児玉昌己研究室
内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
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2009.02.28 Saturday
3年半ぶりの欧州出張のこと 下
ここ25年専門にしてきた欧州議会の第7次となる直接選挙(6月4―7日、EUの27加盟国すべてで実施、有権者4億人)を前にして、現地のインテリたちと意見を交換し、情報を収集したいと思っている。
ブリュッセル自由大学にいる山口大学准教授の豊先生は、冬の厳しさも少し緩んできたことを伝えてきた。またストラスクライドにいる同志社大学教授の力久先生など日本から在外研究で欧州に出ている研究者仲間と会えるのも嬉しい。
ともあれ、体調を万全にして、備えたい。
今回の離れ業はブリュッセルからライアンエアーを使い、直行便でグラスゴーにフライトするというもの。これはシャルルロワから、プレストビックという第2次大戦期に活躍した軍用空港としての歴史を持つ空港に飛ぶもの。
表向きの所要時間は、35分。1時間の時差があるから、1時間半ほどのフライト。それぞれ空港は国家の顔であるメインのナショナル空港ではなく、いわば地方空港で、それぞれアプローチに若干の難があるが、アムスやヒースローでのストップオーバーで数時間をロスするよりましである。
すでに大学院生時代の留学以来、居住したり、あるいは、その後、何度も出かけたロンドンを素通りの旅となる。
最後はグラスゴーからヒースローに乗りつけし、同空港からそのまま帰途に着くという極力無駄を省いた行程にしている。これで随分、移動による行程の負担と時間を軽減できている。
我ながら、旅行社の専門スタッフにも負けないと自慢できる自前の旅程が完成した。ただ、面白くないのは、若干だがユーロが対円で戻しつつあることだ。円高のメリットが失せる。
携帯品では、台湾製のミニノートが活躍してくれることだろう。
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2009.02.28 Saturday
3年半ぶりの欧州出張のこと 上
欧州出張も2週間後に迫ってきた。11月頃にはまだ考えていなかった海外出張だが、パリ、ブルージュ、ブリュッセル、グラスゴーと、当地の研究機関を中心に3カ国を駆け足で廻る10日間の日程を決めて、2週間後の出発を待つばかりとなった。
すでに書いたが、2004年の8月末から2005年の夏まで、50を超えて、単身で1年間、母校欧州大学院大学のあるブルージュと、最後1ヶ月プラハのカレル大学に籍を置かせてもらい在外研究をして、多くを学びながらも、さすがに疲弊してしまったことがある。
とはいえ、帰国後、欧州から隔絶していたわけではおよそない。今はEメイルもインターネットもあり、日々、欧州の大学人や知識人たちとの情報交換は、スカイプやチャットで日常のことだ。
フィナンシャル・タイムズも、ルモンドも、あらゆる種類の有力新聞の記事が、望めば、リアルタイムで手に入る世界だ。むしろ距離がある分、客観的に見える場合もある。
それに、海外に出なかったわけではない。昨年は、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、ドバイと中東出張をし、また夏と冬に2度台湾を校務で訪問して、疲れも癒えてきた。
そして昨春は、欧州大学院大学に文字通り、机を並べたクリスチャン・ルケンヌパリ政治学院教授(現CERI理事長)が日仏協会の招きで来日し、ついでに頼んでアクロス福岡での本学比較文化研究所の講演に来福してくれた。そのとき、生家が近所という法科大学院のX君にも頼んで、大宰府などを案内してもらい、一緒に大丸別荘(二日市温泉)でジャパネスクを楽しんだりした。
今回は、彼の誘いの一言で、4年ぶりに訪問したくなってきた。
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2009.02.27 Friday
今日2.27は東京は雪ー残したい美しい日本の四季
昨日のブログでは雪のない2.26のことを書いた。
東京にいる息子から電話。急激に気温が下がり、こちらは雪だよといってきた。単なる気候のことだけだが、2.26ならず、雪の2.27だ。
