児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
 炎暑、葉月の終わりと百日紅
炎暑の8月も今日で終わる。しばし炎暑は続くとのことだ。
 百日紅が綺麗だ。元禄期の植物の本では、100日間、花をつけるとあるようで、そのことに名の由来をもつという。我が家のは、赤でなく、白だ。
高浜虚子には以下の句がある。炎天にも負けない艶やかな百日紅、その情景を少ない語に、見事に凝縮して、実にいい。

 炎天の 地上花あり 百日紅
                 高浜虚子 

 数日前、以下私は短歌で詠ませてもらった。

往く夏を 惜しみたまふや  百日紅 舞うかのごとき 白き花群れ
 
夏枯れの 熱の静寂(しずけさ)包みしも 清楚舞い落つ 
花百日紅
                    海鳴庵/児玉

                              


 


| 児玉昌己 | - | 18:05 | comments(0) | trackbacks(1) |
炎暑の東京
 東京は、アスファルトとコンクリートの巨大な構築物。歩くだけで、汗が滝のごとく流れ落ちる。緑の多い地方での生活に慣れていると、辛く感じる。地理にも不案内で、慣れていれば、少しは違うのだろうが。
 澤田先生のご自宅にお伺いして、マルガレーテ先生の遺影の前で、手を合わせることができた。先生と、奥様のマルガレーテ先生の在りし日のことなど、しんみりと話し、またお聞きした次第だ。
 澤田先生におかれては、なお一層、ご壮健でお過ごしのことを祈念申し上げて、青山のご自宅を辞したことだった。
| 児玉昌己 | - | 21:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
夏最後の日曜日の東京 

 今日は東京だ。NHK文化センター(青山)から依頼されている仕事の打ち合わせなどで。
 日本EU学会理事長も務められた澤田昭夫先生(筑波大学名誉教授)の表参道にあるご自宅に伺うことになっている。すでに80を超えておられるのだが、研究のことなど用向きを伝えたら、おいでなさいということで、有り難いことである。
 このことでは、同じく、EU学会の理事長も務められた同志社大学名誉教授の内田勝敏先生とも連絡がとれ、数年振りかで、両先生同士も、直接交信されたということで、なによりであった。
 両先生とも、わが国のEU研究の草分けというべき、泰斗で、大先輩だ。内田先生は、九州帝国大学在学中に、応召を受けた学徒出陣組。
 澤田先生は、終戦期前後の外交官、澤田節蔵をご父君とされている。澤田昭夫先生の父君の次弟も外交官。初代国連大使の澤田廉三氏で、その奥様は、「竜馬伝」で脚光を浴びている、男爵岩崎弥太郎の孫、戦後、エリザベス・サンダースホームを運営された美喜先生で、昭夫先生の叔母にあたる。
 30年ほど前の、名古屋大学での学会の折、昭夫先生の奥様の経済学博士(ケルン大学)のマルガレーテ先生とEU学会でお会いし、以降、ご夫妻に折に触れて声をかけていただいた。
 在外研究中だったか、その後か、風の便りでマルガレーテ先生の訃報に接して、先生の悲しみを想っていた。
 ともあれ、8月も最後の日曜だ。



| 児玉昌己 | - | 08:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
2010年前半 海鳴庵/児玉昌己句歌集

2010.06.28 Monday 大雨警報 それを詠む 

  連日連夜、まあ良く降るものだ。雨量も300ミリを超しているのではなかろうか。長崎佐世保も同様だと、友人が電話して来た。

水無月の 天地を浸(ひた)す 業の雨 蒼(あお)き天空 今ぞ恋しき

  

2010.06.21 Monday 梅雨空を詠む 

  梅雨そのものの、鈍い空が広がる それを詠む

水無月の 鈍きその空 梅雨の空 碧き空こそ 今ぞ想わむ 
 

 

   

2010.06.13 Sunday 梅雨入りの小栗郷の花菖蒲を詠む 

 熊本山鹿の平山温泉。その柔らかな湯に身体を沈め、帰路、福岡県境の小栗郷の道の駅で一息。想いもせずに、4枚の花菖蒲苑。7分咲きで花の命はわずかに3日。絶妙のタイミングで季節と、花を楽しむ。

 
梅雨入りて 小栗の郷(さと)の 紺や白 競うその美や 花は菖蒲(あやめ)の

  

  

