令和6年3月15日金曜日 西南学院大学で九州EU研究会に出てきた。なんと第72回目。
35年以上にわたり春夏の年2回実施されてきた。私も長崎純心大(当時純心短大)に着任してすぐにオックスフォード大から分厚い経済学の書物を出されていた福岡大学のエル・アグラ先生の推薦でメンバーにさせて頂いた。
報告者としても最多の記録を持っている。報告者が見つからないバッファーとなっていたようだ。ここ20年余りは幹事を務めさせていただいている。
今回プログラムは以下。
松下先生は九大の岩田教授のお弟子さん。浪本先生は故小室程夫(神戸大教授)のお弟子さんで13年ぶりの報告。古室先生と私はベルギーの欧州大学院大学の片方は、先生として、私は院生として同じ学年で学んでいた。EU法のイロハを教えて頂いたのはこの小室先生であった。フランス語が堪能で、同じ日本人として密かな誇りとしていた。岩田先生は日ごろ学会活動で懇意にさせていただいている。東北大学の田中素香名誉教授のお弟子さんだ。
今回は欧州議会の専門家として友人のスティーブン・デイ教授の司会を務めた。
この研究会は会長は西南学院から出し、会場も西南で、同大学の事務方のご協力も得て、長く維持されている。この体制はゆるぎないものである。
しかし日本全国のことだろうが、EUを専門とする大学の若手教員の先細りが案じられるところである。最盛期には幽霊会員も含めて、100名ほどの名簿があったが、現在43名。
若かった幹事の皆さんも、私も含め多く名誉教授となられている。
松下先生はEUの5大銀行の金融危機とEUレベルでの金融改革の後を分析され、また浪本先生は国家補助の域外への監視を含めるEUの最近のEU規則を分析されて、ともに興味深いものであった。
スティーブン・デイ先生は近づく欧州議会選挙の動向をEUレベルでの代表民主主義の観点から話されて、大いに刺激になった。
終わった後、恒例の居酒屋ジャガイモで大いに歓談したところだ。この研究会の今後の発展を祈念するところだ。
なお先生方の報告演題は以下
1.「世界金融危機・ユーロ危機以降のEU銀行業」 熊本学園大学 松下俊平
2.「Counting Down to the 2024 European Parliamentary Election:
Are we about to witness the dawning of a new era?」 大分大学スティーブン・デイ
3.「EUの外国企業に対する新しい補助金規制について」 熊本学園大学 浪本浩志