それにしても、九州は気温は幾分下がったというもの14度。この時期、雪が本来の日本の姿なのだろうか、日本海には熱帯魚もみられるということで、そのうち、雪も見られなくなるのかもしれない。
本ブログで小生は海鳴庵として俳句や短歌を詠むことがあるが、外国にいて、四季を表わす言葉がない場合、日本の季語をそのまま真似ることができないと納得した次第だった。一時期、大騒ぎとなったカラー柔道着も同様だが、ある事柄が国際化やローカル化するということは、多分にそんなことである。だが、欲を言えば、やはり四季は存在して欲しい。
ノルディック複合では、20代の若手が従来の荻原らが得意とした必勝パターンのジャンプ、逃げ切り型でなく、ジャンプ以上に王者として評価されるスキーで、強豪の上位3チームを大逆転して、10数年ぶりに堂々の優勝を飾ったというニュースが飛び込んできた。
冬は雪だ。そしてスキーだ。ノルデックも雪あればこそだ。いつまでもそんな季節の豊かさに恵まれた日本であってほしいと思うのは、私ばかりではあるまい。
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2009.02.26 Thursday
冬来たりなば、春遠からじ('09)
沖縄では3日間も26度を超える日が続き、2月としては観測史上初を記録している。
北部九州も暖かい。今日は15度。
この時期、通常はもっと寒い。たとえば、2.26といえば、今を去る73年前の、1936年(昭和11年)の軍部クーテター勃発の日だが、反乱部隊は雪の中を行軍し、首相官邸や国会等の国家機関を襲撃し、政府要人を多数殺傷し、これを占拠している。
そして、70有余年の時を超えた平成の今、地球温暖化というとんでもない気象変動を、工業化の代償として、人類はもたらしてしまったのかもしれない。
この暖かさがこのまま続くとは思いたくないが、この夏の暑さを、また想像し、うんざりしてしまう。
ともあれ、2月もあとわずか。
山陽・九州新幹線の新車輌名が、「さくら」と決まったという。鹿児島ー新大阪を4時間で結ぶという。久留米の新幹線の駅舎も整備されつつある。
佐世保ー東京間には当時寝台特急としてこの名の車両があった。私は昭和45年の2月、それで受験のために、20時間を超える旅で、上京したのである。
当時は国鉄。切符も全国ネットの電算システムもまだ完備されていず、帰省時には並んで買っていたことを記憶している。荷物はまだクロネコなどの宅配もなく、チッキと呼んだ貨車輸送だった。
その後、徐々に寝台特急が廃止されて、さくらも名前も消えてしまっていたが、またこの名が復活して、うれしい。
今は、百花の魁(さきがけ)として梅が満開だが、3月に入れば、桜も各所で楽しめるようになるだろう。日本人は桜がすきなのだ。
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2009.02.25 Wednesday
麻生訪米と庶民のこと 下
民主党についても、党の代表や幹事長など指導者の多くが、かつては自民党の有力幹部である。一般の有権者からすると、「民主では不安」とする総理の判断とは異なり、両党にはさほどの違いはないと見ているのである。
日経の論説委員も務めた田勢康弘が、現首相が総理になる前に「総理の器」というご祝儀記事を書いて、麻生総理就任に期待を見せた。
だが、私にしてみれば、それまでも内政外交に問題発言を連発してきた同氏の総理就任の可能性こそ、実に、少数の世襲議員だけでわずかにトップを争うだけの自民党内での人材飢饉の見本であり、かつ戦後を支えた自民党の老齢化、弱体化の典型的事例ではないかと書いた。
その後の政治の展開を書けば、実際、彼が、総選挙の洗礼もないまま、3番目の世襲総理として就任し、私がなしたその予測は、内閣支持率の驚くべき数字で、全く遺憾ながら、証明されつつある。
そして庶民の生活。庶民といえば、そんな政局とはまったく別の次元で淡々と過ぎていく。
手持ちの株資産も目も当てられないほど減少し、マイホームを購入する原資にもならず、老後の年金の先行きは全く心細く、そのなかで子供が受験生であったり、あるいはこの100年に1度、正社員でさえも退職を余儀なくされという経済危機の真っ只中で、子供も就職戦線で戦い、あるいは運が悪ければ、自分もまたリストラの対象となり、親子ともどもの就職戦線の真っただ中という家庭もすくなくないことだろう。庶民は生きることを確保する、まさに生存をかけた厳しい戦いばかりである。
