児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
大晦日 除夜の鐘にて 御座候 2007年海鳴庵児玉昌己句歌集
 2007.12.31 Monday 大晦日 除夜の鐘にて 御座候 (海鳴庵)

いよいよ大晦日。雨も上がって冬の日が柔らかに注いでいる。
 あちこちで学んでいる子供達も、勢ぞろい。賑やかなことだ。何はなくとも、賑やかに歳を越せることの幸せ。ありがたいことだ。
 
今年最後の俳句。
 大晦日 除夜の鐘にて 御座候

 なお今年の海鳴庵(かいめいあん)句歌集は以下である。


2007.03.01 Thursday
去りゆきて 溶ける雪なし こぞの冬

2007.09.21 Friday

 この秋の ひざしは夏か、汗まみれ
 この頃の、季節はなしや 汗みどろ、燃えるばかりの 夏は去りしも 
 陽光の 日差しはかくも、激しかり 凌(しの)ぐすべなき 炎(えん)の暑さよ


2007.08.04 Saturday

 夕蝉(ひぐらし)の、鳴きて侘しき、晩夏かな。 
 台風の 過ぎて眩しき 蝉しぐれ 
 湯殿にて 聞けりし声は 夕蝉(ひぐらし)の 心寂しき 秋立ちにけり


2007.08.31 Friday
 いく夏や 流れる汗も 退(ひ)かぬ間に
 秋立ちて 暦ばかりの 秋たり哉  
 学舎にも 蜻蛉(とんぼ)きたれり、今朝の空


2007.10.14 Sunday

 朝冷えに ようやく知りし 秋のおとずれ 
 蝦夷の地は はるかに雪に 包まれり さほどに広し わが秋津島


2007年10月16日
 秋の空 声響かせし  カチガラス  
 カチガラス 一声穿(うが)つ 日本晴れ

2007年11月2日
 浜風の 枝にそよぎし 木洩れ日の さざめき光る 秋ぞ高けり
 歳月(とき)往きて 遊べし子らの 歓声も 今は夢にて 秋ぞ寂しき



2007年11月18日
 あの夏の 熱さえ恋し 晩秋の 身体(み)をも縮めて 枯葉舞いける

2007.11.26 Monday
 南座に まねきかかりて 師走かな

2007年12月2日
モミジ葉の 紅き色こそ 嬉しかり 早き黄昏 庭包むとも   



2000年12月13日
 年の瀬や 乱す髪も なかりけり
 年の瀬や 想うてありき この1年



2007.12.29 Saturday
 紅葉(こうよう)の 今は葉もなし 艶(つや)もなし
 艶(あで)やかに 染めしもみじ葉 すでになく 庭待つべしは 春の陽たりて
 今年も 数さえ知れぬ 歓(かん)と悲(ひ)を 内に包みて 静々去れり

     
                        海鳴庵(児玉)


 ブログも30日までの集計で、ヒット数は15802と、月末で1.6万超えと月間ヒット記録更新がほぼ確定しました。1年間後愛顧ありがとうございました。皆さまにおかれましても、くる年が良い年でありますことを心より祈念申し上げます。
| 児玉昌己 | - | 13:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
今年の科学上での驚き―皮膚幹細胞と海藻バイオエタノール
 今年の科学上での驚きは、皮膚幹細胞と海藻バイオエタノールだ。
 卵子や受精卵ではなく、マウス皮膚細胞から胚性幹(ES)細胞に類似した万能幹細胞(多能性幹細胞)を誘導することに成功したニュースが届いたが、まさに発見者はノーベル賞級だろう。
 それにホンダワラからのバイオエタノール抽出。海洋牧場で大規模に生産できれば、省エネ省資源どころか、日本産の新クリーン資源の獲得である。
 こちらも、バレル100ドルにも高騰した原油の経済と社会への打撃を緩和するものといえる。
 原子力以上に研究費を投入して、この自然で、環境負荷がない、クリーンなエネルギーを早急に実用化すべきだ。それで原油の依存度とCO2排出が減り、その技術で世界の先端を切れば、日本という国家は更に世界史に燦然と輝くだろう。科学者や技術者は頑張っている。
 それを後押しするのが、政治の責任で任務である。 21世紀こそ、尊敬されなくなってしまった職業としての政治家の責任は、限りなく大きい。


| 児玉昌己 | - | 14:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
年末に句と和歌を詠む 

 御用納めも終わった年の瀬、正月を迎えつつ、しばし自宅で寛いでいる。楽しませてくれた庭の紅葉もすでに落ち、西海のこの地も寒々とした冷気が漂っている。
 以下詠む。

 紅葉(こうよう)の 今は葉もなし 艶(つや)もなし

 艶(あで)やかに 染めしもみじ葉 すでになく 庭待つべしは 春の陽たりて

 今年も 数さえ知れぬ 歓(かん)と悲()を 内に包みて 静々去れり
                     海鳴庵(児玉)

