金大中の拉致では、毎日新聞が「金大中事件:韓国、世論対応に苦慮 隠ぺいの日本にも責任」ソウル堀山明子が伝えてきている。毎日新聞 2007年10月25日 東京朝刊
その記事がいい。
盧武鉉は自分が設置した過去究明委員会で検討させ、この報告書を出させ、しかも日本への謝罪が国際法上を求めらる結論となり、今度は、調査委員会の報告で、政府のものではないという。信じがたい2重基準である。
まったく唖然とする子供だましの政権の対応だことよ。国際社会と国際法上、そうした2重基準が通用すると思っているのは、盧武鉉とそれを支える北朝鮮の全体主義を支援する幼稚な「左翼」イデオログーだけだ。
では当時の外交官身分の拉致の実行犯の引渡しと訴追、刑事罰の認定ということになる。こんな程度だから北朝鮮に残されたままの10万を超える国軍捕虜の帰還などどうでもよいということになる。一事が万事とはこれをいう。
調査委員会には、北朝鮮シンパの左翼活動家がいる。彼らの論理を、毎日のソウル支局堀内明子が伝えていて、それがいい。その記事のさわりは以下だ。
民主化運動活動家らが加わる調査委には「日本政府も事件後の隠ぺいに加担した責任があり、韓国政府が謝罪する必要はない」(調査委メンバー)との認識が強い。報告書には日本政府への遺憾表明も盛り込まれたため、謝罪を促す圧力にはならなかった。
公式に謝罪するシナリオは発表前夜まで模索されたが、最終的には金前大統領が事件の幕引きを望んでいないことが確認され、青瓦台は謝罪に慎重になったとみられる。
金前大統領側が24日発表した論評は、日韓両政府の責任を指摘。金前大統領の救援運動をしてきた「拉致事件真相糾明のための市民の会」(代表・韓勝憲(ハンスンホン)弁護士)は「真相を隠ぺいした日本政府は、被害者と韓国国民に謝罪すべきだ」と訴える声明を出しており、韓国世論が日本政府への謝罪論に向かう雰囲気は醸成されていない。
日本への謝罪要求とは、笑止千万だ。韓国の国家権力による拉致がなければ、最初から日本政府の対応もありはしないのだ。日帝支配に憤るのはいい。もっとも、他国の文句ばかりでなく、国家を滅ぼされた自国政権と政治指導者の無能さも時には反省し、検証すべきだろうが。だが、戦後の1973年に起こった国家的なあからさま、かつ悪辣な主権侵犯など、日帝支配とは無縁の韓国の政権が行った日本に対する蛮行で、公然たる国際法違反である。
北朝鮮の国家機関による拉致といい、韓国といいまったくウンザリする隣国の政権だことよ。広辞苑の新規採用語を借りれば、ウザイことだ。
夜郎自大で、井の中の蛙とは、この韓国の政権に巣くう北朝鮮シンパとそれを設置した盧武鉉に、送る言葉だ。
町村官房長官がこの時期の韓国側の公表の意図が分からないというが、昨日本ブログで書いた通り、韓国の大統領選がらみ、つまりハンナラ落しであることは明瞭だ。
いずれにせよ、毎日新聞、ソウルの堀内の記事は他社の記事より、金大中拉致に関する謝罪問題で、盧武鉉政権内部の反日イデオロギーの中身まで踏み込んで摘した点で、悪くない。