児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
雨の日曜日―東亜日報の取材記事現る
 雨の音で目が覚めた。さすがに未明から明け方にかけては気温も下がり、就寝も真夏の炎熱地獄からすると、快適だ。 大地が潤い、樹木も空気も湿気を吸って、生き返る。
 11月末の学会報告の論文と取り組んでいるが、なかなか進まない。ブログは明日1日を残して、9956.なんとかここ数ヶ月続いている1万件はクリアできそうだ。8月辺りは月間記録をどこかに意識していたが、自然体で行こうと思っている。 
以前の記事にもトラックバックが入ってきたり、ありがたく、嬉しいことだ。読者には感謝である。
 なお東亜日報への電話取材についてはすでに書いたが、そのコメント、「韓国で見た日本ニュース」というサイトで紹介されているのを偶然知った。もとより、コメントした一部が使われているのだが。韓国メディア関係者の読者までいて、これまたありがたいことである。
 記事の関係する部分は以下でみることができる。
구루메(久留米)대 고다마 마사미(兒玉昌己) 교수는 “어려서부터 주변에서 ‘도련님, 도련님’ 하며 떠받드는 데 익숙해진 2세, 3세 정치인들이 서민생활의 고달픔을 알 리 없다”며 “아베 정권의 실패는 대물림 정치의 실패”라고 잘라 말했다.
http://www.kjclub.com/jp/exchange/photo/read.php?
tname=exc_board_42&uid=935&fid=935&thread
=1000000&idx=1&page=1&number=910
 無料の韓日後翻訳ソフトで、なんとか日本語に変換されて読むことが出来る。実際、同サイトでは、日本人のために、それが持ちいられている。もとより完成品から程遠い翻訳レベルはご愛嬌だろう。 私は韓国語の素養がない。自分の名前をなぞってみるくらいのことだ。
 読解不能の外国語を何とか理解できるまでに翻訳してくれて、しかも無料で提供してくれるのだから、文句は言えない。
| 児玉昌己 | - | 10:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
 週末のくつろぎの時間
週末長崎で過ごしている。家人の料理が一番だ。
 我が家はカメハウス。大小4匹いる。クサガメやアカミミ。
 新築したとき犬小屋ならぬ、カメの家も作ってやった。20年で初代のものは入れ替わったが、それでも10年我が家でいきているものもいる。
 そのカメの水槽の水を入れ替え、餌をやる。10月を前にすれば、大体は気温も、水温も下がり、ほとんど食欲もなくなるのだが、今年は熱帯夜がつづき、まだ餌のイリコを食する。
 殺菌消毒をかねて、水槽の水を抜くと、夏を思わせる陽光で乾いたコンクリの地面では、赤色のボウフラがうごめき、小型のアリがそれを集団でえさとして運んでいる。たかが、水槽の中でも、壮絶な自然界の弱肉強食だ。
 日本も2000年かけて今の平穏さを手に入れたのだ。北朝鮮やミヤンマーなどまともな市民生活も享受できない国の住民もいることを想うと、胸が痛む。
 自宅の周りを散策すると、赤いマンジュシャゲ、それに白い芙蓉の花も、黄色のコスモスも。
季節は暑さを残しながらも、秋には向かっている。
 
| 児玉昌己 | - | 19:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
ミヤンマーでのジャーナリスト殺害―即刻大使を召還し、強力な制裁に入るべし
 ミャンマーのヤンゴンで日本人の映像ジャーナリスト、長井健司さん(50)=東京都中野区=が、軍政への抗議の民主的なデモを取材中の28日、軍治安部隊の兵士に至近距離から撃たれ、殺害された。その衝撃的な射殺の瞬間をとらえる映像は、全世界に報道された。
 無抵抗のジャーナリストや、自由を求める市民にたいして無差別に発砲し、軍事的手段で圧制を続ける同国政府にたいし、福田新政権はあらゆる経済協力を直ちに停止し、強力な制裁を実施すべきである。
 わが日本は、国民の生命が残虐にも、圧制者の銃弾により簡単に奪われた。大使を即刻召還し、軍事政府に断固抗議し、指揮官と兵士の処罰と補償を求めるべきである。
 新政権のヤンゴンでの市民虐殺にたいする対応の如何は、同じくアジアの圧制者、金正日北朝鮮への、実効ある制裁政策の評価にも繋がるものである。

