児玉昌己 研究室

久留米大学法学部国際政治学科教授
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総選挙公示 歴史的となるであろうドラマの始まり 5
  定数是正という名で、現状の選挙制度を前提とした上で、議員定数の調整を行うとなれば、都市部への議席の積み増しとなり、地方は更に地域の代表を失うことになる。
 すなわち、ただでさえ危機的な状況にある地方の沈没を加速化することになる。
 一部の政党は、マニフェストでは、地方の活性化を唱えながら、意識的にか、無意識か、地方つぶしの方向に機能する選挙制度の変更を、確実にする選挙制度改革を掲げているものがある。
 全国を全て比例で覆えば、一票の格差は消滅する。ブロックごとにしても、小選挙区の現状よりはるかに問題は軽減できる。
 ドイツ型の小選挙区比例代表連用制でも、一票の格差は、現状よりはましである。ただし政党指導者が恣意的な権限を行使できないように、
導入すれば、順位は変動型がいい。

欧州で一票の格差の問題が日本とは違い、深刻化しないのは、比例を基礎として選挙制度が組み立て、その問題が相対化されているからである。

膨大となることが確実視される死票をできるだけ回避し、合わせて一票の格差の問題にも決着をつけうる制度が、比例制度である。
 ちなみに、一票の格差で不利になる地方については、補助金でという考え方が、ネットで出ている。
 これは、地方切り捨てに手を貸す議論である。選挙制度の問題は選挙制度の中でしか解決できない。
 現状の小選挙区制度を前提とした区割りを続ける限り、一方の格差の是正は都市部の議席の積み上げ、そして地方議席の削減となり、地方はただでさえ、格差拡大全開の政治で打撃を受けている中で、その代表を失い、ボロボロとなり、沈没する。
 それゆえ定数削減などは全くナンセンスでもある。それはただでさえ、国民から遊離しつつあるとみなが感じる政治を遠ざけ、寡頭制の権威主義的政治に更に進めるだけでしかない。

 

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