2010.05.14 Friday いずれあやめか かきつばた あやめを詠む  

  政治のコメントに忙殺され、好きな花が咲いているのも気づかなかった。尾形光琳の「燕子花図屏風」、あの大胆な構図と色彩は、初めて接した時から、一生ものだというほどに、子供心に残った。いずれ菖蒲(あやめ)か、杜若/燕子花(かきつばた)。 いずれも美しく、しかもその識別が容易につかないこと、そしてそれぞれに美を誇っている様もいう。


 
想えども 季節はいつか移ろいて 癒す青の華 庭や菖蒲(あやめ)の 

 

 

2010.05.08 Saturday 庭の花 小菊を詠む 海鳴庵/児玉

 英総選挙から離れ、しばしの週末 一輪挿しに生けたフランス菊を詠む 

 

一輪の 生けし庭の花 小菊(しょうぎく)の 撃つはわが目か 可憐なりとも

  

  

2010.05.01 Saturday 天ケ瀬温泉の宿 山荘天水を詠む

 黄金週間で訪れた天ケ瀬の山荘天水は、突き出た岩も旅館内に取り込む野趣あふれる宿だ。日常の喧騒を忘れさせ、「桜滝」を眼下に見る滝見の露天湯はとりわけ諏に富む。それを詠む。

 
天ケ瀬の 露天の出で湯 妙なりて 桜の滝も 掌中(てのひら)にあり

山里の 出で湯の宿は 天ケ瀬の 湯こそ 癒しの 天水なり哉

 


2010.04.17 Saturday
 新たに構えた仕事場の花を詠む 

  久留米に新たに構えた仕事場の庭はいつのまにか、水仙から菫(すみれ)、つつじへと、花を変えている。 それを詠む

 

庭の花 四季を豊かに 伝えけり

 

アザレアの 華麗な赤の その花を 飾りて庭は 浮きいでしかな 

  

 

 

2010.04.02 Friday 桜と居宅

  桜とともに4月を迎えた。廃藩置県の頃、江戸を引き払う必要に迫られた有馬藩士族が移り住むために用意されたという江戸屋敷町にも隣接する津福に、縁あって、庭のある古家を確保した。 この地ならではの、カチガラス(かささぎ)のつがいも迎えてくれる。嬉しいことだ。

 

かささぎの 迎えも嬉し 新古宅
 

 

2010.03.28 Sunday 箱根環翆楼に遊ぶ

 環翆楼はその名の如く、まさに箱根の草深き山間の樹木に囲まれて、瀬音が静かに響く高台にそびえたつ。到着して初めてその名を体感したことだった。
 塔の沢のこの宿を詠む。


 瀬音あり 翠(みどり)の宿は 大正の 浪漫残して 静かに建てり


 静寂を 破る川の音 箱根宿(やど)湯けむり濡れて 古きぞ趣たり


 2010.03.10 Wednesday なごり雪を詠む  

梅も終わるというのに、3月の、時ならぬなごり雪。我が家の庭も冬景色。

 

木蓮の 散りたる花の 庭なれど 吹雪も舞いて 春なお浅し


2010.02.06 Saturday
 立春を詠む 
 立春を過ぎたが、北陸東北では記録的な積雪ということだ。気温は低いものの、この地は緩やかに青空が広がっている。

 


 風澄みて 梅花のほども 緩々と 辺り静かに 春立ちにけり

 

 

 

2010.01.21 Thursday 雲海に遊ぶ 
 センター入試が終わって、上京。しばし、天と地を隔てる雲海の上を飛ぶ。それを詠 む。

 


 雲海の 天地の境(さかい) ゆるゆると 空に遊びて 至福ぞ至極

 天(てん)分かつ 其の色こそは 青と白

 雲海の 幻想上(じょう)に 我は在り 

 神々も 住めるなりとぞ 人のいう 雲海こそは 天地の境(きょう)

 

 

 

2010.01.20 Wednesday センター受験の夕暮れ
 55万の若き受験者の将来左右する重要行事。最後の試験科目時には、空が茜色に染まっていた。受験生の健闘を祈念し詠む

 

 

 冬空の 陽光すでに 傾きて 燃えよ若人(わこうど)茜(あかね)の如く
                  

  

 

2010.01.15 Friday 雪をかぶった愛車を詠む 
  ここ2日、全国的な寒波。久留米も雪。吹き晒しの駐車場で、愛車は、雪に埋もれていた。

 

