児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
西中州のライブハウス「音楽空間・メージャーセブン」で歌わせていただく

 週末、天神で食事をして、西中州のライブハウスに出て、歌わせていただく。

 仕事と研究では息も詰まる。時にはリラックスした時間が欲しい。友人と誘い合わせて、天神で合流。

 渡邊通4ー3-1「旬菜、旬魚あんどう」実に美味な魚のオンパレード。カニみそもカマも堪能した次第だ。

 お腹も満たされた後は、「メジャーセブン」という西中州のライブハウスに移動。

 店主は中林さん。私などが書くまでもなく、この世界では著名な方だ。福岡高校出身で、齢は私と同じ。ハウスは10年前にオープンされたという。

 カウンターとテーブルそれに、ステージがあり、音楽教室でも指導されている。

 なんでもござれのベテランアーティスト。ピアノとベースを横にして歌わせていただくと、にわかボーカリスト。実にいい気分だ。

 小雨だったということもあり、全くの貸し切り状態となり、シナトラ、マーチン、それにパットブーン。

 曲は言えば、当然このシンガーたちならということで、以下だ。Dean Martin - Everybody Loves Somebody Sometime 1965. Sinatra-Stragers in the night. And some others.

  FBの仲間内に写真を出したが、かっこいいなどとの、お世辞だと知りながらも、嬉しい書き込みだ。フォークや演歌は歌わないのかとの問いもあった。

 それで、締めは2015年に他界したワイルドワンズの加瀬邦彦を偲んで、「思い出の渚」を皆で歌ったことを付記しておいた。

お店の公式FBは、以下。

https://www.facebook.com/pages/category/Bar/%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E7%A9%BA%E9%96%93%E3%83%A1%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%96%E3%83%B3-122180284544278/

 

参考ブログ

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3309

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=1288

 

 

 

| 児玉昌己 | - | 21:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
フランス、駐イタリア大使召還にみるEU創設国での軋轢

 1月は往く、2月は逃げるという。2月もあっという間に15日だ。2月は、28日しかないから、半分を超えている。

 EU情勢は、近年加盟国の間で、またEU機関と加盟国の間まさに軋みや軋轢を見せている。オーストリアやハンガリー、ポーランドと周辺国家で反EU的政権が成立したことに起因する。が、EUの核心部分を構成するドイツ、フランス、イタリアでも先鋭化しつつある。ドイツでのネオナチの、ゴリゴリの反EU団体のAfDの伸長がそれであるし、イタリアでも、あからさまに反EU的ムードをポピュリスト勢力が煽っている。

 ポピュリストの五つ星と連立与党を組んでいる右派のレガ(英語ではLeague連盟、以前は北部同盟と表記)のサルビーニ副首相による度重なるマクロン政権への、挑発に耐えかね、フランス政府は駐イタリア大使を召還を28日に発表した。

 わが国のテレビでも盛んに取り上げられている「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)」の指導者と面会し、反マクロンを煽っていることが直接的理由だ。  