 世界各地の紛争地域で、幾多の貴重な映像を提供され、世界の報道ジャーナリズムをリードされてきた長井さんのご冥福をお祈りし、ご遺族に深く哀悼の意を表します。
| 児玉昌己 | - | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
可能性の高い18歳の英労働党員の総選挙立候補
 先に貴族化する日本の政治家のブログを書き、東亜日報に電話取材を受けたことを書いた。その中でイギリスでは、下院議員で、一種の世襲的な政党幹部の代替わりについては、皆無に近いと書いた。イギリス人政治学者のデイ助教授に確認しているから、基本的に間違っているわけではない。
 が、産経新聞が面白い記事をイギリスから報じてる。それによると、先のブログの記述、若干、改める必要があるかもしれない。
 なんとトーニー・ベンの孫娘がイギリス労働党から立候補することが決まったという。
ベン議員については、そのブログでも触れた。
 イギリス人の著名政治家で、貴族ながら、驚くことに爵位を返上して、下院議員となり、エネルギー担当大臣にまでなっている。
 ちなみに、戦前華族の地位を捨てた貴族がいたが、貴族の対面を維持できないと経済的理由での辞退だったと、「華族」(中央公論新書)にあった。ベンのケースに似た事例を我が国でいえば、平民宰相原敬に爵位をという動きがあったが、彼はそれを衆院での活動のために断ったとある。
 同じく私は、日本の労働者階級出身でありながら、党幹部を父としあるいは祖父として、貴族化した3代目議員を「赤い貴族」と表現した。だが、イギリスのベンは本当の貴族出身である。そして労働党に所属し、貴族院(上院)ではなく、庶民院(下院)の議員になったので、同じ「赤い貴族」といわれる。同じ表現ながら、その実体においては、大きな違いがある。
 それにしても、驚きは、そのベン家が5代政治家を続けているということ、そしてトニーの孫の女子高校生が、労働党の次期総選挙において同党からの候補者に選出されたということである。もとより、イギリスでも例外的事例に属することだろう。
 日本では、19,18歳は子供として扱われ、それゆえ凶悪犯罪のコンテキストで、少年Aや少女Bなど、報道される。日本では、おかしなことに、高校生が政治に関わることなど、むしろネガティブな反応がある。
 欧米の先進国では、成人年齢は18歳で、政治に全面的に参加するし、責任を持つ成人として遇している。EU加盟国のなかには、投票権が16歳の国家もあったように記憶している。それは例外としても、かくのごとく、成人年齢での世界の態勢は18歳である。
 これに反して日本だけが20歳である。いつになったら、18歳を成人として認め、義務と責任を負ってもらい、社会の責任ある重要な一員として処遇するのだろうか。
 なお日本の衆院の投票権は20歳、立候補資格は25歳以上である。

関連記事
あと数日で18歳 「解散しないで」英史上最年少候補 エミリーさんのお願い
9月27日 産経新聞
 英労働党史上、下院議員として最長の50年間の勤務歴を誇るトニー・ベン氏の孫娘で高校生のエミリー・ベンさん(17)が次期総選挙の同党公認候補予定者に選ばれた。同党への高支持率を背景に早期解散を求める声が高まる中、エミリーさんは25日、労働党年次大会でブラウン首相に「18歳の誕生日を迎える10月4日までどうか解散しないで下さい」と訴えた。英国では昨年、被選挙権の最低年齢が21歳から18歳に引き下げられた。しかし、18歳の誕生日前に解散・総選挙になると出馬できなくなる。エミリーさんは大会での演説で「英国史上最年少の候補予定者に選ばれたことを誇りに思う」と話した。 同党左派で鳴らしたベン氏は1951年に史上最年少の下院議員として初当選。同氏の家系は英国で最も有名な政治家一家として知られる。5代目の政治家を目指すエミリーさんは、現在のヒラリー・ベン環境・食糧・農村相の姪に当たる。(英イングランド南部ボーンマス 木村正人)



| 児玉昌己 | - | 09:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
死刑執行遅延に関して、鳩山法相を支持し、亀井静香議員に反対する 

