児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
7月の終わり 
 体調不良も1週間となる。不快な汗にまみれて、7月を終えるとは思いもしなかった。もっともこれなどは、苦境を背負った人々からすると、特段のこともない。
 テレビでは、昨年のあの大規模なマンション偽造で、家を失い、ローンを抱え、住民を代表して、企業、政府、自治体の関係者と接触し、全エネルギーを権利の回復のために注ぎ、その過程で、妻女と齟齬をきたし、家族を失い、うつ病を発症し、会社を休職し、しかもなおボランティアの精神を失わない若者までいる。
 福田内閣は改造人事だという。だが、庶民には、誰が大臣になるかなど、まったくどうでもいいことである。選ばれた彼らが、いかなる政治を我々にしてくれるかである。
 政策なき人事など、所詮、政治家の遊びごとの延長でしかない。安倍内閣が先の参院選で大敗したときから、自民は政権担当能力を失ってしまった。あの選挙の大敗から自公政権は選挙管理内閣でしかなかったのだが、あれから1年ダラダラと任期ということだけで惰性の政治が続けられている。
 もとより受け皿となる民主がどれだけやれるのかは、誰にもわからない。せいぜい庶民感覚に近い人がいることを望むばかりである。
 それにしても、政治に我々が期待しなくなって久しい。政治家と庶民の距離が、かくも離れてしまった時代もないだろう。
原油高騰という不可逆的な要因を抱え、それまでの政策の大転換の必要性もわからず、道路行政などハコモノ公共工事を主軸とした舵取りを変えることもなく、個人消費は確実に落ち込みをみせ、企業業績の悪化は誰の目にもあきらかになりつつある。
 経済情勢は、統計データ上、分かりきった右下がりの展開を示しているにもかかわらず、政治家は、景気浮揚の大規模減税に動こうともしない。財源論争でビビッてしまってである。
 せっかく上向きかけた景気は、かくして、急速にしぼみつつある。経済の活性化こそが自然増収を生むものである。座して、国家経済は、赤字財政の中にただただ沈没していく。政治とは、苦境にあって、国民に夢を与えるリーダーシップを展開できるか、その一点に尽きる。
 実際、一体ここ10年政治は何を我々に提供してくれたのだろう。社会保険など福祉分野もふくめて、実に大規模増税が続いた。そして、格差の拡大はとどまるところを知らない。意欲もあっても職を提供できない状況の中で若者は苦しんでいる。このなかで、消費税の10%上げの論議さえはばからない不謹慎な政治家さえいる。
 
 体調不良と熱のためだろう。思わずネガティブな政治への反応となってしまった。せめて、自分の体調くらい確保し、8月には少しでもマシなコメントを書けるようにとぼんやりと思っている。