 仏伊、両国の軋みのはそれだけではない。例によって、国境を接する両国では、依然続く移民問題がある。フランスが移民をイタリアに誘導していると反発しているのである。

 長くEU研究をやっているが、加盟国内での大使の召還などきいたことがない。イタリアもフランスもEUの創設メンバーなのである。

 EUへの敵意をむき出しにする政権はイタリアだけではない。ポーランドやハンガリーではさらに強い。

この両国では首相府や大統領府や首相府には通常掲げられているEU旗が全くみられない。反EU的雰囲気をストレートに合わらすものだ。

 フランスといえば、AXNでフランスの名勝を舞台とするミステリーをやっているが、地方の検事のオフィスにさえ、三色旗とEU旗が掲げられている場面があった。

 これら、ポーランドやハンガリーなどの、反EU的政権は、イギリス議会の動向を注視している。

 だが、現実にEU離脱となれば、何が起こるか。彼らはそれを観ているともいえる。

 イギリスの国論を分裂させ、カオスというべき政治状況を、戦慄する思いでみていることだろう。

ポーランド、ハンガリーはロシアからの軍事的圧迫をもろに受ける。1989年、わずか20年前にはこれらはソ連圏に衛星国家として存在していた。

 EUから離脱すれば、国際金融市場が反応し、証券市場はもとより、ズロチやフォリントの通貨は暴落するだろう。

 それほどにEUは加盟国の政治経済を取り込んでいる。ポピュリストはそれを国家主権の簒奪というだろうが。

 21世紀の現在、すでに国家が単独で存在することは全く不可能となっている。

 関税同盟と単一市場を形成しているEU加盟国にあっては、なおさらだ。

 EU離脱でイギリスが被る被害は、強硬離脱派はヒステリーだと反論しているが、全く馬鹿げた議論だ。

 関税がWTOレベルに跳ね上がる。理論的には便益を受けるはずの輸出するイギリスの生産工場は、とうの昔に多く大陸に移っている。日産、トヨタもすでにイギリス離脱を検討中か、動かせるものは動かしているはずだ。でなければ経営者として失格だということになる。

 パイパーインフレも予想され、国民にとって大惨劇となるだろうと私は見ている。そしてそれは潜在的には始まっている。

 イギリス国籍からフランス国籍変えする者が8倍に増えていると報道されている。これはフランスにだけのことではない。デンマークにもスウェーデンにも、EUの富裕国に全般にわたってのことである。

 イギリスがEU離脱をすれば、EU市民権を喪失し、27カ国に自由に移動できなくなるのだ。

 ハードブレグジッター(強硬離脱派)ほど国家を貶めるものはない。貶めるだけでなく国家を傾けさせている。

 ナショナリズムという面子と感情で政治を行えばどうなるか、まさに毎日新聞に離脱した翌日コメントしたように、感情が勘定を殺す。回答は明らかだ。

 国際的視野を喪失した馬鹿げた政治集団だ。EUを敵とみなし、EU離脱を煽っていたタブロイド・メディアも同様に今後、レベンジをうけることになる。

 ちなみにイギリス在住EU市民は、350万。EU内のイギリス市民120万。これに物流などすべてが加わり、直接の影響を受ける。(The Guardian 23 June 2017.)

 ともあれ、史上初のEU離脱と、イギリスなき選挙が濃厚な欧州議会選挙動向も、現地で面談調査する準備をしている。

 EU統合を是とし、善としてきた私にとって、今回の出張程、気分が重いものもない。まあ、それも私が専門とする政治であり、政治学だ。危機は統合を進める。この金言をしばらくは見ておく必要がある。

 なお、EU加盟国間の最大の軋轢の要因である移民については、急速に減少傾向にあることも忘れてはならない。

EU加盟国間あるいは欧州委員会と加盟国間の対立、極右やポピュリストの台頭の最大の要因は移民の大量流入であった。それがナショナリストの反EU勢力に油を注いできた。それゆえ、その根本原因が緩和されれば、EUの緊張状況も軽減されるといえる。

 参考記事

 フランス、駐イタリア大使を召還 「黄色いベスト」が外交問題にBBC 2019028日。

 Brexit dampens desires to leave EU.EurActiv. 201924

EUへの難民申請が3年連続で減少、18年はピーク時の半分以下ロイター年215

欧州への不法移民 9割減 ピークの15年比 ルート封鎖が奏功 日本経済新聞 018/2/22。

After Brexit: the UK will need to renegotiate at least 759 treaties. Financial times, May 30, 2017.

参考ブログ

2018.12.10 Monday メイ首相のEU離脱合意案での狂騒というべき混迷のイギリス政局1・2

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4452

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4453

| 児玉昌己 | - | 00:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
今していること ブレグジットと欧州議会選挙の現地動向調査の準備

 今何しているかを問われれば、3月29日のイギリスのEU離脱予定日に合わせて、下旬の10日にわたるアイルランドとイギリスでのブレグジットおよび欧州議会選挙の事前の調査出張の準備。

 当事国のイギリス政治が流動的で全ったく見通せないままでの出張となる。

 イギリスが抜ければ、欧州議会の議員定数も動く。延期となれば、来るべき5月の欧州議会選挙にイギリス政府はどう対処するのかということも発生する。EU自身、加盟国の離脱は初めてのことばかりで、様々な法理論上の問題も生じている。

