児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
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議員歳費と議席の削減論について 4 先進11カ国の人口比別国会議員定数
 先進11カ国の人口比別の国会議員定数を並べて見た。
 言われている常識が如何に誤っているか理解されるところであろう。むしろ如何に日本の議員定数が少ないかが、以下で理解されることであろう。
 4カ国で前回とは、定数の若干の出入りを見ているが、基本的なトレンドは変わらない。以下最新のデータを掲示する。

 日本の議員が多すぎるなど、全く根拠がない。多くが基準としている米国自体が、世界の先進国からみて、異常異様に議員定数が少ないことが理解できるであろう。
百万人が抱える国会議員数 先進11カ国比較 2010年現在の議席数
        (人)  人口(万)議席実数 上院  下院
スウェーデン  37.77     924    349        349
イギリス    22.49    6156     1385  735     650     
イタリア    15.91    5987    953     323     630
フランス    13.63     6587     898     321     577
オランダ     13.56 
     1659         225     75      150  
カナダ       12.30        3357       413     105   308  
オーストラリア  10.61       2129      226      76    150
ドイツ     8.22       8175     672      69    603
日本      5.86       12300     722     242    480
ロシア     4.42      14190     628     178    450
米国       1.70      31465     535    100     435
   児玉昌己(久留米大学) 各国版ウイキペディア等の政治データをもとに算出 
 議席実数は上下両院の計 


 人口100万人で、2人も議員を確保できていない米国の異様というべきこの議員定数の少なさについて、権威主義的寡頭政治の米国と定義している。米下院は人口が3倍余になっても、80年余り定数を変えていない。
 米国では、参加民主主義がいわれながら、最も重要な点で、米国の有権者は如何に国政から疎外され、市民の国政への参加も阻害されているかを示している。リンカーンの政治も、今となってはレジェンド、神話である。
 同じく財政赤字を抱える欧州では議員定数削減論など存在しない。議員定数がもつ代表民主主義の意義を熟知し、理解しているからである。他方日本では、まともな比較政治の知識もなく、政治家が自らの職に誇りも矜持もないかのように定数削減を言う。
 無批判に誤った知識を、知った風に垂れ流すメディアも含め、将来の政治家の芽さえ摘みかねない日本の議論のレベルの低さには、あきれ返る。 
 行財政改革論、つまりカネの議論延長で、国会議員の数の削減を図る意図は何か、選挙区での定員削減が困難なことは明白で、結局、反対が少ない比例が削減の対象となることは、火を見るより明らかだ。
 その先には、膨大な死票を前提とする前近代的な小選挙区制度がある。

付記

英文版を付記します

2014.06.02 Monday Comparative levels of the number of Deputies per million of population

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3676

 

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