児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
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好著のご紹介 松尾匡「不況は人災です」筑摩書房 2010年 下

 欧州では、社民政党は、完全雇用を重要政策として掲げて、インフレ目標を当然のごとくいう。政権政党を長く経験して、いい意味で体制内政党として責任をもって政治を進めているからである。
 他方、日本では、空中分解し、民主という保守に吸収され、地上から消滅した日本社会党や、共産党が万年野党として、政権奪取という政党本来の役割を放棄し、政権奪取などどこのことかと、政府を攻撃するだけで、政策論についての無知と無責任のなかで、60年間生きてきた、その違いであろう。
 結党88年という共産党は、比例で、集票は、結党わずか1年半にもならない「みんなの党」にも抜かれ、生活弱者の受け皿にもなりえず、末端の党員の奮闘むなしく、先の参院選では前回に引き続き大敗し、消滅を待つばかりのようでさえある。

 深刻な学生の就職難を抱える大学人として、経済のあるべき姿、つまり「経世済民」としての経済学の意義と役割を、深刻なデフレ日本を事例に具体的に示し、その克服法を説かれている。
 実にヒューマン精神に充ち満ちた、愛すべき書である。
 ともあれ、猛暑の夏。時に、世襲貴族的議員の政治指導や、どちらも変わりがない自民や民主の、怨恨、私闘や、増税と議員定数削減のチキンレースを繰りひろげる、屁ほどにも面白くない政治状況を捕捉せざるを得ない政治学者としては、経済学という領域の専門家に少し嫉妬する読書である。
 なお私の読みが間違っていなければ、中央銀行の役割について、物価の番人の役目に終始せず、デフレ期には、総需要拡大のためマネーサプライに積極的になり、景気の回復という現実の問題に積極的にその機能を果たすべきだという主張では、先に取り上げた竹森俊平慶大経済学部教授の論と変わりがないとみている。
 参考ブログ
2010.07.13 Tuesday
 2010参院選、党派別の比例代表獲得票および獲得議席2名以上のデータ http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2438

2010.07.29 Thursday 好著のご紹介 竹森俊平「中央銀行は闘う」日本経済新聞2010
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2457

 

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