この13日には介助犬の訪問を受けて、その犬に舐められ、「犬にしか好かれない」とめずらしく自虐的な発言をした総理だ。
だが、国外に出て総理の嬉しそうな顔をを見つつ、庶民には日々胃が痛い状況が続くのである。
払った年金も受け取れず、福祉における負担の強化という実質の大増税にあえぎ、国民の血税を使うこの愚策を自らが導入したにもかかわらず、受け取るの受け取らないなど、給付金の選択の余地など、およそないのがまさに現状である。
格差拡大どこが悪いと居直った小泉元総理に続き、ばらまきの政治の典型というべきこの給付金、後で確実に消費税の大増税となって、しっかり請求されることになるのだが、高額所得者の総理とは違い、庶民はこれを受け取るのが「矜持に反する」だの、「さもしい」だのというような選択肢さえないのである。
給付金の原資は、実にわれわれの血税であるのにである。実に不遜で、不快至極なことである。
参考ブログ
2007.09.17 Monday田勢康弘のコラム「総理の器」と人材飢饉の問題
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2009.02.25 Wednesday
麻生訪米と庶民のこと 中
かくして、麻生総理のこの段階での訪米。ほとんど国民の負担を強いるだけの米国への資金援助を求められるだけが関の山となるであろう訪米である。
米国への資金協力をするならば、核開発で延命を図る危険なアジアの独裁国家の北朝鮮への国際制裁の強化くらいは約束を取り付けてもらいたいものである
この状況下で、麻生総理ご本人は、ロシアや国内に明らかに日本譲歩の国益に反する印象を与えた北方領土外交の時と同様に、至極満足そうである。
だが、日本の一般人が置かれた危機的状況への深刻な感情とは、およそ隔絶した危機感のないトップを抱えて、自民党が迫ってくる総選挙で劣勢を挽回し勝利できる思うのだろうか。まずネガティブである。
資産家で「毛並みの良い」世襲議員として、周囲にかしずかれ、諫言にはおよそ縁のないお山の大将として育ったためか、他者との関係についての感性や距離感のとりかたが、よほど常人のものとは異なるようである。
酩酊大臣の更迭も、「国家の面汚し」という厳しい世論の反発の後、本人からの辞表提出を得てのことであった。画面を見て直ちに判断すべきことで、危機管理意識がないと評論家が語っていたが、至極同感である。
そして自民党。総選挙では、あれかこれかの選択肢しかなく、膨大な死票を出す小選挙区制度のために、小泉圧勝とは一転して、100議席も失うであろうというほどの、極めて厳しい状況に立たされている。
この自民党にあって、不満を口にするばかりで、具体的な動きは一向に出てこないあり様さである。自民を離れたたのはわずかに渡辺美智雄の子息喜美氏だけだ。
チルドレンは、自前で選挙を戦う覚悟もなく、やめていく元首相の、老醜というべき政治介入の前で、相変わらずその見識のなさを露呈し、右顧左眄するだけだ。
しかも、トップは、下僚である閣僚から、総理の専権事項である内閣改造の必要を公言されるほどに、総理の威厳も指導力もない。
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2009.02.25 Wednesday
麻生訪米と庶民のこと 上
政治は内閣支持率が10%を割り込む状況で、末期的状況を迎えている。外交に強い首相などと、よくいったものだ。将来のない内閣と話して、相手する外国の政府要人は、何になるものかと心の中では、思っていることだろう。
実際、約束しても、実行できるか後がないと報じられているなら、誰しもがそう思うだろう。ここわずか4年で4名の首相である。外国メディアはわが国の首相の名さえ覚えがたい状況だろう。
オバマ大統領との初めての会見となる今回の訪米では、首脳同士で昼食の時間も用意されていないと聞く。それでも会いたいというのは、日本から資金援助を引き出したいというその意図を秘めたものだろう。
実際、米国もGMもシティもAIGも、なだたる米国の有力企業が倒産や国有化が議論されるご時勢では、選択肢が限られている。
