昌己 | - | 23:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
イギリス2大政党の不毛のEU離脱議論と無関係に進む企業の大量出国(エクソダス)

 イギリスではメイ政権の保守党のみならず、コービン労働党の主流は、自由市場へのアクセスは確保するといいながらも、ともにEU離脱(ブレグジット)のスタンスを動かしていない。

 しかも、もたもたして始まった対EU交渉の間、何が起きているかというと、在英外国金融機関の静かなイギリスからの大量出国である。

 世界最大の再保険組合ロイズが本部をブリュッセルに移すと決めたことに続いて、シティもイギリスから欧州本部をフランクフルト移し、スペインにもその一部を移すことを決めた。 また同行のプライベートバンキングの機能の一部はスペインに移すとのことだ。

 私にしてみれば、イギリスの政界の議論についてみても、2大政党の議論は本質的には同じ結果であるとみている。

 すなわち、労働党のいうノルウエ型のソフトブレグジットも、そしてまたハードブレグジットも、イギリスの国益への極端なダメージをもたらすということである。

 昨年「海外事情」に請われて、中東特集号にもかかわらず、喫緊のテーマとして、英のEU離脱ブレグジットを書いてほしいということで、これについて分析し発表した。

 いわゆる「瞬間没的」な際物の書や論文が多い中、今も全く古くなっていないし、今後も援用されていくと自負している。

 ブレグジットとは加盟国にとって何を意味するか、その意味についてわかりやすく書いたつもりだ。また個別イギリスにとっての意味は何か、統合を連邦形成ととらえるEUの中核の独仏と、市場という便宜的存在としてとらえるイギリスの統合観についての深遠な越えがたい相違を書いた。

 おかげで、いくつか専門家にも紹介引用されている。触れていただければと思っている自信作だ。

 本論に戻って、具体的に言えば、ソフト・ブレグジットでさえも、EUの理事会での議決権を失い、EU法への関与を放棄し、しかも、ノルウェーのようにEUの単一市場へのアクセスのためにEUへの上納金を支払うことを余儀なくされる。いわんや、ハード・ブレグジットおや。

 なんのための離脱かということである。

 ハード・ブレグジットの場合、EUの外に完全に出るため、EUの対外関税の適用を受けることになる。その額邦貨換算で年間8000億円ともいわれている。 EU分担金からは解放されても、EU予算の配分も停止されることになる。

 また欧州委員会がEU全加盟国を代表して結んでいる54ものFTA交渉を一から独自に結びなおす必要に迫られれる。

 すなわちどう転んでも、合理的観点から、イギリスを田舎国家に転落させる反国家的選択だったと断言できる。

 しかも先の1年前の国民投票では、ほぼ半数の48%が離脱反対票を投じていたのである。

 離脱してもプライド以外、実利的には得るものはない。実利に敏(さと)いイギリスだが、メンツとプライドだけで、経済界や国民が納得するだろうか。イギリスの分断は深刻さを増しているとみていい。

 イギリスの国益のみならず国家を分断する、思慮の全くない決定を、自身の浅はかなメンツだけで前首相キャメロンがやったということだ。無能な指導者を持てばどうなるか、イギリスは猛烈な痛みで負うことになる。

 そのイギリスは言うまでもなく、金融立国だ。 

 昨年6月、今から3年前の2014年8月18日のフィナンシャル・タイムズの記事を引用しつつ以下書いた。

「 イギリスでは現在250以上の非英系外銀が支店を置いており、英財務省によると、同国の金融サービスは140万を雇用し、201112年では、所得税で275億ポンド、全体の12%をカバーしている。」

  上記の銀行の大量出国(Exodus)の可能性についても、2014年、すなわち3年前に以下で、報じられていたことである。

Britain's EU exit could lead to banking exodus -Financial Times. Reuters. Aug 17, 2014.

 こうした記事の一方で、以下のニューズウィークの記事も出ていた。

「ブレグジットで泣くのはEUだ 欧州「離婚」の高すぎる代償」2016824日ハリー・ブロードマン。

 私にしてみれば、ニューズウィークのこの記事も、フィナンシャル・タイムズの外交担当論説委員のギデオン・ラクマン並みの、実に軽薄な議論だった。

 ハリーよ、ブレグジットで泣くのは、EUではない。ブレグジットで泣くのはイギリスだ。その国民や銀行関係者だ。

 大手メディアの記事も、さすがに3年たった今となっては、その見通しについて、真贋が見えてくる。誰が正しいか、だれが不正確であったか、である。

 ブレグジットには、イギリスに分があるなど、論外の議論にゆめゆめ心を奪われないことだ。

 4億4千万のEUと、6400万のイギリスはハナから勝負できるはずがないのである。

 ブレグジットについては、引き延ばしで再度の国民投票の可能性もゼロでないことをスティーブン・デイ教授(大分大)や日経論説委員の瀬能さんとメイルでやり取り、話し合った。

 私の見通しをいえば、リスボン条約50条に従い、時間切れで、ギロチン条項が発動され、最悪のno dealとなるとみている。メイは、「悪い取引なら、ないほうがいい」 ( if bad deal, better no deal)といっているから、それをなおさら強くさせる。

 EU統合推進の立場に身を置く私個人で言えば、一度わが身の激越な痛みで、EU統合の意味をイギリスの政治家や国民が体感するのがいいと思っている。

 でないと、不満と怒りを抱えたままの中途半端なイギリスのEU復帰は、EU統合とユーロの安定化に百害あって一利なし。

 中途半端なイギリスのEU復帰は、マクロン登場で深まる仏独連携で、連邦主義的深化を確実に進めているEU統合の妨げとなり、EU統合に不安定材料を持ち込むことがはっきりしているからである。

 EUはユーロの安定化などさらなる連邦的主権を整備した統合深化が必須であり、必然である。ポンドに固執するイギリスには、利害の共通性はすでになくなっているのである。

 参考記事

2017.05.13 Saturday  ユーロ圏議会構想をマクロンとショイブレが協議 EU懐疑論者を青ざめさせるユーロ圏における連邦通貨主権創造への一歩

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4250

Possibility of ‘Brexit’ threatens London’s prospectsDublin seen as alternative for US banks to UK capital. Financial Times. August 18, 2014.

米シティ、週内にフランクフルトをEU本部に選定へ2017 07 18

米シティ、英離脱で一部事業をスペインに移転へ=関係筋2017 07 28

Lloyd’s of London Picks Brussels for Post-Brexit EU Headquarters

https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-03-30/lloyd-s-of-london-picks-brussels-for-post-brexit-eu-headquarters

参考ブログ

2017.04.03 Monday英のEU離脱Bexit をタイタニック沈没になぞらえた動画

http://masami-kodama.jugem.jp/?day=20170403

2014.08.25 Monday金融部門のExodus(大量出国)の危険  FTが報じたキャメロンが進めるEU離脱の悪影響

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3726

2017.03.31 Friday ついに329日イギリスEU離脱の意思を欧州理事会に通告 次はgreat repeal bill

http://masami-kodama.jugem.jp/?day=20170331

参考文献

 児玉昌己「英のEU離脱の衝撃−連邦的統合深化を拒絶した英」『海外事情』(拓大海外事情研究所)20169月号

 

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