| 児玉昌己 | - | 16:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
真央の美に魅せられる フィギュア選手権
 フィギュアスケートの世界選手権の代表選考会を兼ねた第76回全日本選手権をやっている。長崎の自宅で、帰省している子供達とテレビで観戦していた。
 女子SPは、連覇を狙う浅田真央(愛知・中京大中京高)が72.92の高得点をマークしトップに立った。
 それにしても、真央の成長振りは目を見張る。女王の気品さえ感じさせるSPだ。すらりと伸びきった手足。それが自由に銀盤で踊る。機械仕掛けではく、優雅に、気品を湛え、しかも華麗に。演技後の終わった後の解放感に満ちた笑顔がいい。
 厳しい自己鍛錬の結果と精神力のたまものだろう。あれだけの演技を、連覇がかかった重要な大会で、全国のファンに提供できるのは。人間の努力と鍛錬とその成果は、年齢は関係ない。そう思わせるに十分だった。
 1週間前の15日、イタリア・トリノのグランプリ(GP)ファイナルで、真央はショートプログラム(SP)最下位の6位と出遅れ、フリーで一挙に銀まで戻した。その流れが今、出ている。キムヨナという同年齢のライバルがいることもいい結果に繋がっているのだろう。おじさんも頑張ろうという気にさせてくれる17歳だ。

 なおシェンゲンの記事では、本ブログ日間最高ヒット記録となる924を記録した。ちなみにそれまでの日間最高ヒット記録は10月につけた881。月間記録も今年6月に記録した14305を14427と更新し、4日を残して、今月末で1万5千に達することがほぼ確定した。 月間ヒット件数1.5万件には、なかなか届かなかったが、ブログ2年の最終月で、何とかクリアできそうである。
 読者の皆様のご支援に感謝します。
| 児玉昌己 | - | 10:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
国境なきEU―シェンゲン24 下
 アメリカしか目が行かない日本人にとっては、欧州政治はあまりに遠い。
 しかも、「欧州連合」という表記で誤って認識させられている主権国家の連合体を拒否して、EUが欧州連邦に確実に進んでいる事実に対し、危険水域というほど、幼稚な認識のレベルにある。
 EUの環境立法について、最も危機感を持って理解し、動いているのは、我が国の産業界の利益の体現者で、その利益の擁護、促進を図っているジェトロなどのロビイストである。
 週刊、日経 business2007年6月の記事特集「5億人市場最前線ルポ 気がつけばユーロが主役」や、週刊ダイヤモンド11.03.EU特集記事「新しいEU」をみればわかる。前出の「ブリュッセルが作る国際ルール」などの記事は、まさに加盟国法の上位に立つEU法規範の広がりと影響の実態を、欧州市場における国際的企業の生産販売の苛烈な競争の現場において、競争法(独禁法)の立場から、鋭く活写して、秀逸である。
 これらを一瞥すれば、日々濃くなるそのEUの連邦的政治組織の実相を容易に理解出来ようというものである。
 にもかかわらず、欧州連合といった主権国家のよせ集まりでは解決できないことを意識し、連邦組織をもってこれを乗り越えようと変貌しつつあるEUの動きに目をつぶり、国家主権に幻惑されて、国家的な古い思想に立脚して、EUを、今もって欧州連合として観ようとする一群の研究者がいる。
 彼らに問うてみたい。その組織が法人格を持ち、かつ立法権を持つ議会を抱えていることは、その組織の政治的性格が「連邦」であることの重要なメルクマールではないのかと。東南アジア諸国連合が、国際連合が、アフリカ連合が立法権を持つ議会を持つだろうか。
