児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
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イギリス総選挙の開票速報で想うこと 6 比例制度が新たな政治のパラダイム
 EUの民主主義の政治と選挙の理念が、欧州政治の場から、徐々ながら、自国の国内政治に影響力を行使し始めていることを、我々は忘れてはならない。  イギリス国内に戻って言えば、なにより完全比例制であれば、得票率が23%であれば、まだ議席は確定していないが、自民の議席数は、BBCが予測した80前後ではなく、軽く130議席となることに意を置く必要がある。
 
日本の現在の政治家たちの議論が、イギリスをモデルとして、古い事実認識に基づき、時代錯誤的に、小選挙区制度に傾斜しつつある。

 他方、本場のイギリスでは、小選挙区制度が生む2大政党制が急速に機能不全を起こし、政治を支える選挙制度のパラダイムとしては、むしろ打ち棄てられる可能性をみつつ、政治が進行している。
 「多元的な意見をもつ国民の意思を背景とした政治を可能にする比例制度」(ガーディアン紙)の導入の可能性を秘めて、進行している。
 今回のイギリスの総選挙を観つつ、イギリス政治が、日本の政治家が目指そうとしている完全小選挙区制の導入でなく、それと全く違って、実に比例制導入という新たなパラダイムをもって、進み始めているところが、私には印象的である。
 キングメーカーとなった自民党党首クレッグは、保守党を名指しにして、それにプレッシャーをかけるように、「最も議席を持っている党が、政府を形成せねばならない」と発言している。
 次の政権は、まさに彼の手にある。
 日本の政治家諸君は、今回のイギリス総選挙結果に、そうした意味があることを、しっかり理解すべきである。


| 児玉昌己 | - | 20:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
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