| 児玉昌己 | - | 23:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
体調不良ながらも
 体調はひどい夏風邪で、低空飛行だ。かろうじて、最低限の体調を維持している程度。  それでも、多数の読者が、ブログを見てくださって、2118と日間ヒット記録を更新させていただいた。こんな数字は、期待して出るものではない。まして体調不良のこの時期に、さしたる中身もないブログにもかかわらず。まさかこうした数字が出るとは思いもしなかった。
 同時に、月間合計も2日を残し31170と、未踏の月間3万台もクリアできた。インターネットは公的空間である。そして情報や思考は、中央のそして在京の大手メディアの独占物ではない。
 今後も地方に住む者として、考えること、書くべきことを発信していきたい。乞うご期待。
| 児玉昌己 | - | 17:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
法曹人口の議論
 判事、検事、弁護士という、いわゆる法曹3者になるための環境はここ5年で激変した。法曹改革と称して、法科大学院が導入され、受験者はここに一本化された。
 それほどの法曹需要が必要か、10年ほど前に当然、議論になった。受験回数を制限することも含めて、私は、この制度の全面「改正」をいぶかしく思っていた。
 しかし、結局、踏み切られ、同時に法科大学院が全国に組織、開設されて、今に至っている。
 本格的な新司法試験の合格者が出始めるここにきて、合格者の数の絞込みを言う鳩山法務大臣は無責任極まりない。一般の国会議員としてならばいざしらず、当事者である。所管大臣である。合格者の絞込みを口にするとすれば、閣内不一致でさえある。
 当事者の弁護士連合会からも法曹人口の縮減を求める声がある。有り体にいえば、司法試験の合格者はおおすぎる、よって、絞込みをせよということである。もとより質が下がるなどという議論は、分からないわけではない。
 だが、これらの声は、官房長官も指摘したように、法曹の当事者であるを考えれば、不見識というべきであろう。
 実際、21世紀のグローバリゼーションの中で、高まる法務需要を満たすためということだった。質の問題も含めて、当時から議論されて、多面的検討の結果、改められたのではなかったのか。
 それが、この瞬間に受験勉強に汗を流している院生諸君の悲痛な声であろう。朝令暮改という中国の言葉があるが、これをいう。
 現行制度が反対なら、導入時点で徹底抗戦すべきであった。なにをいまさらということである。そして5年目を迎えた。9月11日には最終合格者が発表になる。
 法曹教育から離れても、教育行政は失敗続きだ。例のゆとり教育も、見事な失敗だった。関係したトップは、理念は正しかったと述べているようだが。この認識を敷衍すれば、「手術は成功した。だが患者は死亡した」というごときものだ。
 法曹教育を含め、教育は、国家100年の計である。
 教育は、やってみて失敗だったとは許されない。もとより、改めるにしくはないという言葉は、たしかにある。
 だが、今は、制度の成功のために関係者は、努力すべきであろう。すでに十分に政治(家)不信の時代である。加えて、法曹を目指す受験生に、国家に対する不信感を抱かせるべきではない。
 司法はジャスティス、つまり公正であり、正義をモットーとするのだから。

| 児玉昌己 | - | 12:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
依然として夏風邪に苦しむ
 日曜の4時過ぎに保冷剤を頭に載せて、ふらふらしながら、帰宅。久留米にいても直りそうになかったからだ。
 昨日の月曜日は朝いちばんでホームドクターの相川先生に検診を受ける。夏風邪の処方を受ける。先生も体調を壊されていたとのことだ。とにかく、目も開かず、全身筋肉痛で、汗の中に身を横たえているだけ。
 明日は午後から試験監督。明後日は私の試験。それで何としても戻る必要がある。
 中身のないブログで、恐縮の限りだが、それでも922。
 教え子のほか、ブログでも紹介させていただいている平野七河さんもコメントで、心配していただいた。
 早くこの状態から脱し、正常に復帰したいものだ。
| 児玉昌己 | - | 09:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
自宅で静養
 あまりの体調不良で、たまりかねて、日曜日夕刻前、何とか自宅に車で戻る。その後は、ダウン。
 家人の手料理で、薬漬けの胃袋にまともな食事が入り、体調も巣もしましになる。それでも発汗が止まらない。汗は、体の熱を下げるための人間の仕組みで、悪いことではないが、不快であることには変わりない。とどめなく出る汗というのが相応しい。
 早く体調を戻して、前期最後の週の、試験監督や、採点という重要なお勤めを果たす必要がある。
| 児玉昌己 | - | 08:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
ブランデー、欧州統合の味?(再収録)
 体調不良でお酒も飲めない。せめてブログに以前書いた記事でも出して、味わった気になろう。初出 2006.06.08 Thursday
 最後の行で探していることを書いたが、その後、欧州統合の父、ジャンモネの係累のブランデー社は現存し、販売されていることも知った。以下がそのサイトだ。
http://monnet-cognac.com/