 離脱が延期された場合の欧州議会選挙の扱いについては、欧州委員会と欧州議会の法律専門家の間でも解釈が異なる。仮に離脱が延期されるとなっても、欧州議会選挙が終わり新会期が召集される7月2日以降か以前までかによってその扱いは異なる。

 そして欧州議会選挙も含め、イギリス離脱のすべてが次の離脱の場合の先例ともなる。反EU主義的傾向のあるEU加盟国の政府はじっと注視している。

 ブレグットは当初、EUを過小評価するわが国の一部のメディアやコメンテイターがイギリスの離脱を契機に他の国家も追随しEU解体になると声高に語っていた。

 だが、EUのあまりの影響力の大きさが理解され始めてきたために、EU離脱を口にしていたポピュリストや極右勢力が慎重になってきている。

 EurActivがそれを以下で伝えている。

 Brexit dampens desires to leave EU.EurActiv. ‎2019‎‎2‎‎4‎日。

https://www.euractiv.com/section/future-eu/news/brexit-dampens-desires-to-leave-eu/

 ブレグジットの出方に関連して派生する欧州議会選挙の取り扱いについては、日本ではもとより、現地イギリスでも、ほとんど注意が向けられていない。現地イギリスでは、その余裕さえ失っているようだ。

 どちらに転んでも、欧州議会選挙では、国家横断的に構成するよう義務付けられている欧州政党と院内会派も連動して動く。すなわち現時点では全く、だれにも見通しが立たない。

 それにしても、何度欧州の地を踏んだのだろう。いちいち、カウントすることもない。

 ロンドンとブルージュでの2回の留学と、研究者となってベルギーの母校欧州大学院大学での在外研究に加えて、院生の時代より、大小、合わせて何十回出たことだろう。

 今は、フライトチケットの予約、宿舎はどこかに始まり、会うべき人、ホテルにはバスタブはあるのかなどなど、事前の準備こそ大事。

 それに4月初に締め切りのある世界経済評論から欧州議会選挙をカバーする依頼の論文の執筆もある。実際、選挙を前にこれについて書き、選挙後に発刊される予定で、書く側は実に辛いことだ。

 また学年末の彼是に加え、入試関係で全開の日本の大学だが、その業務を縫って、いつものようにバタバタと同時並行的にやるべきことをしている。就職指導の合宿も入っている。

 それにしてもEU研究者として40数年、最初はイギリスをその後はEUに特化する形で専門してきたが、当時は予想もしなかったことが多発している。反EU勢力である極右やポピュリストの台頭。イタリア、オーストリアでは政権にまで参加している。

 加えてEU史上初となるEU離脱、しかもEUのビッグ4の一角、イギリスの離脱。

 歴史的瞬間は現場にいたい。

 2005年の蘭仏の欧州憲法条約の国民投票の否決は、久留米大学法学部から認められ在外研究中で、ベルギーのブルージュの欧州大学院大学にいて、その大学関係者ともどもそのニュースを母校で聞いた。

 ニース条約の2009年の2度目の国民投票は唯一実施されたダブリンにいた。

 力久昌幸同志社大教授がダブリンはトリニティ・カレッジに在外研究中ということもあり、先生にはあれこれ助言をうけた。また毎日新聞ブリュッセル支局の福島良典支局長も取材にダブリン入りされており、偶然一緒だった。

 今のEU離脱を生むことになる2016年のキャメロン政権下でのイギリスのEU離脱を問う国民投票でもそうだった。このときは、力久先生、大分大のスティーブン・デイ教授もロンドン入りされており、開票直前、それぞれに仕事をした後、アールズコートのパブに集まり、情勢分析をしていた。

  2017年のフランス大統領選挙決選投票はフランスのフォンテンブローの投票所にいた。

 欧州大学院大学同級生で、クリスチャンことルケンヌパリ政治学院教授の自宅があり、ご本人がボランディアで開票作業に入っていた。目の前で開票模様を見ることができた。

 また同年の9月はベルリンの小学校の投票所で投票風景を視察した。オーストリア研究者の福大の東原准教授も、投票所見学は同行したいということで、ウィーンから空路ベルリン入りされ、ご一緒した。先生は、専門がゆえにドイツ語が堪能で、ありがたかった。

