2010.06.28 Monday 大雨警報 それを詠む
連日連夜、まあ良く降るものだ。雨量も300ミリを超しているのではなかろうか。長崎佐世保も同様だと、友人が電話して来た。
水無月の 天地を浸(ひた)す 業の雨 蒼(あお)き天空 今ぞ恋しき
2010.06.21 Monday 梅雨空を詠む
梅雨そのものの、鈍い空が広がる それを詠む
水無月の 鈍きその空 梅雨の空 碧き空こそ 今ぞ想わむ
2010.06.13 Sunday 梅雨入りの小栗郷の花菖蒲を詠む
熊本山鹿の平山温泉。その柔らかな湯に身体を沈め、帰路、福岡県境の小栗郷の道の駅で一息。想いもせずに、4枚の花菖蒲苑。7分咲きで花の命はわずかに3日。絶妙のタイミングで季節と、花を楽しむ。
梅雨入りて 小栗の郷(さと)の 紺や白 競うその美や 花は菖蒲(あやめ)の
2010.05.14 Friday いずれあやめか かきつばた あやめを詠む
政治のコメントに忙殺され、好きな花が咲いているのも気づかなかった。尾形光琳の「燕子花図屏風」、あの大胆な構図と色彩は、初めて接した時から、一生ものだというほどに、子供心に残った。いずれ菖蒲(あやめ)か、杜若/燕子花(かきつばた)。 いずれも美しく、しかもその識別が容易につかないこと、そしてそれぞれに美を誇っている様もいう。
想えども 季節はいつか移ろいて 癒す青の華 庭や菖蒲(あやめ)の
2010.05.08 Saturday 庭の花 小菊を詠む 海鳴庵/児玉
英総選挙から離れ、しばしの週末 一輪挿しに生けたフランス菊を詠む
一輪の 生けし庭の花 小菊(しょうぎく)の 撃つはわが目か 可憐なりとも
2010.05.01 Saturday 天ケ瀬温泉の宿 山荘天水を詠む
黄金週間で訪れた天ケ瀬の山荘天水は、突き出た岩も旅館内に取り込む野趣あふれる宿だ。日常の喧騒を忘れさせ、「桜滝」を眼下に見る滝見の露天湯はとりわけ諏に富む。それを詠む。
天ケ瀬の 露天の出で湯 妙なりて 桜の滝も 掌中(てのひら)にあり
山里の 出で湯の宿は 天ケ瀬の 湯こそ 癒しの 天水なり哉
2010.04.17 Saturday 新たに構えた仕事場の花を詠む
久留米に新たに構えた仕事場の庭はいつのまにか、水仙から菫(すみれ)、つつじへと、花を変えている。 それを詠む
庭の花 四季を豊かに 伝えけり
アザレアの 華麗な赤の その花を 飾りて庭は 浮きいでしかな
2010.04.02 Friday 桜と居宅
桜とともに4月を迎えた。廃藩置県の頃、江戸を引き払う必要に迫られた有馬藩士族が移り住むために用意されたという江戸屋敷町にも隣接する津福に、縁あって、庭のある古家を確保した。 この地ならではの、カチガラス(かささぎ)のつがいも迎えてくれる。嬉しいことだ。
かささぎの 迎えも嬉し 新古宅
2010.03.28 Sunday 箱根環翆楼に遊ぶ
環翆楼はその名の如く、まさに箱根の草深き山間の樹木に囲まれて、瀬音が静かに響く高台にそびえたつ。到着して初めてその名を体感したことだった。
塔の沢のこの宿を詠む。
瀬音あり 翠(みどり)の宿は 大正の 浪漫残して 静かに建てり
静寂を 破る川の音 箱根宿(やど)湯けむり濡れて 古きぞ趣たり
2010.03.10 Wednesday なごり雪を詠む
梅も終わるというのに、3月の、時ならぬなごり雪。我が家の庭も冬景色。
木蓮の 散りたる花の 庭なれど 吹雪も舞いて 春なお浅し
2010.02.06 Saturday 立春を詠む
立春を過ぎたが、北陸東北では記録的な積雪ということだ。気温は低いものの、この地は緩やかに青空が広がっている。
風澄みて 梅花のほども 緩々と 辺り静かに 春立ちにけり
2010.01.21 Thursday 雲海に遊ぶ
センター入試が終わって、上京。しばし、天と地を隔てる雲海の上を飛ぶ。それを詠 む。
雲海の 天地の境(さかい) ゆるゆると 空に遊びて 至福ぞ至極
天(てん)分かつ 其の色こそは 青と白
雲海の 幻想上(じょう)に 我は在り
神々も 住めるなりとぞ 人のいう 雲海こそは 天地の境(きょう)
2010.01.20 Wednesday センター受験の夕暮れ
55万の若き受験者の将来左右する重要行事。最後の試験科目時には、空が茜色に染まっていた。受験生の健闘を祈念し詠む
冬空の 陽光すでに 傾きて 燃えよ若人(わこうど)茜(あかね)の如く
2010.01.15 Friday 雪をかぶった愛車を詠む
ここ2日、全国的な寒波。久留米も雪。吹き晒しの駐車場で、愛車は、雪に埋もれていた。
西国の 雪に埋もれし 我が愛車 この日ばかりは 君もお眠り
2010.01.01 Friday 静かな正月
優しき元旦。柔らかな新春の陽光に誘われて、午後、自宅付近を散歩してきた。 新年にあたり、なすべき目標を新たにする。今年初の歌として、詠む。
元日の 傾く日差し 淡き午後 知るは野辺の花(か)秘めし心を
20010年後半海鳴庵児玉昌己句歌
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2511
2009年海鳴庵児玉昌己句歌集
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2255