 鳩山法相の「乱数表」や「無署名」での死刑執行という言葉を支持しているのではない。支持しているのは、死刑執行が恣意的に遅延されているという事実について問題提起したそのことを支持している、まず法相支持という私の立場を明らかにしておこう。
 法務大臣の個人的意向で、死刑の執行が遅延されていることについては、ここ30年ずっと問題となっていた。現在は死刑判決を受けて、執行が遅延しているものは、その数100名を超えているはずである。
 すなわち、法務大臣が、死刑制度反対団体からの苦情や抗議を考慮して、あるいは自己の心情から就任中死刑執行命令書に署名しないからだ。自己の再選への反対票とその作用を懸念してというのが、理由の大きな要素の1つだろう。
 ばかげているといわざるを得ない。日本は近代的司法制度を導入して、100年。3審制の国家だ。審理はオウムの麻原についてに見られるように、時に15年さらには20年を超える場合もある。しかも、死刑は1名の殺人では皆無といってよく、3-4人ほどの凶悪な殺人を犯してようやく適用される。
 最高裁判所の憲法判断も、死刑を退けるものではない。それがゆえに現在も継続されている。憲法は残虐な仕方での刑の執行を禁じているだけである。
 死刑制度の可否を問うことはいい。日本は思想信条の自由はある。だが、決定した刑の執行を法務大臣が遅らせるのは、一体何が故だ。司法が下した最終判断を法務大臣の個人的理由で、執行を遅らせていいのか。冗談ではない。内閣の一閣僚の恣意性によって、司法権が侵食されている事実にまったく目が向けられていない。
 犯罪被害者と遺族関係者の人権、そしてそれまで、長期間審議してきた犯罪事実の審理と裁判所という司法府による犯罪事実に関する最終判断が無視されていいのか。
 社会の安寧秩序の維持の根幹に、法務大臣の「個人的」理由で、大穴を明けて平気なのか、現行制度に反対ならば、閣僚としての意思不統一で、総理はこれをただちに罷免すべきだろうし、組閣時には、そうした法務大臣は閣僚を引き受けるべきではない。個人的心情とは無関係に、法務大臣の職責として、執行命令書には署名すべきである。司法判断における救済は、再審制度など、同じく司法権に属し、法務大臣の恣意性とは別のところに存在する。
 彼は鳩山を「人間の資格がない」と痛罵した。死刑廃止論者で「人権主義者」であろう亀井氏が、他人の人権にはかくも無感覚であることに、あきれる。自己の見解と違うものを人間でないと表現するのは尋常なことでない。
 私は行政権というよりも、歴代の法務大臣の個人的心情が司法権を司法判断が出されたにもかかわらず、命令書に署名せず、侵食しているというその事実についての、亀井氏本人の見識を問題視したい。
 政治家なら法務大臣の重要な問題提起について、暴言を吐き、面罵するのではなく、立法者の一員として、死刑制度廃止を立法化する努力を見せよということである。


| 児玉昌己 | - | 08:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
skypeでの国際チャット 楽しからずやIT革命

 スカイプ。そう聞けばインターネットユーザーなら、私も利用しているという人も結構いることだろう。
 3年前ベルギーのブルージュの欧州大学院大学で在外研究にいるときに、大いに活用させてもらった。
 30年前ロンドンに留学した頃には、福田総理、といっても父君の赳夫氏のことだが、の政治を2ペンス銅貨を電話口に入れて、テープで流れてくる日本語ニュースとして、聴いていたことを思い出した。1ポンド500円の頃のことだ。
 時は移り、大学教員となり、在外研究から2年前に帰国してからは、携帯ありで、あまり利用することはなかったが、昨日帰り支度をしていると研究室のパソコンに表示が出た。オーストラリアにいるドイツ人のミシャイル君から。
 彼については以前このブログでも書いたことがある。奥さんは韓国系ドイツ人でハイデルベルグ大学医学部出身の放射線科の女医さんだ。ブリスベーンに夫婦で今年移住した。
 欧州大学院大学での在外研究中、彼は、私の身元引受人でもある政治学研究科マンケ教授の助手をしていて、在外研究中、クリスマス休暇で、彼のハイデルベルク近郊の街イババIbachに彼のご両親を訪ね、家族で泊まらせてもらうなど、公私ともども世話になった、若い友人だ。
 イタリア人で同じ欧州大学院大学の開発部の研究員をしていたEU法の専門家のアメリオ君はどうしているかと聞くと、彼も今スカイプにオンの表示が出ているという。それで、カンファレンスという機能を使い、ミシャイルがアメリオを呼び出し、奇しくも日独伊の人間が、福岡、ブリスベーン、ブルージュを結んでの国際チャットになった。
 楽しいこと、この上ない。アレコレ、近況を話して、しかも無料。情報技術革命の恩恵をみながそれぞれに堪能し、楽しさを共有した時間となった。