 その一点をもってしても、「欧州連合」などのEU表記がいかに陳腐で、人の理解を曇らせるものかを理解できるであろう。ちなみにEUの連邦化を否定する研究者に限って、欧州議会についての認識がお粗末なものが多い。
 50年後は、EUに関しては、transnationalや、governanceなど、Federal以外のアレコレの語は、耐用性を持たず、死滅していることであろう。そして主権の移譲の同盟(ユニオン)関係を前提とした「欧州同盟」(EU/ユーロピアン・ユニオン)のフェデラル・ガバメントが語られていることだろう。
 政治家や学者は、EUによる加盟国主権の移譲(立場によれば簒奪)の事実を認めたくない気持ちは分かる。だが、そうした主観的希望に関わらず、国家の主権的権限の重要な部分は、この50年で、驚くほども多くEUに移譲され、加盟国ではなく、EUが行使している。それを考えただけで理解できる。 個としての加盟国を考えてみる場合、その独自性、主権性は、EUの立法過程に限定して言えば、米国の一州が持っている権限ほどしか、もはや存在しない。
 欧米ではEUを連邦組織としてみる見方は、反EU的気分の強いイギリスなどの一部を除き、常識になりつつある。
 Leslie Friedman Goldstein, Constituting Federal Sovereignty. Johns Hopkins 2001のタイトルがそれを知らしめる。
 「連邦的主権」というその用語が確実にEUでは誕生し、実体を得つつある。これを理解せずしては、EU理解は深まることはならない。そのことを更に確信させるシェンゲン24である。
| 児玉昌己 | - | 13:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
国境なきEU―シェンゲン24 上
 韓国の大統領選挙の陰に隠れていたが、欧州では重要なニュースが飛び込んでいた。
拡大シェンゲンである。
 21日の深夜、ルーマニア、ブルガリア、キプロスを除く東欧の9カ国では、国境での入国審査が完全に撤廃され、パスポートの審査なしに、15のシェンゲン協定国と連結し、ヒト、モノ、カネが実際に自由に動けるボーダレス欧州の空間がさらに拡大した。これにより、ポルトガルからポーランドまで、ギリシアからフィンランドまでが自由に往来できることになった。
 入国審査廃止に派生して起きるEUレベルでの広域犯罪には、EUはどのように対処しているか気になる読者は多いだろう。 
 これにたいしては、EUで実施される統一パスポートとビザ政策を前提として、EUの司法警察協力、とりわけ「欧州警察機構」(ユーローポール)と「欧州検察機構」(ユーロジュスト)が制度的装置として機能し、対処している。それゆえに可能になったことである。
 このシェンゲン協定を皆さんご存知だろうか。今は去る22年前の1985年にルクセンブルグの会議開催地(実際には船上での調印)に因んだ名を持ち、独、仏、ベネルクスで始まった国境障壁の除去を定めた取り決めである。
 EU加盟国ではイギリスとアイルランドが加盟していないが、EU非加盟のノルウェー、アイスランドまで加盟している。EUの残された3つの加盟国では、キプロスが2009年、ブルガリア、ルーマニアは2011年までに加盟するとみられる。
 これとは別に、EUに隣接するウクライナ、モルドバ、ボスニアヘルツェコビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニア、アルバニアがEUとのビザ緩和協定を結び、来年1月1日から発効する予定だ。
 EUは5億の人口を擁し、さらに欧州全域に着々と関税同盟と国境障壁を除去した単一市場を実現しつつある。市場規模は中国に劣るとはいえ、厳しい環境基準では中国など及びもつかないこの欧州市場を制するものが、経済的に世界を制することになるだろう。
 
