児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
熊楠のこと
 我が家のカメの事を書いた時、熊楠に触れたので、昭和天皇と彼の関係について触れておこう。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』では、私が書くまでもなく、以下、簡潔に書かれている。

1929年(昭和4年)、昭和天皇が神島(和歌山県田辺市)に行幸をした際、熊楠は粘菌などに関する進講を行った。このとき、キャラメル箱に入れた粘菌標本を天皇に進献したエピソードはよく知られている。1941年(昭和16年)、75歳にて死去。後年(1962年)昭和天皇は南紀白浜にて海上の神島を眺めつつ「雨にけふる 神島を見て紀伊の国 生みし南方熊楠を思ふ」と熊楠を偲ぶ歌を詠んでいる。

 私が、指摘した事で意味があるとすれば、この詠歌を除いて昭和天皇が個人に直接触れた歌は存在しないということだ。同じ菌学者として、両者はそれほどの関係であったということだ。

とまれ、インターネット時代の信じがたいありがたさである。
新入生諸君で、インターネットをつかえないと、その段階で使っている人とは、決定的に差がつく。大いにこの情報ネットの凄さを活用し、堪能しよう。
上手に付き合えば、ネットは素晴らしい人生の友となり、情報の暗黒に誘い込む悪女ではなくなる。
| 児玉昌己 | - | 10:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
我が家のカメ 閑話休題

 大型連休。しばし世事から離れて、カメについて語ろう。
我が家には数匹のカメがいる。別段、高価なカメではない。どこにでもいるカメだが、名前まである。ミシシッピアカミミ(ミドリカメ)はバナナ。大型のクサカメはハナコ。
 カメをなぜ飼うかは、理由は簡単。ほとんど手がかからないからだ。在外研究でも長期出張でも水さえあれば大丈夫。先ごろCMで有名になったチワワなどと違い、ホテルに預けたり、注射を打ってもらう必要もない。ちなみにチワワは、そのCMの会社の違法取立のあおりを食らい、値段が下がったという。人間の都合で生命の価値が上下するチワワはかわいそう。
 しかもカメは癒しの生物だ。ヘビなどと違い人を怖がらせたり、逃げて他人に迷惑をかけることもない。日ごろ、権力闘争だの、クーデターや革命、拉致など人間の醜悪で、本質的側面を扱う政治学者としては、気が休まる。カメは実にのどかである。
 餌付けすると首も伸ばすし、ご存知だろうか、カメはあくびもする。日光がさすと手足を全快して、だらしなく横たわっている。気分はまさにワイキキでの日光浴。
 冬場、水からあげてカメを土にもぐらせる人がいる。翌年はかわいそうにミイラだ。自然ならいざ知らず、人工的には水が必須。ウミガメを除いて、カメは陸上動物で、おぼれるのである。陸を作ってやろう。そこで日光浴が出来る。甲羅干しは、ミネラルを補給し、細菌を殺してくれるのだ。生命の源は水と日光である。
 餌は、我が家は乾燥イワシ。手も汚れない。庭のミミズでもいい。夏場の7月からの3ヶ月猛烈な食欲。水槽も汚れるので、水の入れ替えや手入れは必須。それ以外は、まったく手がかからない。
 カメといえば、長命。忘れられない場面がある。TVカメラが10年ほど前熊楠の生家に入っていた。わが国が生んだ世界的な植物学者南方熊楠(みなかたくまぐす1867-1941)の生家にである。だが、ここでは昭和天皇が唯一固有名詞としてその名を詠んだ熊楠の自身のことではない。彼の家の庭の池のカメのことだ。孫に当たるおばあさんが、指差して、こともなく、熊楠の若いころからいますよと。
 カメは万年とまではいわなくとも長命。 我が家のカメも私より長生きするかもしれない。実に、おめでたいことである。

| 児玉昌己 | - | 14:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
大型連休ちかし
 5月も目前。しばし新年度のバタバタも終わり、ようやく受講者も教師も慣れてきたところです。新入生が大挙入学し、新しい教室や時間割で、戸惑った4月でしたが、連休入りですね。
 今年は連休の日並びがよく、大型になりました。皆さんはいかがお過ごしになりますか。なに、もう成田を出て、今、セーシル、モルジブ、パリだって。
 私はガーデニングという名の、庭の草むしりか、かっているカメたちの水槽でも洗って過ごすとしましょうか。
 