 別途共同通信との関係で同じく調査に入っておられた同志社OBの名大の中村登志哉教授とも合流した。

 常に現場主義を心掛けてきた。

 生涯現役をと思っている。ただし、いうは易し、行うは難し。物理的に若い時とは異なり、アレコレ不自由を感じることも多く、研究者人生もそう遠くないことを意識する。

 それゆえなおさら、ブレグジットの予定日の3月29日は5月23-26日に実施される欧州議会選挙と同じく、現地で、それを見てきたいと思っている。

 参考ブログ

甘えのイギリス 時間切れも 英EU離脱まで60日あまり

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4470

2009.10.01 Thursday ダブリン出張の第1

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2040

2017.05.08 Monday大統領決選の投開票をパリ郊外のフォンテンブロの投票所で実見する

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4244

2017.09.27 Wednesday AfD躍進の独総選挙のベルリン出張から戻る

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4302

 

 

| 児玉昌己 | - | 11:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
ユーミンで目覚める 如月入りの朝を詠む 海鳴庵児玉

 遅く起きた朝は まだベッドの中で半分眠りたい

  ストーブをつけたら曇ったガラス窓

 手のひらでこするとぼんやり冬景色

 これは「12月の雨」の歌詞の一部。それを思い浮かべていた。

 これは冬全般に合う曲でもある。

 外は、2月、如月入り。庭の梅も3部咲き。確実に春が近づいている。

 

 ユーミンの 歌詞を浮かべて いるベッド 冬を味わう 如月の朝

                                       海鳴庵児玉

 

2019年1月のブログヒット総数は6933

 

| 児玉昌己 | - | 10:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
甘えのイギリス 時間切れも 英EU離脱まで60日あまり

 1月16日に英下院、メイ首相のEU離脱協定案を230票差で否決。 投票結果は賛成202、反対432。歴史的大差だった。

 呉越同舟はいいとしても、それぞれ、勝手なことをいうばかりで、どう危機を乗り越えるのかまるでその方途と政策を示さない。彼ら自身が回答を持ち合わせていないからだ。そしてEUに非があるように言う。甘えもここまでくると、あきれるばかり。

 無関税の空間である関税同盟から抜ければ、WTOの高率関税が待っているのは当たり前のことだ。

 バックストップ(セイフティネット野球用語から)についても、これを不可という。

 3500名もの犠牲を出した民族(宗教)対立に終止符を打ったグッドフライデー協定を守り、両アイルランド国境の急激な可視化を防ぐためだ。外部からみていて、離脱案としては、これ以上はないというほど、まったく理に適った離脱案だったのだが、これを不可だという。

 ノーディールでの強制離脱は避けたいが、安全装置はだめだという。全く議論がなっていない。

 ヨーロッパ統合はヒト、モノ、カネ、サービスの自由移動を目的とし、これをワンセットとしている。

 イギリスにつまみ食いを許すと、27の加盟国がそれぞれ勝手を言い出し、欧州統合全体が傾く。イギリスのいいとこどり、チェリーピッキングにEUが応じるわけはない。
 イギリスの友人が爆発寸前の圧力鍋として以下書いてきた。it feels like we are in a pressure cooker which is waiting to explode! 言いえて妙である。その到達点は民族の悲劇を超えた惨事となるだろうが。

 なんと政権与党の分裂により、首相メイの離脱案がものの見事に一蹴された翌17日、コービン率いる野党労働党によるメイ首相の不信任案が出された。保守党とアイルランド民主統一党は一致して、これを退けた。

 不信任案は、前日の離脱案否決とは一転、賛成306反対325の19票差であった。メイの指導力にはケチは付ける一方で政権は維持したいとするのが保守党だ。

 他方、野党にしても、労働党でいえば、どんなビジョンをコービンが持っているというのか。国際感覚に乏しい最大野党とこの党首にもうんざりしている。彼は徹頭徹尾反EU派だったのは、その投票行動の分析から明らかである。