西国の 雪に埋もれし 我が愛車 この日ばかりは 君もお眠り 


2010.01.01 Friday 静かな正月 
 優しき元旦。柔らかな新春の陽光に誘われて、午後、自宅付近を散歩してきた。 新年にあたり、なすべき目標を新たにする。今年初の歌として、詠む。

 

元日の 傾く日差し 淡き午後 知るは野辺の花(か)秘めし心を

 


20010年後半海鳴庵児玉昌己句歌

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2511

2009年海鳴庵児玉昌己句歌集
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2255
          
                 

| 児玉昌己 | - | 16:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
夏枯れの静寂と百日紅 海鳴庵/児玉

 連日の猛暑日、水分補給も半端ではない

けだるい昼さがり、わずかに熱の静寂を破るは、百日紅の白い花群れの舞い。それを詠む。
 

 

夏枯れの 熱の静寂(しずけさ)包みしも 清楚舞い落つ 花百日紅

                     海鳴庵/児玉

 

| 児玉昌己 | - | 15:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
異常な円高と無策の政治バトル 下

  菅政権はまだ何の実績もない。あるとすれば、参院選の公約での唐突な増税の発言だけである。すべては、その前の政党と政府のトップについての判断である。 
 総理と幹事長というのは、本来は一体化しているのだが、この2人の関係は、主客転倒で、2元政治という側面をもっていた。
 たとえば、高速道路の料金設定に見られるように、政府の施策が幹事長の一声で、コロコロ変わり、担当の前原大臣が反発する、という局面もあったのは記憶に新しい。 

 国民の先の参院選での大敗は、菅氏というよりも、なによりもこの2人に向けられた政治責任を問う意思の結果であったことを、共に全く理解できていないと、多くの有権者が思っていることだろう。
 なお多く旧社会党のあるいは大労組の世襲幹部組、すなわち「太子党」で構成されている旧社会党系の投票動向も注視されよう。 

 ともあれ、民意の判断が次の衆参同日選挙で待っていることを、特に民主の若手諸君は、努々忘れないことだ。
 小泉チルドレンが、わずか4年にして、あっという間に霧散したことを。党内論理ではなく、国民がどう代表選を観ているのか、ということを強く心に留めるべきである。

参考記事
民主代表選 権力闘争鮮明に 小沢氏、鳩山氏抱き込む 827 毎日

 

| 児玉昌己 | - | 18:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
異常な円高と無策の政治バトル 中

 その後、そのコメントを同誌のカステロン記者が、「イデオロギー上の一体性を欠いたモザイク」 une mosaïque sans unité idéologique)と、正しく掲載してくれた。
 民主は、連立解消後も、党内自身が野合状態で存在する。国民のためとは言うが、冒頭、上述した、日本の産業のおかれた状況に対する危機感をまるで欠き、財政と金融の両面にわたる反デフレ政策に果敢に攻める、意思がない。

 そして昨夕帰宅して知ったが、ルーピーとオバマ政権に決めつけられた鳩山氏の驚くべき動き。
 この前任者といえば、平和の21世紀にあって、反覇権をいいつつ、空母建造にさえ動くという中国に異様にコミットし、逆に東アジアの厳しい国際情勢にはまるで無理解で、我が国の平和と安全と対米関係を著しく損ね、言行不一致、不決断を、世論により指弾された。
 秘書の責任は政治家のものとして糾弾したものの、カネの問題では、自身が親から得た12億もの「子供手当」の問題で窮地に立たされ、それで
5月に首相の座を1
年も持たずに下りた経歴を持つ。祖父がその意を込めた「友愛」は、3代目によって汚辱の泥沼に沈められてしまった。 
 世の期待を担い登場し、300議席以上を衆院で持ち、圧倒的有利な状況で、かくも無残に降板した首相は、明治100有余年の憲政史上ではじめてで、これから先にも破られないだろうというべき無様さだった。
 その彼だが、それまで菅支持の姿勢を、一転、政治資金規正法違反で東京第5検察審査会により、今年4月「起訴相当」の議決でされ、
2
度目の議決も近い小沢前幹事長を支持するという。しかもそれが「大義」であるとして。
 

 参考ブログ
 2010.02.24 Wednesday 「仏誌ヌーベル・オプセルバトゥール誌に日本政治に関する私のコメント掲載さる」 
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2220