他方、米国の頼みとなる欧州も自国のことで手一杯だ。欧州は、米国に倣った金融制度のために、アイスランドやチェコ、ハンガリー、アイルランド、デンマーク、スウェーデンなどは国内の深刻な金融状況にあり、またロシアとウクライナのガス輸送の確保をめぐり手一杯で、欧州には資金援助を依頼できる状況にはない。
EU政治にあっては、リスボン条約に関して、アイルランドの国民投票での拒否で、EUの将来像を描いた条約は欧州憲法条約からすると7年も店晒しにされている。しかも、反リスボン条約運動の政党さえ形成される始末である。
さらには、反EU主義者で名高い、チェコの大統領クラウスは、この6月に導入以来30年目を迎える直接選挙が迫った欧州議会に関連して、この欧州議会について「旧ソ連の一党支配の議会だ」と発言をして、周囲をあきれさせた。
自己のことしか考えられない小国の悲劇か、欧州統合とその制度への無知振りを暴露するなどして、EUは、新規加盟の小国に振り回されている。
結局、米国の頼りは、金融危機が軽微だと思われている日本だということになる。しかし、日本経済は軽微どころか、政治の深刻な混迷と停滞が、追い詰められている経済をさらに悪化させる。
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2009.02.23 Monday
朝日新聞阪神支局襲撃事件とその手記に関連して
1987年5月におきた朝日新聞阪神支局襲撃事件に関連して、週刊新潮が2月5日号から「実行犯」を名乗るものの手記を掲載した。このことについて、朝日新聞は23日朝刊1面で「手記には事実と異なる点が数多く含まれ、真実性はない」とする異例の反論記事を掲載した。
当時関西に住んでいたこともあり、強烈な印象があった報道機関を狙ったテロ事件で、「赤報隊」の名とともによく記憶している。
それゆえ、実行犯の手記の掲載というこの報道に接したときの印象は、言葉はよろしくないが、「マジかよ」というものであった。犯罪者が時効といえど、まず事実を公言するのかと疑った。その後の人生を決定的にネガティブにするからである。
2002年に公訴時効が成立している事案だとはいえ、事実関係の真偽も疑わしい手記を掲載したとすれば、異常なことである。その意図が、販売部数の確保にあるとすれば、これまたその良識を疑わせることである。
もし事実であれば、そして事実でなくとも、死傷者や遺族、被害者や関係者の名誉を著しく傷つけ、冒涜するものである。もし事実でなければ、異様というべき売名行為に名だたる出版社が手を貸したということになる。
凶悪犯罪の事案については、公訴時効制度の撤廃運動が広がっているが、今回の新潮社が掲載した手記についても、時効制度がなければ、手記自体が存在しえない事案であったといえる。
新潮社といえば、歴史も伝統もある大メディアである。その良識が厳しく問われている。それと同時に、凶悪犯罪には時効はないという姿勢で、公訴時効を定めた刑事訴訟法の早期改正が強く望まれる。
関連記事
週刊新潮「本社襲撃犯」手記 「真実性なし」本社判断 朝日新聞2009年2月23日
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2009.02.22 Sunday
腹に響く2冊、 ブルース・リプトン 「思考のすごい力」(PHP)、佐伯啓思「自由と民主主義をもうやめる」幻冬社新書 下
社会科学に戻って言えば、現代政治思潮分析として、最近上記タイトルの本のテーマに引かれて、手にとって読んでいる。
実にいい。どういいか。「自由と民主主義をもうやめる」というタイトルが実に刺激的だが、戦後日本、特に冷戦終結後の日本の政治文化が抱える本質的な問題をこのテーマで見事に提起しているところが憎いほどにいい。
もとより、このテーマからして、反民主主義や反自由を掲げたいかがわしい書ではないかと警戒する慌て者のために、そんな軽薄な類の書ではなく、まじめなというより、近年まれに見る傑出した現代政治思想の書であるとだけはいっておく。
実際、戦後世界と日本の思想の潮流を見事に腑分けし、分析し、整理している。このブログでも私なりにあれこれ書いているが、同じ考えだと、納得する部分が多々ある。
日本の政治思潮が、無理に米国に傾斜し、日本の風土にあっていないという素朴な感性を論理的に、アカデミックに論証していく。イスラムのテロに対する分析も冷静で、実に鋭い。