 以下参照。

Mark Pack,Jeremy Corbyn’s views on Brexit: a long held stance on Europe.

https://www.markpack.org.uk/153744/jeremy-corbyn-brexit/

そして、明日29日に新たな妥協案の採決だ。すでにブレグジットまで、60日余りとなっている。

 かくして、ノーディールの劇的離脱も視野に入り始めている。もとより、まともな企業はとうにその準備している。

 大量出国(エクソダス)は国民のイギリス国籍離れと、EU市民権の確保のための他の加盟国の国籍取得さえ誘発しているのである。

 最後にフィナンシャル・タイムズの2017年5月30日の記事によると、ブレグジット後にイギリスが必要となる通商協定を含めた各種条約は、実に168か国、759に上ると指摘したことを、付記しておこう。まさに狂気の沙汰だ。

参考記事

After Brexit: the UK will need to renegotiate at least 759 treaties. Paul McClean, Financial Times, May 30, 2017.

| 児玉昌己 | - | 02:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
 ブレグジット関係のおもしろ動画とキャメロンの後知恵的な言い分 動画2本

 EU条約50条でのイギリスのEU離脱の通告から、ブレグジットのXdayである3月29日まで、残された時間は、70日に迫った。

 以下関連、動画2本。

1つは、当ブログで2年前に書き、紹介したもので、英がタイタニックに似せて作られ、十分に笑える。実に悲しみの笑いなのだが。

 そして、後のは、スコットランドに住むFB友人が知らせてくれたBBCのキャメロンへの突撃インタビュ。

 

2017.04.03 Monday英のEU離脱Bexit をタイタニック沈没になぞらえた動画

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4225

https://www.youtube.com/watch?v=ECh_rZklkMA

 

David Cameron: I don't regret calling EU referendum BBC 16 January 2019

https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-46891771

| 児玉昌己 | - | 11:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
メイ首相離脱案大差での否決での異様な光景と、この泥沼を招いたキャメロンの国民投票

 それにしても、15日のメイ案否決についてBBCを観ていて興味深かったのが、メイ首相の離脱案について英下院前でその発表を待っていた市民のことだ。

 かれらは歴史的大差でのメイ案否決の方を受けて、反EU派とEU旗を打ち揮う親EU派(EU残留派)がともに同じ場所で、同じ状況下で、歓声を上げていたことだった。実に不思議なというより、異様な光景であった。

 反EU派は、メイ首相の案がイギリスがEUの属国になり続けるという感情に立ち、それが否定されたことでの喜びであり、他方親EU派は、当面ブレグジットが阻止されたとみて喜んでいることである。

 キャメロンの尻拭いをして、国民に総スカンを食らう。かわいそうなメイ首相だ。

 さらに不幸なのは、イギリスにおいて2大政党の指導者のだれ一人その後の具体策を語るものがないことだ。

 敵前逃亡し、すでに議員であることさえやめているキャメロンはBBCのカメラの前で、「後悔はないのか」と問われ、自身が残留派であったと語っている。

 企業人に説得され、残留派劣勢で慌てて残留テコ入れしただけであった。閣僚の6名余が公然と閣内でEU離脱を唱えているにも関わらず、職権で、解任もしなかった。

 それに先立つ数年彼は反EUを振り回していた指導者だった。

 この彼の無節操については、2つの事実を再録しておこう。

 1つは、欧州委員長候補者指名、いわゆるspitzenkandidaten過程での徹底したユンケル(現欧州委員長)追い落とし工作について、故仏首相ロカールが、憤りを込めて、イギリスよEUから出て行け、EUを殺すなかれ、と仏有力紙ルモンドで語っていた。

Amis Anglais, sortez de l’Union européenne mais ne la faites pas mourir ! LE MONDE | 05.06.2014.

'Get out of EU,’ ex-French PM Rocard tells Britain EurActiv 04/06/201.

