児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
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仏国民議会選挙マクロン新党「共和国前進」は歴史的圧勝 だが史上最低の投票率

 朝7時半

 この時間フランスは日付が変わったばかりの深夜だ。 フランス国民議会選挙の決選投票での開票が進んでいる。

昨夜、投票時間が締め切られる頃に就寝。ルモンドと、レゼコー(経済紙)はライブで、大量の女性を含む新人候補、そして投票率は大幅下落ということを受けて、以下、伝えていた。

「投票する相手はどんな人だか知らないよ、彼女がいい仕事をしてくれることを望むだけ」

« Je ne connais pas la candidate pour qui je vote. J’espère juste qu’elle fera le job »  

「低投票率はマクロンにとって有利か否か。」

l'abstention aidera-t-elle ou non Emmanuel Macron ? Les Echos  18/06.

 今朝19日の7時過ぎに目覚めると、開票が進んでいる。

 ルモンド(現地時間2139)によれば、報じられていた予測は下方に振れ、マクロンの共和国前進は361で、400にとどかない。しかし過半数の289は超え、議席占有率は62.56%1年前には存在さえしなかった政党である。直近の予測の400超えはならなかったものの、ゼロからの数値、どれをみても過半数は確実で、実に、歴史的ともいうべき圧勝。

 ちなみに共和党は現有議席を100ほど失う、126(2012年の前回229

 最悪20台とも予測されていたオランド政権を支えた与党社会党(2012年の前回331)は46と踏みとどまったようだ。

 もっともそれでも解党的打撃である。 実際、BBCは先月、「フランス社会党は死んだのか」、という刺激的テーマで記事を出していたが、満身創痍だ。

Is France's Socialist Party dead? By Hugh Schofield BBC News, Paris 16 May 2017

ルペンの国民戦線は8。資金、演説時間などが確保される15を必要とする院内会派形成が不可能となり、EU解体論者で、人種差別主義者を封じ込めることはできた。

 レゼコーが昨夜見出しで伝えていたように、43.4という記録的な低投票率は組織政党に有利に働いたようだ。

ルモンドが伝える主要政党の予測値を出しておこう。18日 2145分現在の暫定値で、定数577。

共和国前進・民主運動 議席361 (議席占有率62,56%

共和党12622,84% 

社会党46 7,97%

共産党16 2,77%

国民戦線81,39%

Source: IPSOS/SOPRA STERIA

追記

数値はルモンドが掲示している暫定値であり、確定したら、また紹介したいと思います。

なお共和国前進の躍進が注目されているが、セーヌ・サンドニ選挙区で15年にわたり議席を有し、1990年代から2000年代にEU統合で活躍していた社会党のエリザベート・ギグーÉlisabeth Guigou女史が第一回投票で議席を失ったことを知った。ENA出身の才媛で魅力的だった彼女も齢70。人は来たりて去る。政治家も同様である。

 彼女のツイッターで敗戦の弁を語っている。

活動家、有権者、友人に感謝していること、時代の1頁がめくられたこと、そして一緒に達成してきたことを誇りに思う、というものです。

Merci à tous les militants, électeurs et amis. Une page se tourne. Je suis fière de tout ce que nous avons accompli ensemble. 

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