東アジア共同体構想に鳩山総理は異様な入れあげ方である。
最近、この構想が米国を排除するものであることを岡田外相が語って米国を不快にさせている。いや不必要に対日不信感を増幅させている。
東アジア共同体構想に懸念=米排除に不信感−オバマ政権時事通信2009/10/08
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009100800536
定義もなく、言葉だけが遊離して、独り歩きする。それを深く憂慮する。
特に鳩山総理はEUを意識しているというが、であればなおさらだ。
現状のEUの統合のレベルを真に理解しているのだろうかと。EUはリスボン条約を発効させそうであるし、実に欧州連合というレベルではなく、欧州連邦に踏み出している。
加盟国の主権的権限は大規模にEUに譲渡されている。
EU加盟国の政治家は、その事実を半分恐れて、主権の共有などというが、そうではない。
EU裁判所による、EUと加盟国の主権的権限に関わる判決は、主権の共有などという文学的な表現は一切していない。主権的権限のトランスファー譲渡であり、リミテイション制限として明瞭に判示している。
どれほどの経済的、政治的統合をEUがしているのか。通貨統合ひとつとってみても、そうである。
ユーロは単一通貨であり、並行通貨ではない。欧州中央銀行が供給量、金利のいずれも独占的に決定権限を行使している。加盟国の中央銀行は、ユーロ圏について言えば、手足や支店としてのみ機能している。
ヒトモノカネも、自由移動が前提である。
政治的自由も随分進んでいる。人権でも、欧州はトップクラスを進む。それはキリスト教社会の長年の共通性を基盤とするものでもある。