| 児玉昌己 | - | 08:46 | - | - |
光市母子殺人事件に思う
 1999年に山口県光市で起きた18歳の工員による母子殺人、強姦事件が7年後ようやく最高裁で判決を残すだけとなった。上告審にいたる過程で獄中から友人に当てた被告人の書簡では「せいぜい無期、7年で地上に芽を出す」、といっている。これこそが被告人の心底の思いだろう。
今年2月に急遽担当となった弁護士の安田氏は本件について、殺人ではなく、傷害致死相当という。窒息している母体に強姦を加えたということには十分言及しているとはおもわれない。
しかも、この弁護士の行動は問題を残している。先月の上告審弁論期日に一方的に欠席している。理由は、日弁連の行事への参加を理由にしたものだった。実際には彼が認めたように、準備に遅れたということであったが、弁護士としての倫理を疑われる行動であった。弁論期日は1ヶ月も前に決まっていたからである。
  遺族関係者は日々の生活の糧をえる仕事を中断して上京し、出席していたのである。これについては、凶悪犯罪被害者の夫が、これほど屈辱的だと感じたことはないと発言し、その発言は、広く報道された。 この不出廷にたいして、最高裁小法廷は改正刑事訴訟法に基づき、出頭在廷命令を出したほどだ。 
 安田弁護士は、オウム、そしてヒューザーの弁護士というように、著名な事件の弁護を引き受けることで有名で、死刑廃止論者だという。
 弁護権は基本的人権の重要な要素であることはいうまでもない。それに弁護士といっても、社会的に暴力団の違法取立てにたいし被害者救済や環境破壊の開発に身体を張って阻止活動をされている弁護士も多数おられることも承知している。だが、このような弁護活動をみるとき、世には様々な弁護士がいるものだと思わせ、弁護活動とは何なのかと考えさせる事件である。span>
| 児玉昌己 | - | 11:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
新刊紹介 脇坂紀行「大欧州の時代」岩波新書
 朝日新聞のブリュッセル前支局長脇阪紀行さん(現デスク)が岩波から「大欧州の時代」を刊行されました。


ご本人から新書を準備している旨、お聞きしていましたが、まず無事の発刊おめでとうございます。
 この本は、ベルギー支局長時代に書かれた記事をベースに新たに書き下ろされたものです。特に欧州憲法条約の批准のトラブルなど、21世紀の欧州の挑戦と困難、そしてブリュッセルで展開される欧州の政治、経済、社会の最新動向が、記者の視線と感性を通して紹介され、欧州統合の「鼓動」に触れることが出来る書で、現代ヨーロッパを知りたい方にはお薦めの1冊です。
 私との関係で言えば、このブログでも紹介し、リンクしている欧州大学院大学についての1章があります。
 ベルギーのブルージュ(ブリュッセルから汽車で北海方向へ1時間)にある1年制のこの大学院大学には、20数年前学び、再び、今度は客員教授として昨年夏まで1年間、在外研究をし、日本EU関係などレクチャーしていたのです。その頃、脇阪さんから取材申し込みがあり、それで協力し、交友を深めた次第でした。
 欧州大学院大学は日本ではほとんど無名ですが、オックスフォードやパリ政治学院を経てここで学ぶというように、欧州有数の高等教育機関となっていて、この度、脇坂さんのこの書を通して、この大学院がわが国に紹介され、有り難く、嬉しいことでした。
| 児玉昌己 | - | 01:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
面白いサイト発見
 ネットサーフィンしてたら、オモシロ・サイト発見。
といってもヤフーの広告画面に出ているから、すでに見られた人多いだろう。
ボクサーで世界チャンプを極めた竹原慎二さんの「ボコボコ相談室」がそれだ。
新人サラリーマンたちの悩みに応えているが、その返答はストレートだ。
 無名の大学出身の上司が悪いとか、営業にむかないとか、否定的な相談に、
「お前は何様だ、悩むほど、えらいか、今の境遇を直視して学べ」、と甘えを一刀両断。
 質問者に迎合し、傷をなめあう傾向のあるこの手の欄の回答者とは大いに違っている。例えばこうだ。

MBA取得してるヤツらは皆神様か? 有名大学の卒業証書やMBAの認定書を人に見せたら、お金がもらえる世の中だとでも思ってるのか?」

 竹原さんの真骨頂だ。新年度が始まるが、悩みある人はこのハード・パンチで目覚めるかもしれない。 
 過日、上京時に偶然、ホテルのエレベーターで竹原さんを見かけた。そして、あのガチンコ・ファイトクラブよかったですよと、世の一般視聴者として、御礼を述べておいた。



| 児玉昌己 | - | 12:54 | comments(0) | trackbacks(0) |

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