 「酒といえば、世のインテリがたくさんその薀蓄を傾けてきた。
私も平成の洋学派の端くれとして(とは苦しい言い訳だが)、寝る前にグラスで一杯ひっかける。たいていクルボアジェか、ヘネシー。貧乏学者のささやかな楽しみだ。
冬におでんと、熱燗で一杯というように日本酒も悪くないし、水割り、お湯割り、ロックと飲み方に融通性の利く焼酎も一応は買い揃えている。だが、基本的にはハード・スピリッツが好きだ。強いものを少量。アルコール値が高いもの、喉に流れていくあの感覚がたまらない。
スピリッツとは、サントリーのお酒大辞典では、日本の酒税法で「スピリッツ」と「原料用アルコール」という品目に分類されており、ジン、ウオツカ、ラム、テキーラがスピリッツに該当するとある。また味の分類でいうと、焼酎、ウイスキー類に該当しない酒類で、英語のスピリッツは本来「度数の高い蒸溜酒」を意味しており、ウイスキー、ブランデーもこれに含まれているとのこと。
 ブランデーとコニャックは、ベルギーの欧州大学院大学に留学したときにはまった。口に含んで、その芳醇な甘さの広がりに、こんなうまい酒があるのかと思った次第だ。
 「ビールの国ベルギーで学んで何ごとか」とビール党には叱られるかもしれないが、日本の瓶ビールはいただけない。スーパドライがでるまで、苦くて、飲めたものではないと思っていた。
 子供のころ、大人の目を盗んで一杯口に含んで、その苦さに目を白黒した。あの苦い思い出がいまもある。
 長じても、ビールは好きになれなかった。カロリーは高いといわれるし、腹にたまり、トイレが近くなる。これもあまり好きでない理由だ。もとより夏の生ビールはそれなりに楽しんではいるが。
 ブランディ、コニャックには、師匠がいる。神戸大学のK先生である。ブルージュの欧州大学院大学時代、在外研究でカレッジに同じく席を置いておられていた。EC法のイロハも先生からご教示頂いたのだが、ご本人は覚えておいでではないかもしれないが、ブランデーも、実は先生に学んだのだ。
少量含み、ころがすようにして味わうこと、グラスに注いだ酒に手のぬくもりを伝えて、という具合に。
 以前は、洋酒といえば、海外旅行のお土産の定番だった。今では、酒税が改正になり、空港でボトルを下げた人も激減した。それでも海外に出るたびに、自分用のボトルは必ず購入する。ショッパーズ(酒の量販店)で買えなくはないが、日本にいるときには、高級ボトルは、購入にためらいがあるからである。日ごろの貧乏性で。そして自分にはお土産がなく、他者にだけお土産があるのが面白くないため。
 買うのは、できれば、1リットルのものを。このサイズは日本では通常は手に入らないからだ。しかも奮発してXOを。自分へのご褒美だ。寝る前のひと時、欧州の文化の深さを味わう。
 ブランデーといえば、欧州統合の父、ジャン・モネがコニャック業者だった。誰かが、同名のコニャックもあるといっていた。つまり、係累に醸造元がいるということだが、真偽不明だ。海外に足を運ぶたびに酒店の棚をそれとなくみているが、まだ発見できていない。
 ご存知の方がおられれば、ご教示いただきたい。欧州統合の味とはどんなものか、試してみたい。」
 
| 児玉昌己 | - | 12:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
夏風邪でダウンする
 ここ数日、すっかり体調を崩してしまった。あまりに忙しすぎたからだ。
 基本的には、淡々とした生活をしていて、体調管理も気を配っているので、体調不良というのはあまりないが、それでも、年に2度ほどはダウン。
 今日は典型的な夏風邪の症状。発汗が収まらず、朝まで待てずに下着を取り替えたり。枕もびっしょり。声が何よりつぶれてしまい、我ながら泣きそうなほどだ。のどの痛みはボルタレンで抑えている。だが、内外の温度差はいかんともしがたい。すでに書いたようにエコな夜のすごし方にして少しはましになっているのだが。
 大学はこの時期、試験期間に入っている。国立大学は、以前は夏休み明けが試験だったが、それではあまりに授業時間が取れないということで、最近は私学風に改められているところが多い。ここ数年の大学改革は徹底していて、学生も我々も大忙しだ。
 教員側で言うと、監督があったり、答案の採点があったりだ。記帳してこれらを提出すると、しばし夏休みに入る。ともあれ、今年も夏に滑り込みという直前に、体調を壊してタッチアウトという状況だ。