| 児玉昌己 | - | 17:39 | comments(0) | trackbacks(1) |
政治はバラエティーショーではない。サプライズ人事をもとめるTVの不謹慎
 新政権が発足した。テレビを見ていて、不快になることが多い。政治をバラエティーレベルで捉える不謹慎さだ。そしてサプライズ人事がないなどという。
 TVディレクターも、その企画に安易に悪乗りする司会者たちも馬鹿ではないかと思える。
 参院で、問責決議案も可決できるほどの劣勢に追い込まれ、前首相が組閣後17日ですべて投げ出し、それを受けてのまさに緊急事態の中での新政権の発足だ。
 サプライズなどいらないし、そんなことで、政権の政策運営がどうにでもなるような状況でもない。
 求める方がはなから、間違っている。政治はバラエティショーではない。そんなことも分からないのが、今のTV局の政治全般にたいする姿勢だ。政治は、お笑いとは違う。政治権力で、直接国民生活に影響を与えるものだ。
 派閥の領袖を集めた人事だと非難する向きもあるが、劣勢におかれた自民党なら、当然誰もがそうするだろう。協力し合わないと沈没するからだ。
 民主党も、派閥どころか、外交安保ではイデオロギー的にには、水と油の政治勢力が同居しているではないか。政権をとっても、そうした自民以上に相異なる政治勢力の糾合を迫られるのは、目に見えている。
 政治を、お笑いレベルで扱おうとするTV局の不謹慎さには辟易する。今の自民から見れば、全く妥当な人事、それが私の評価である。
 サプライズなどいらない。盗人は許さないと言い放った、厚生労働大臣の継続人事のあの枡添氏には、だれもが大いに期待しているのである。
 