キャメロン自身の言動が他のEU加盟国にどう見えていたかを彼はすっかり失念してしまっている。思い出したくもないことだろう。

 このもの、のちに脱法的な超大口の口座開設者を暴いたパナマ文書に名前が記載していることも明らかになった。

もう1つは、キャメロンについて側近中の側近Steve Hiltonが残した言葉だ。

 6歳で他界した息子の、洗礼立ち合い人でもあり、選挙参謀でもあったヒルトンは、キャメロンについて、AFPとのインタビューで以下応えていた。

 “If he was a member of the public, or a backbench MP or a junior minister or even a cabinet minister, I’m certain that he would be for ‘Leave.’

Cameron is pro-Brexit by ‘instinct’ By AFP 26 May 2016.

キャメロンは、およそEU支持派ではなかったこと、彼が反EUを煽り、イギリス国民を分断する国民投票という議会主権の放棄をしたという事実をしっかり理解しておく必要がある。

参考ブログ

 

2016.06.11 Saturdayマッチポンプのキャメロン、反EUの火をつけて回り、挙句、消火できずに国家が大火災 EU離脱の可能性が高まる英国民投票

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4050

2014.06.30 Monday 欧州理事会での英首相キャメロンの玉砕 欧州委員会の長候補選定の表決 上下

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3696

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3697

 

 

| 児玉昌己 | - | 11:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
テレビ朝日のニュースコメントにみるEU離脱案否決とメイ不信任案否決をめぐる英政治への認識不足
 テレビ朝日スーパーJ では、イギリスのEU離脱について報道しているが、1月15日のメイ案の歴史的大差での否決に続く、コービン労働党による不信任案の結果について、コメントしていた。

 渡辺とコメンテイターで法政大教授の荻谷が掛け合いしていたが、メイ首相の不信任案否決に注目して、渡辺が驚くように「僅差」を強調していた。

 ちなみに、メイ不信任案については、反対325 賛成306である。その差は15。他方前日のメイ離脱案での表決では賛成202、反対432で230票もの差が出た。

 たしかに上述した如く、メイ首相に対する不信任案は僅差で否決された。そのことは事実なのである。

 だが、重要なのは、この局面では僅差ということではなく、少数与党の地位に甘んじている保守党が一丸となって、これを阻止したということにある。

  この彼らの発言だけで、イギリス下院の勢力がわかっていないことを一発で示していた。

 僅差なのは2017年6月の総選挙で、下院での保守党の議席数が過半数を割っていることに起因するものであり、何等驚くに足るものではない。

 驚くとすれば、むしろ、前日のメイの交渉案を、保守党が分裂する形で、圧倒的多数で否決したことである。なんと、保守党議員では100名以上の造反者が出たということだ。

 そしてまた、かくも党内分裂の状況を暴露しつつも、一日を置いて、メイ首相にたいする不信任案では、前日の

EU離脱のメイ首相案の否決とは対照的に、保守党と、そしてバックドロップが北アイルランドをイギリス分断させ、これを固定化すると前日同じくアン提案を潰したアイルランド民主統一党(DUP)が一糸乱れず、一丸となってこれを否決したその事実が大切なのである。 

 すなわち、前日のメイ首相のEU離脱案の否決時と違い、一丸とならねば、労働党に敗北する危険性のある解散、総選挙を阻止できないことが明白であり、団結しないなら、政権を失うという危険に直面していたのである。

 その事実が、昨日のメイ首相の不信任案の否決では、圧倒的に重要なのである。

 メイの対EU離脱合意案の大差での否決と、僅差とはいえメイ政権の不信任案の否決が示すその政治的な意味がまるで理解できていないということだ。

 すなわち、ただでさえ少数与党の保守党が、メイ離脱案で見せたように分裂的に投票すれば、容易に野党労働党に政権を奪われるほどに英保守党は弱体化しているという事実である。

 キャスターやコメンテイターの僅かな一言で、日本のテレビの対イギリス認識のレベルが分かるものなのである。

参考ブログ

2018.12.03 Monday メイ首相のEU離脱合意案での狂騒というべき混迷のイギリス政局 1

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4452

 

| 児玉昌己 | - | 18:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
英下院 メイ首相のEU離脱協定案を230票の歴史的大差で否決

