挙句は、職務を終えたら引退すると言っていたものの、都合が悪くなると自己の言葉など何のその。
「クルクルパー」(ワシントンポスト)と形容されたこの前任者が、菅首相の退陣時期をめぐり、自己の後継の菅氏を「ペテン師」だといったり。
前総理が現総理をそのように罵るなど、前代未聞なことで、この2代の民主の首相については、この一事において、この政党の野合的性格と、政治指導者としての質が知れるところである。
このペテン師発言は野党から突き付けられた衆院本会議での不信任案を前にして、談合よろしく会合し、引退の言質をとったと思い、それが裏切られて、鳩山氏が発した言葉だった。すなわち、明確な退陣時期の表明を先送りし、延命に終始した菅首相の行為について発した表現だった。
ともあれ、なんだかんだと理由をつけつつ延命をしてきた総理が、さすがにこれ以上の居座りの名分を失い、訪米を断念し、ようやく出した退陣表明である。
菅氏本人は「胸を張っての」、ということのようだ。
庶民との目線との落差は大きすぎる。
この政権が国民に与えた政治家と政治不信は、自民末期に続いた世襲貴族的政権以上のものだった。
後は知っての通り、凡庸なる候補者による団子レースだ。
消防にたいして出動を要請するため、権力的暴言を吐き、後に謝罪したものもその中にいる。
この政党には多数の支持がそれなりに向けられていたはずだが、期待を裏切るどころか、怒りさえ持つ市民が多い。
この党は、まともな意思決定の機関がまるで機能していない。政権獲得だけを目指して形成したために、粗製乱造で、自民党が少なくとももっていた党決定と内閣の決定という一連の意思決定行為に対するルールを欠き、いわば、法治でなく人治政治というべきものであった。
すなわち、誰がトップに来るかで政党の政策が大きく変わるという、まるで政党としての一貫性を欠く、いわば私党というべき性格をもっている。
それがこの政党がめまぐるしく基本政策が変わるという無様さとこの政党への不信を国民に晒し続ける要因である。内閣支持率は15%という末期自民も真っ青な状況だ。
ともあれ、菅政権が終わった。
衆院300議席余を得ているこの政権政党である。憲法上規定されている任期はまだ2年もある。
選挙制度改革は未着手だが、最高裁から違憲判決も出ている1票の格差について、緊急避難的に合意をして、早く総選挙をというだけでしかない。元より抜本改革は比例代表制の導入である。
ともあれ、一時代の終焉だが、2代にわたる民主政治家の無様きわまる政治指導。
政治学者ならずとも、実に慙愧(ざんき)に堪えない、総皆さんが思われていることだろう。
参考記事ブログ
福島第1原発>放出セシウム…広島原爆の168個分毎日新聞 8月26日(金)22時28分配信
2011.04.13 Wednesday レベル7 海のチェルノブイリか 福島原発重大事故 上
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2794
2011.05.28 Saturday2カ月経過も原発禍の始まりと東電の対応について保安院も内閣もなにも把握できていない無責任 下
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2833