 
| 児玉昌己 | - | 08:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
福田総理の誕生と見てみたい老人政治
 今日は、福田ジュニア政権の誕生。71歳でジュニアとは、父親の赳夫がいるからだが、もしかしたら結構長く続くかもしれないと思っている。もとより国民がすべて選挙で、判断することだが。
 メディアで活躍されている九大教授で、同業の政治学者の薮野祐三先生が、あるテレビの質問に答えて「冒頭での解散もありうる、民主は候補者の準備ができていないから」といわれて、驚いた。そして、理論的にはありえても、実践的には、まずないと思った。
 なぜなら、重要案件を放り出して辞職した安倍総理に代わりようやく、作ったばかりの政権を一度も稼動させずに、国会開会冒頭での解散はいくらなんでも、無責任で、国民の強い非難を浴びるだろうからである。
 ところで上述した、この政権が存外長く続くかもしれないという感性は、民主の政権政党としての準備ができているかということよりも、先の参院選挙、敵失で棚ボタの大勝利という状況認識が私にあるからだ。政策で勝利したと、もし民主の幹部が感じているとすれば、足元をすくわれることになるだろう。
 安倍の政権運営は、小泉人気を受け継いだだけで、選挙の洗礼も受けずに成立した政権であったということを忘却し、小泉一流のポピュリズムという政治手腕ももたない首相が十分な説明責任も果たさず、異常といえるほど、重要法案で強行採決を多用した。このように、安倍氏は場を読もうともしなかったし、その能力が欠けていた。お友達内閣というように、無様なほどにも、庶民感覚をもたず、鼻をくくったような記者への答弁で済まして、平気な「お友達」を官房長官にすえていた。実際、人事面では、3代続けての問題農相の指名に見られるように、あまりにもお粗末過ぎた。
 国民は、膨大な財政赤字をつみまし、昭和天皇の意思も無視して靖国参拝を強行しアジアの近隣諸国との外交関係をガタガタにした前首相の小泉、そして憲法改正にのめりこみ、内政を疎んじた安倍と続く格差拡大の政策には、みなウンザリしていた。今日誕生する福田総理はこの問題や怒り、不満についての国民の声を十分理解しているだろうからだ。
 ともあれ、在位1年、実際は参院選惨敗以降は死に体内閣で、実質10ヶ月の、歴代7番目の短命安倍政権の後、戦後6番目の高齢者の首相就任。
 老人の法定の定義は65歳以上。その意味で、久しぶりの老人総理。惰弱で、言葉ばかりの若い世代の政治家のひどい政治指導を見た後は、その意味で老人の知恵とパワーをみてみたい。老人は人生の熟達者であるのだから。
| 児玉昌己 | - | 09:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
福田康夫自民総裁誕生
 予期されていたように、福田氏が自民党総裁に選出された。自民党総裁は、自民が公明との連立与党であることから、自動的に総理に就任する。
 昨日は総裁選投票と記者会見を聞いていた。久しぶり、うわべだけではない、身体から出る言葉ということを実感していた。71歳。若くはないが、記者とのやり取りは完璧だった。派閥といわずに、政策集団と読んでほしいといっていた。実際、自民の派閥も20年前とは別物だろう。派閥推薦の大臣という状況はすっかり変わってしまっている。記者の方が時代に取り残されていることを、暗に批判するなど、上出来だ。
 奢らない人柄こそが、政治を身近に感じさせてくれる。官房長官は史上最長記録を持つ人だ。安倍内閣の官房長官はひどかった。ともあれ、民主にしたら強敵現るだろう。
 衆院選もそう遠い日ではない。政治が緊迫して、小泉、安倍と2代7年にわたり続いた、傲慢な政治も、少しはバランスがとれたものとなることを期待している。
古人いわく 過ぎたるは及ばざるが如し
| 児玉昌己 | - | 09:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
北朝鮮の台風被害
 北朝鮮は8月の豪雨で、深刻な打撃を受けた。深刻さは、金大中がやって以降7年ぶりの南北首脳会談が延期されたことからも分かる。
 北朝鮮についてのあらゆるナンセンスと無様さは、豪雨被害さえもが、アバウトでしか外部に報告されないことだ。それゆえ、どの情報も数字に大きな差があり、どれが本当か誰も分からない。
 政府は、台風被害報道でさえ、実に巧みに報道管制して、体制延命の便益になるかならないかというだけの基準で、見せたいものを見せ、見せたくないものは隠している。
 北朝鮮の治安機関や軍は反政府運動を見張っているがゆえに、どれだけ台風や豪雨被害があったかは、行政機構が把握しているのかもしれない。韓国もその逆作用で、日本とは大違い、国民の背番号制が徹底している。北朝鮮と逆の意味で、スパイ防止のためだったと聞く。
 北朝鮮について言えば、地方の被害がどうであれ、独裁者にはどうでもいいことかもしれない。
 いずれにせよ、北朝鮮の豪雨被害が報道された後、日本のTVの気象予報士が触れることがない日本を襲う台風の「その後」を、雲の動きから広域の天気図で特に北朝鮮に注意してみていた。特に11号、12号台風の動きをみながら、この分では再度、北朝鮮はやられるのではないかと思いながら。
 実際、ソウル聨合通信は22日付で、 Wiphaと命名された台風12号の被害を伝えている。問題はその被害の深刻さの程度だ。軍と核による自己保身しか頭にない無能な独裁者の下で暮らす人間の悲劇を思っている。
 韓国の指導者には、こうした同胞の隷属を恒久化した制度を悪として捉え、そうした体制の打破についての認識は、まるでないようだが。金を出せば、人道支援としてこの問題を道徳的に解決でき、素通りでき、あるいは金を出すことで、体制の優位を示せるという、これまた傲慢な意識に支配されているかのように。
 なお聨合通信も英文と和文の記事は、意識的に同一で配信したり、しなかったりである。
何か政治的意図でもあるかのように。以下は日本版ではない報道だ。

North Korea reports 'unexpected damage' after Typhoon Wipha
SEOUL, Sept. 22 (Yonhap) -- North Korea suffered "unexpected damage" after Typhoon Wipha hit the country last weekend, resulting in the country's second severe flood-related damage in a month, the country's official media reported Saturday.
| 児玉昌己 | - | 12:45 | comments(0) | trackbacks(0) |

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