児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
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3月29日 本来ならば今日がEU離脱日 イギリス労働党と党首コービンのこと

 今日は329日。絶妙なタイミングでのロンドン入りですね、とあるプレスメディアの友人に言われた。

 悪い気はしないのだが、切符や宿舎も2か月前に手配していたことだ。本来なら、今日がEU条約第50条に基づく離脱通告から2年で、強制離脱と相成っていた日なのである。

  そうなっていないのは、EU側が譲歩して、4月12日まで、当面延期にEUが合意し、この日の重要性が相対化されたということである。 

  もとより、私がこの日程に合わせロンドン入りを手配した時にはEU側の譲歩も決まっていなかったのである。

 その29日。現地時間で夜に重要な投票がある。とはいえ、連日重要な投票が延々と続いているのだが。

 今日は、その当事者のメイ政権ではなく労働党について書こう。

 労働党といえば、  保守党と変わらなかった経済自由主義者のブレア政権やブラウン政権の反動として、あれよあれよという間に、党内最左派というべきコービンが党首に選出された。2015年のことだ。

 労働党の首相となったブレアは、米大統領ブッシュジュニアと組んで、イラク戦争参加などの決定で、独仏の社民政権と激しく対立したのだが、それでも ブレアがフランス語ができたのとは異なり、党首コービンは、国際的な感覚とは無縁の場所で生きてきた経歴を持つ。

 その彼を担いだ労働党。国民投票の結果を尊重する述べ、再度の国民投票は長く反対し、保守党を結果的に擁護してきた。今になって、総選挙の要求など党利党略を優先している。

 反離脱で徹底して保守党政権と対峙していれば、まだ政権奪取の可能性はあったかもしれないが、今頃、関税同盟を主張している。

 そうした党内の指導性への反発で、離党者も出ているし、影の内閣の3名の閣僚の更迭があった。その労働党。

 昨日、このブログでは、イブニングスタンダートの記事について書いたのだが、同じ日の新聞では反ユダヤ主義の犯罪容疑で3名の労働党党員がロンドン警視庁に逮捕さるという記事が、後ろの頁で扱われていたのである。

 これについては、海の向こうから米国務長官がわざわざ問題だと指摘している。

 コービンの周辺に反ユダヤ主義の問題党員がいたのは知られているし、メディアでも取り上げられていた。だが逮捕とは穏やかでない。

 社会主義者は、国境を越えたインターナショナルではないのかと問いたいところだ。ドイツ社民では考えられないことだろう。もともとハンナアーレントは労働組合ほどナショナリズムなものはないとして来ていたのではあるが。

 労働党の中には反イスラエル勢力が伝統的に存在していたことは周知である。わが国も1973年の第1次石油危機では米国に追随して、アラブの石油を断たれれば直ちに危機に瀕するということで、OAPECの石油戦略の前に親イスラエルの姿勢を改めたこともある。

 ちなみに私の修士学位はアラブの石油戦略とイギリスの北海石油国家管理政策について、ウイルソン政権の政治を扱って同志社から頂いた。いまは EUと欧州議会の専門家なのだが、研究者としての始まりはイギリス政治だった。

 さてその労働党のこの党首。

 夕刊のスタンダード紙同様、これまた無料のタウン紙メトロは、コービンがまったく場違いのことで、SNPにかみついていることを記事にしている。

 すなわち、時代は40年も前、1979328日のジム・カラハン労働党の政権下で首相の不信任案可決が上程され、1票差で負けたことを取り上げて、SNPにかみつつき、反発を招いているという記事だ。

 このとき11名のスコットランド民族党SNPの議員が反キャラハンに回った。そのことに触れて、SNPの党首のニコラ・スタージョン女史を憤慨させているのである。

 「私が8歳でしかなかった昔のことを語るのではなく、今のことを語ったら」というのだ。

 全くその通りで、現下のイギリスの政治の大破局を前に、いま語るべきことかねというほどにも政治音痴を曝け出している。

 この党首は何を考えているのだろう、ということだ。

 なお、コービンの対EUの重要事項での投票行動は以下のブログ参照。

参考ブログ

2019.01.28 Monday甘えのイギリス時間切れも 英EU離脱まで60日あまり

http://masami-kodama.jugem.jp/?day=20190128

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