 
| 児玉昌己 | - | 08:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
「欧州統合の過去現在未来」の講演
昨日は、「欧州統合の過去現在未来」の3回シリーズの講演の2回目、欧州統合の現在をアクロス福岡で話す。3週連続の講演。
 EUの国際組織としての統合度の大きさを理解していただき、驚きの声を多く得る。
 そう、裁判所も、議会も、中央銀行も、独立した行政府もあるEUである。EU法という加盟国法に優越する独自の立法も行う。
 国家主権の残された牙城である刑事司法領域にも踏み込む。
 実際、従来のユーロジュスト、すなわち各国の内務省の協力を超えて、それ自身が訴追権限を持つEU独自の欧州検事局さえ導入するのも目の前である。これは欧州版FBIの形成そのものである。
 実に連邦国家的相貌を持つEUは欧州連合と表記される国家連合際組織ではおよそない。
 なお前回時間足らずで十分話せなかった2002年春の高島屋で開催された青山ミツ子展にあわせて出されたDaily Yomiuri英文記事のMitsuko's proud legacy の解説も補足した次第だ。
 欧州の名門貴族に嫁ぎ、「欧州統合の父」リヒャルト・クーデンホーフカレルギーの母である明治の女性の気品ある写真を中央に掲げたあの記事、実にインパクトがある。品格ある国家は品格ある女性を生むということだろうか。
 終わって地元のメディア関係の友人と食事をし、カラオケで大いに歌い、久留米に戻った次第だ。

 
| 児玉昌己 | - | 07:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
エコロジカルな夜と3万件に近づくブログヒット
 寝苦しい毎日が続く。ただし、昨夜は連日の疲労と、深夜の環境をすこし工夫したこともあり、熟睡できた。
エアコンを切って、隣家がそうしているように、玄関をチェーンロックをしたまま、その範囲でドアを開けて、風が通る道を作ってやった。これで自然な風が流れ、エアコンより断然自然で、快適なエコロジカルな夜となった。ただし、女性の一人暮らしの方には安全上オススメできませんが。
 ブログは今月24日現在で、25711。これは、6月末につけた25614を凌ぎ、1週間を残して、月間のヒット記録を更新した。一日平均千件をはるかに超えるヒットがあり、今月末には、3万台に達しそうである。
 専門とする欧州統合の政治から松田聖子まで、思うことを書いてきた過去の記事も2年半とストックが広がってきたこと、そして先月の朝日のコラム素粒子による法相の人権侵害の死神事件の発生と、それを批判した記事で、更に読者が増えたことがある。読者に感謝。
| 児玉昌己 | - | 08:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
土用の丑(うし)、ウナギは食されましたか
 土用の丑の日、みなさんは鰻は食されただろうか。
 スーパーに行くと、国産と中国産が並べてある。価格は2―3倍の差がある。しかしそれでも中国産には手を出す気分にはなれない。
 結局、中国の生産者はこうして世界で最も優良かつ有力な市場の1つを失うことになる。日本でのトラブルはすぐに世界で報じられ、世界の消費者は中国産品を警戒する。
 食にうるさい日本で受け入れられてこそ、世界市場で対抗できる。防腐剤、発光剤、ホルモン剤などなど、ありとあらゆる有毒物質入り食品は問題外だ。
 日本では、ウナギをこの日に食する習慣は1000年も昔からあり、万葉集にも詠まれている。
 原文: 石麻呂尓 吾物申 夏痩尓 <吉>跡云物曽 武奈伎取喫
「作者: 大伴家持(おおとものやかもち)
よみ: 石麻呂(いはまろ)に、我(わ)れ物(もの)申(まを)す、夏痩(や)せによしといふものぞ、鰻(むなぎ)捕(と)り食(め)せ」
 「楽しい万葉集」より。
 http://www6.airnet.ne.jp/manyo/main/sixteen/m3853.html
 
 ウナギは、土曜の丑の日に食べてこそという意見もあるが、この暑い時期にと言い換えれば、それはそれでいい。
 私といえば、柳川、大善寺と、ウナギの老舗、名店が近隣にひしめく久留米にいて、昨夜、市内にあって、人ぞ知る舗鰻屋「留さん」で、地元企業の法務部に勤務している教え子のT君と食した次第だ。
| 児玉昌己 | - | 18:32 | comments(0) | trackbacks(0) |

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