| 児玉昌己 | - | 00:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
年賀状を投函する

 クリスマスも終わる。信者さんではないので特段のことはない。これでスーパーで、「もういくつ寝るとお正月」のメロディが聴けるのが、少しうれしい。
 2日前は、年賀状を、教え子のノブ君に手伝ってもらい、筆グルメなどで作って、投函。年中行事だが、終わってやれやれ。
 皆さんは終わりましたか。
 バタバタして一筆書きもできずに、同文のメッセージ。申し訳ないことだが、ま、better than nothing(ゼロよりまし)。
今は、プレゼンテーション、見栄えの時代。来年の干支はねずみ。まさか「鼠」の文字は使えないので、「子」という文字。ただしこれはシンプルすぎて、文字に工夫したところ。
 同志社のシンポジウムでもパワーポイントで作図したリスボン条約の機関間関係の図や、EUの主要機関の写真などを提示でき、それなりに効果はあったと思っているところ。
 あまり注目されないが、きわめて重要なEUの代表民主主義の場である「欧州議会と欧州政党の将来」のシンポジウムを設定していただいた同志社関係のみなさまには、深く感謝する次第です。



| 児玉昌己 | - | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
韓国大統領選挙戦、異聞

 李明博が「失われた10年」の後、国民の静かな期待を背負って、第17代の韓国大統領として登場した。盧武鉉を選んだ5年前の選挙戦の熱狂的状況を覚えているものには、まさに様変わりだ。
 李明博は大阪の平野で生まれたというので、日本人の血が混じっていないのか、李明博は、「あきひろ」ではないかなどという、我々日本人からすると、どうでもよい、そんな、実にばかげたウワサが与党系候補者から意図的に、大統領候補を貶めるべく、流された。これを打ち消すために、ハンナラ陣営は、DNAまで調査したという。
 このエピソードを聞いて、フランスのイブ・モンタン(19211013 - 1991119日)のことをすぐに思い起こした。
 シャンソン界きっての歌手で、しかもフランスの国民的英雄として、大統領候補にまで挙げられた。仏映画「パリは燃えているか」Paris br
ûle-t-il? (1966) でも、パリ解放作戦途上、戦車指揮官として、英雄的に戦死する役を演じている。しかも出自は、生粋のイタリア人である。彼の芸名は、「イーヴォ、モンタ! Ivo, monta!(イーヴォ、上がってきなさい!)」からきている。もとより、これらすべてをフランス人が、知ってのことである。
 それに比して、この韓国人の一部の異様な感情は何であろうか。盧武鉉が政権をとった後、取り巻きのなかには韓国の自国欧文表記ではKoreaではなくCoreaにしようとさえ、志向するものがいた。理由はアルファベット表記の順番で、日本のJapanの後にあることがけしからんということで。すべて日本を意識し、常に日本より上位にと意識している発想である。以下の記事による。
「国号を『Korea』から『Corea』に変更すべき」朝鮮日報2003/08/14
ここまでくると、その精神を疑う。ちなみにフランス語は心配せずともCor
ée du SudでC表記で始まる。はしなくも彼らの語学力のなさまで露呈して、恥をさらしている。
 人名に戻ると、独裁者金正日の長男で、日本の表玄関を、幼稚なレベルの偽造パスポートで汚したジョンナム(正男)は、「まさお」ではないか。韓国の一部の政治勢力の国粋主義的な思想と行動には「日帝36年」を考慮しても、私には異常に思える。
 ちなみに 国連人種差別撤廃委員会(CERD)は「韓国が単一民族だと強調することは、韓国に住むさまざまな人種への理解・受け入れ・友好増進に支障をきたす恐れがある」と懸念を表明した。また韓国に対し「現代韓国社会の多人種的な傾向を認め、教育・文化・情報といった分野で適切な措置を取るべき」と勧告している。
 韓国はなぜ「人種差別国」と言われるのか(上)2007/08/281朝鮮日報

 「日帝支配」とは全く異次元の国際機関からのクレームである。国際社会で積極的に意味を持つ国家になるためには、そろそろウリナラ・マンセイの自民族至上主義を改めるべきであろう。そしてその契機になるだろうか。そうなってほしいものだと、選挙戦を見つつ、考えていた。

| 児玉昌己 | - | 10:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
李明博誕生の衝撃で口も聞けない北朝鮮
 韓国のハンナラ政権が誕生して、北朝鮮の見解は3日が経っても出てこない。
 権力中枢の「周章狼狽」という4字熟語がふさわしいのかもしれない。反李明博の傲慢な姿勢を出せば、すぐに南北協力の中断の口実になるだろうし、物乞い国家もまさに、進退が窮まっているのだろう。
 ちなみに、2007/12/22付け朝鮮日報は、北のアルミ管サンプルからウラン検出=WP紙
という題で以下米紙WPを報じている。
 米ワシントン・ポスト紙が21日報じたところによると、最近北朝鮮を訪問した米国の科学者らが、北朝鮮側により提供されたアルミニウム管からウランの痕跡を検出したという。 (中略)  米国は、北朝鮮がウラン濃縮に必要な遠心分離機を製作するため、ロシアからアルミ管150トンを輸入したことを把握している。ウランは濃縮の程度によって、原子力発電の燃料のみならず核弾頭の原料としても使用される。従って、ウランの痕跡が採取されたということは、北朝鮮が年末までに提供するとしている核開発プログラムの申告書にUEPなどを含めなければならない、という米国側の要求の強い根拠として作用し得る。
 
 核の恫喝と物乞いがこの国家の真骨頂だが、その両者が絶たれようしている。
 西側をなめて、暴力の威嚇で金を引き出す時代は、確実に終わった。北朝鮮も疑いなくがけっぷちだ。もしかしたら、軍事的挑発に乗り出すかもしれない。21世紀に残された最後の全体主義国家の本性をゆめゆめ忘れるべきでない。


| 児玉昌己 | - | 19:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
教え子の結婚披露宴から戻る
 妻の実家での慶事に続いて、教え子の結婚披露宴のため、福岡の大野城の式場で下ろしてもらい、参加。夕刻前に久留米に戻る。
 薬害肝炎被害者の一律救済については、このブログで政治決断の要を書いていたが、帰宅して、そのニュースに接した。ことは健康に直結する政府の大失策、大いに可としたい。お金の問題ではない。国民の生存権が問われているのだから。
 
| 児玉昌己 | - | 19:07 | comments(0) | trackbacks(0) |

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