かつて本欄で、推薦図書として「国家の品格」を挙げたが、米国流の合理主義の問題を提起した点で藤原正彦先生の慧眼と見識を評価したが、ほとんど同一の指摘をしている。
そして、くしくも両者が、とりわけ学ぶべきは欧州とりわけイギリスにあるとする。欧州専門家としては、きわめてうれしく、強力な援軍が現れたという気がして、一人喜んでいる
(英の小選挙区制度は全く評価できず別だが)。
ともあれ、本欄の読者で、最近、猿真似というべくも、アメリカに傾斜し、アメリカしかみえていない政治家や実業人、あるいは評論家の異様なほどの軽薄さに不満を持っている人や、腹に響く本を得ていないという方には、ぜひお勧めの1冊である。
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2009.02.22 Sunday
腹に響く2冊、 ブルース・リプトン 「思考のすごい力」(PHP)、佐伯啓思「自由と民主主義をもうやめる」幻冬社新書 上
昨日は、土曜日ながら、終日大学院の入試業務。夕刻、業務終了を確認して、自宅に戻り、入浴剤で乳白色した擬似温泉の風呂をわかし、疲れを癒している。
経済環境が厳しい上に、驚くように無責任な政治家の言動で不快な思いをしているのは私だけではないだろうが、そうでなくとも思うように行かないのが世知辛い世の中である。
庶民にとって、できることといえば、ささやかなことで、自宅の風呂を温泉風にして入ったり、手軽にできる読書だ。ただし、近年現代日本の思想を扱った本を手にすることが少ない。
あくまで私だけの感想なのだが、社会科学で現代政治を専門としているものとして、心だけでなく、それを超えて、腹にまで響く本が少ないのだ。
それで、分子生物学や、細胞生物学など自然科学系を手にすることが多い。この分野は私たちが金科玉条としてきた世紀的なセントラルドグマをひっくり返すような発見がなされ、目覚しい発展を日々遂げており、社会科学の停滞振りとは大きな落差がある。
たとえば、Bruce Lipton(ブルース・リプトン原題:The Biology of Belief 信念の生物学)邦語タイトル「思考のすごい力」西尾香苗訳などがそうだ。ちなみに翻訳が実に丁寧で、米国の知的文化史をあわせて理解できるほどにもいい。
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現代欧州統合論 EUの連邦的統合の深化とイギリス (久留米大学法政叢書 21) [ 児玉 昌己 ]
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欧州統合の政治史―EU誕生の成功と苦悩
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NHKカルチャーラジオ 歴史再発見 EU・ヨーロッパ統合の政治史―その成功と苦悩 (NHKシリーズ)
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リスボン条約による欧州統合の新展開―EUの新基本条約
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鷲江 義勝
児玉昌己も入った同志社チームによるリスボン条約の翻訳と解説の決定版。アムステルダム条約、ニース条約と比較対照し統合の連邦的深化を理解できるように工夫されている。外国にも類書を見ない画期的企画。
著書(共著)やお薦め書物
欧州議会と欧州統合―EUにおける議会制民主主義の形成と展開
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日本におけるEU認識と欧州議会研究の現状と課題、欧州統合の制度形成と欧州議会の権限拡大、EU政治における議会制民主主義の展開、EUの統治構造と国民投票制度の問題など、欧州議会の役割についての論考をまとめる。
著書(共著)やお薦め書物
ヨーロッパ統合の政治史―人物を通して見たあゆみ
(JUGEMレビュー »)
金丸 輝男
共著
1996年3月
金丸輝男編著 『ヨーロッパ統合の政治史』
有斐閣
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