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2221
参考記事
民主代表選 権力闘争鮮明に 小沢氏、鳩山氏抱き込む 827 毎日
民主党代表選 鳩山前首相「菅首相の政策に友愛政治が見えない」と批判8
27 フジテレビ

| 児玉昌己 | - | 18:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
異常な円高と無策の政治バトル 上

  異常な円高だ。円高唯一のメリットは茶の葉を含めた資源購入。だが、日本の労働者については、組み立て製造部門から、工場がどんどん海外に出る。
 産業空洞化で、残るのは第3次産業ばかりだ。これだってほどなく、外国人労働者や、ロボットに置き換わることもありうるのである。
 旧社会党を含む民主。代表選挙で経済にまるで目が向いていない。驚くべきことだ。政府も日銀も、完全雇用などまるで眼中になく、雇用創出にも動かない。経済を知るものが、中枢にまるでいないようだ。
 「不況は人災です」とその近著(筑摩書房)で書いたのは、久留米大から立命館大学に移籍し、その後も、懇意にさせてもらっている松尾匡経済学部教授だ。
 
反デフレ、景気対策など、民主の政府も日銀もどこのことかという無策ぶりで、あきれている。     

 日本の政治の不幸の1つは、欧州の国家、すなわち英、独、仏、伊とちがい、まるで魅力を欠き、国民の支持を失い自滅した日本社会党の消滅以降、欧州ではあたりまえに存在する政権を担う能力をもつ本格的な社会民主主義系の大政党がないことだ。

 しかも社会党の消滅後、その受け皿として、保守が拡大したことである。
 さらに政権運営についてはこの1年でみたように、ばらまきを自民以上に得意とする第2の保守というべき与党が、あの財源をまるで無視した総選挙での公約を、結局、多く放棄し、基地問題では連立を解消したものの、同党内部でも、一種、理念なき鵺(ヌエ)として存在していることである。
 実際この民主党、だれがトップになるかで、全くその性格が違ってくる。

 余談だが、今年初頭、ヌーベル・オプセルバトール仏有力週刊誌の記者の取材を受けた。彼が、民主の連立政権の性格を「中道左派だが」と話し始めたから、それを制止して、民主は、自民の脱党派が創った政党で、第2自民の性格をもち、上級幹部として彼らが党の中枢を占めているとコメントした
 
| 児玉昌己 | - | 09:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
ホームバーならぬ我が家のお茶ボトル・バー

 仕事場の自宅には、ホームバーなど、こじゃれたものはない。特に夏場は、ボトルのストックはオンパレード。常時半ダースはおいている。

 ただし、お酒でなく「お茶け」のボトルのこと。
 種類も数種類。夏の消費量は半端ではない。回収の日も、潰してもあふれているほどだから、どこの家も似たようなものだろう。
 通常の緑茶系はもとより、ウーロン、韃靼そば茶、ほうじ茶、ブーアルを配合した黒系のもの、地元の八女茶などなど。庶民のささやかな楽しみではないか。

 工場で管理されている水だし、115円程度で2リットルボトルが購入できれば、むしろガスや電気で、自宅で作るよりも安上がりかも知れない。






| 児玉昌己 | - | 22:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
8月も下旬 上がる不快感 日銀無策
  8月も下旬、戸外はクマゼミの勢いはなくなり、トンボが舞いだした。
 通貨の番人は、ただ席を温め、高給を得ているだけではないかと、政府日銀の無策に憤っている人は企業にも庶民も多いだろう。一体彼らの仕事とは何なのかと。
 処暑を過ぎたというのに、猛暑の連日で不快感は上がっているのに、人為的に無策の円高と株安を放置する感覚は、よほど世離れしている。異常な円高だ。
 経世済民の哲学があれば、機動的に対処するはずなのに。
 不満は静かに確実に広がっている。代表選挙で動けないという報道もあるが、 だとすれば、全くナンセンスである。国家は、政党のためにあるのではない。国民のためにある。
 3年後とはいえ、これで衆参同日選に戦えると考えるとすれば、これまたよほどの感覚だろう。
 私といえば、へばっている。ほとんど仕事場にこもり、妖怪イソガシ・ジュニアと、夏を過ごしている。不快感も上がるというものだ。
参考ブログ

2010.08.10 Tuesday 夏枯れの日々 水木先生の妖怪「イソガシ」ジュニアにとり憑かれる

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2475
 
 

 
 
| 児玉昌己 | - | 08:33 | comments(0) | trackbacks(0) |

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