今日の主題は、アナログ放送の終焉と、チデジ、地上デジタル放送の全面実施にともなうことであった。すなわち、時間についての各人が持つ思い入れについてである。
これは、連日報道されているチデジ終了に触発されたものだ。 いよいよ地デジが今日で終わる。
ちなみに、このチデジ、尾籠な話で恐縮だが、キレジ(切れ痔)など別の語を思い出させる、およそ美的センスに欠く省略言葉である。
チデジ、すなわち、アナログ放送から地上デジタルへの一斉切り替え導入の広報活動は、記憶に間違いがなければ、7年ほど前から始まった。その後、デジタル化とアナログ放送の終了について、周知期間の間の数年をかけて、あちこちで、報じられてきた。
決定された当初は大分先のことだと思っていた。そしてその時がいよいよ来たわけだ。ここ3年で、わが家もブラウン管がすべて液晶テレビに置き換わった。
時は確実にやってくる。みなさんも、期限と時間を意識されたことがおありだろう。
私の場合、期限ということでは、研究上で思い出に残る年がいくつかある。1985年に、1992年。
EU研究者として欧州の市場統合で、ミスターヨーロッパこと、ジャック・ドロール欧州委員長が1985年から唱え始めたのだ。あれから20年。市場統合白書から26年。今の大学院生が生まれた頃だろう。随分時間が経った。
EUに言葉がある。ユーロ・スクレロシスEurosclerosis、EUの経済硬化症候群。
すなわちヨーロッパの経済停滞だが、それを、多数の国境障壁を法によって、粉砕し、1987年単一欧州議定書の条約発効で打破していく。1992年末とはその達成の目標である。
現在、わが国で震災を契機として議論され始めた電力、天然ガスのインフラ整備と共用化、送電網、送ガス網への第3者乗り入れなどは、EUは、この時期に本格的に取り組んだのである。
ヨーロッパ統合といえば、その後、1993年11月にはマーストリヒト条約を発効させ、経済通貨同盟を構築し、2002年1月から、ユーロの現金流通を開始、通貨統合を実現した。
2011年夏現在、ギリシアの放漫財政とソブリンローン(国債)を引き金としたユーロ危機を招き、財政統合を必然化する政治同盟強化の新たな過程で、生みの苦しみを経験している。
1985年、単一欧州議定書につながる市場統合白書で市場統合を旗印にしたEU(当時はまだEEC)を対象として、研究を本格化させた。
あれから四半世紀を経た。往事茫々である。
なお3.11の東日本大震災の2011年も、無様な政治とともに、私を含めた多くの日本人に忘れ得ぬ年になることは疑いもない。
参考ブログ
2006.06.22 Thursday 美しさを欠く省略言葉
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=168