 朝起きて確認すると、英下院、メイ首相のEU離脱協定案を230票差で否決。
投票結果は賛成202、反対432。歴史的大差とのことだ。呉越同舟はいいとしても、それぞれ、勝手なことをいうばかりで、どう危機を乗り越えるのかまるでその方途と政策を示さない。彼ら自身が回答を持ち合わせていないからだ。
そしてEUに非があるように言う。甘えもここまでくると、あきれるばかり。無関税の空間である関税同盟から抜ければ、WTOの高率関税が待っているのは当たり前のことだ。
バックストップ(セイフティネット野球用語から)を不可という。3500名もの犠牲を出した民族(宗教)対立に終止符を打ったグッドフライデー協定を守り、両アイルランド国境の急激な可視化を防ぐためだ。
 しかもバックストップはイギリスがやめるといえばできる、イギリスの国家主権の事項である。
 もっとも、ディール(協定)がなければ、両国の国境の復活ということが避けられない。
 外部からみていて、全く議論がなっていない。
ヨーロッパ統合はヒト、モノ、カネ、サービスの自由移動を目的とし、これをワンセットとしている。イギリスにつまみ食いを許すと、27の加盟国がそれぞれ勝手を言い出し、欧州統合全体が傾く。イギリスのいいとこどり、チェリーピッキングにEUが応じるわけはない。
 労働党は不信任案を出すという。否決されるだろう。だが、どんなビジョンをコービンが持っているというのか。この無責任かつ、国際感覚に乏しい最大野党と党首にもうんざりしている。
 労働党による再度の国民投票実施の拒否を受け、イギリスの友人が爆発寸前の圧力鍋として以下書いてきた。it feels like we are in a pressure cooker which is waiting to explode! 言いえて妙である。その到達点は民族の悲劇を超えた惨事となるだろうが。
 それにしてもイギリスの世論を真っ二つに割き、議会主権を放棄したという意味で愚昧な国民投票をやったキャメロンこそ指弾されるにふさわしい。メイ現首相は当時、残留派だったのである。
 尻拭いとはこの言葉だ。
 2年前のミラー紙のコラムを再度掲示しておく。
  「キャメロンのEU残留を問う国民投票は英政治史上もっとも馬鹿げた政治キャンペーンである」Nelson's Column: David Cameron's EU referendum is the most absurd political campaign ever fought. Mirror. 28 May 2016.

参考ブログ

2016.07.03 Sunday仏有力紙ルモンド「恥を知れボリス」と、英語のタイトルで英のEU離脱の張本人の敵前逃亡を叱る

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4073

2016.07.03 Sundayロカール仏元首相死去の報届く イギリスのEU離脱を主張した硬骨の政治家

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4074

2016.06.17 Friday EU残留巻き返しに必死のFinancial Times 指弾されるキャメロン英首相の優柔不断と大失策

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4052

 

| 児玉昌己 | - | 20:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
英EU離脱 明日の午前4時過ぎの下院での投票とのこと 

 イギリスでの英離脱の下院投票は日本時間明日の朝4時過ぎということだ。友人のイギリス人政治学者は、問題は政治家がだれも政治の主導権を採ろうとする気がないということだ。実に空いた口がふさがらないとはこのことだ。
 本来、強硬離脱はイギリスに輝ける未来をもたらすといっていた。
 この強硬離脱派の政治家、例えば、ボリスジョンソン前英外相が自身の信念に従い強硬離脱すべきなのだが。
 彼らは口だけで、政治の表舞台で、メイ首相を攻撃するだけで、その実、自ら政治の責任を果たそうともしない。
 明日は株価もポンドも暴落だろう。
 国家が傾くのは政治家が堕落するときだ。
参考ブログ

 

2016.07.03 Sunday仏有力紙ルモンド「恥を知れボリス」と、英語のタイトルで英のEU離脱の張本人の敵前逃亡を叱る

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4073

2018.12.03 Monday メイ首相のEU離脱合意案での狂騒というべき混迷のイギリス政局 1

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=4452

 

| 児玉昌己 | - | 23:42 | comments(0) | trackbacks(0) |

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