児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
北国への旅から戻る
  3泊4日の函館、登別、小樽、そして旭山動物園の旅から戻って、旅装を解いたところだ。
 聞きしに勝る北国の豪雪を垣間見て、九州人としては驚愕した次第だ。
 ブログで詠んだ登別の露天は、雪が腕を伸ばすと取れるほどのもので、湯けむりなどで溶かせないほどのものだ。視座を雪の側から変えて詠んだものだ。
 初日函館山のロープーウェーは稼働していても視野がゼロということで、キャンセル。
 2日目からは幸い雪は上がり、晴天に恵まれて、10年ぶりという函館の人も驚く雪の修道院など函館や小樽など、北海道の情緒を堪能。
  わずか2時間余のフライトでかくも大きな差を見せる九州と北海道。道内の一部を走るだけで、800キロのバスの旅。「でっかい道]と、九州。
 変化に富む日本の自然を、海の幸ともども、堪能した旅だった。
| 児玉昌己 | - | 20:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
旭川に向かうバスの中 海鳴庵児玉
着地後 千歳空港は閉鎖。後続のフライトはキャンセルか大幅遅延。私たちの飛行機は到着したものの、ドアが凍結して開かないし、かろうじて けん引車でゲート入り。まず2度と経験することはない、ハプニング。 旭川の最低気温マイナス20度、 雪雪雪の北海道
 
  往き往きて 函館雪に 埋れけり  春や遠きに  未だこの地は
 
    登別 雪や湯船を 鷲掴み
                  海鳴庵児玉

 
| 児玉昌己 | - | 10:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
つかの間の休みと小旅行
  忙しかった2月もようやく終わりに近い。2月は逃げるというごとく、あっという間だが、今年は、そうではなかった。講義は終わったが、この時期大学は、入試業務もあるし、年相応に大学のアレコレの業務にも関わっていることもある。
 非民主的な小選挙区制度導入にいれあげる、時代錯誤というべき政権与党の無様な極まりない「政治指導」には心を痛めているし、それもあって、日本ではほとんど知られていない欧州議会の選挙法の先端で起きている動向を紹介する論文作成でも、時間とエネルギーをとられていた。
 ともあれ、 それらに一区切りをつけ、ようやく週末、時間を見つけて、旅行社のパックに入り、小旅行をしてくるつもりだ。
 北国の美味でも食して、すこしリラックスしたいと思っている。
 人生50年とはいかない。まだ続く人生で、駄馬の我が身を労(いた)わりながら、というところだ。
 

 
| 児玉昌己 | - | 07:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
陳謝で終わりかね 野田総理、誤りなら速やかなる撤回だろう 比例定数80削減
 野田総理の政治指導には開いた口がふさがらない。
 消費税大増税についても、駄目なものは駄目と街頭演説をしていたことがユーチューブで公開されていた。だが、平気で事態が変わったという。この党の歴代首相の政治に関する認識の軽さは度を越していると誰もが思っている。
 今度は衆院の比例定数の80削減で、自民も公明も、どの党も賛成していない、抜本改革の提示もない定数削減について、大綱明記の閣議決定という見切り発車だ。少数党排除という反民主的イデオロギーに基づく既成事実を積み上げているというべきであろうか。
 この内閣の政治指導は、まさに独裁に転じつつある、と自民や公明のみならず、全ての政党が反発を強めている。
 選挙制度は国権の最高機関であり唯一の立法機関である国会の構成に関わる重大事項である。一方的な内閣による大綱化は行政府による、重大な権利の侵害である。
 現行制度に手をまるでつけないままの80比例減は、比例定数という最も民意を正確に反映する議席を合法的に抹殺し、いまでも深刻な得票と獲得議席の乖離を決定的なものとする。すなわち、敵対の政治を呼びこむ。
 怨念の政治によるわが国の国政の更なる不安定化は必定である。
 現状でも国政の停滞を招いている状況であるが、これをさらに悪化させ、国政選挙ごとに、葬られた膨大な死票が次に与党を襲い、一瞬にして敗者になり、ネジレを常態化させ、不必要に対立を政治に持ち込む。実に、野田首相の比例定数80減の大綱化は、最悪の政治指導というべきである。
 今の1票の格差の問題どころではない憲法違反というべき深刻な状況を引き起こす単純小選挙区制度への道である。いよいよこの政党はその名とまるで異なる反民主主義の性格を剥き出しにしてきた、との声が聞こえてくる。
 それにしても、かつて小選挙区反対を唱えていたこの党内の旧社会党勢力の「堕落ぶり」にはあきれかえる。
 追記
 比例は負けすぎをかろうじて多少とも軽減するよう機能している。3年前の総選挙でも、比例があるから、自民の負けすぎも若干でも下げ止まっている。民主というこの政権与党、比例定数80削減したら、支持率20%台では、迫りくる総選挙では、影も形もなくなるほどの大敗をすることさえ理解していないのだろか。実に救い難いことである。

参考記事

野田首相、定数80減の大綱明記を陳謝=予算案、年度内成立は絶望的 時事通信 223

内閣支持率が大幅下落26.4% 発足5カ月で初の3割台割れ産経2012.2.13






| 児玉昌己 | - | 08:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
国会議員は歳費を2割、政党交付金の大幅削減で身を削れ 下 国会議員よ 諸君こそ国家の公務員だ

  民主のこれまでの議論を観ていると、小選挙区での削減については、迎合するように、削減の数について、アレコレ主張を変えているが、変えていないことがある。
 それは比例を80削減するという主張だ。一貫して比例80削減案を維持している。
 比例80減となれば、各選挙区ごとに膨大な死票を生み、現在の制度下での一票の格差どころではない深刻な憲法違反の状況を生む。次には100の比例も不要だと言いかねない。民主党の幹部の中に、そうした完全小選挙区制度をもくろんでいるものがいることの証左だといえるだろう。
 何より2大政党制を求め、少数政党の排除をもくろむ彼らがモデルとするイギリスでは、多元的民主主義を小選挙区制では体現できないとして、1999年に欧州議会(英選挙区)選挙で、小選挙区制度を全廃し比例に転換した。
 このように、EUの議会である欧州議会選挙では、比例が準則である。そしてイギリスの世論も、自民や緑など第3勢力の台頭に見られるように、民意を正確に反映できる比例代表制にシフトを始めている。自民が保守と連立政権を組んだこと自体がイギリス政治のベクトルの転換を示している。
 比例導入前後の欧州議会選挙イギリス選挙区での結果は、以下で分析した。
 児玉昌己「多 党化する欧州議会選挙の英選挙区と2010年英下院議会選挙--欧州統合運動の英議会 政治への影響」『比較文化年報』 20, 63-85, 2011-03
 ちなみに、最高裁が違憲状況だと判決で示した現行選挙制度の1人特別枠だが、現行を前提とした1人枠の廃止となれば、都市部の積み上げと地方の議席削減で、地方主権どころか、代表を欠いて地方の死をもたらす新たな問題を生む。
 選挙区ごとの1票の格差の問題など、みんなの党や、共産党が主張している完全比例にすれば、瞬時に消滅する。どうしてそれを民主や自民の幹部は言わないか、である。
 民主が言う比例80の議員削減論についていえば、現在の小選挙区制でも膨大に出ている死票をさらに積み上げ、国民の声が合法的に虐殺され、そしてまるで正統性を欠く政権を生みだし、怨念の敵対政治を生みだす。
 実際、現行制度の無様な状況をもたらしている小選挙区制導入に関与した政治学者の成田氏が予測できなかったと認めたように、今でさえ深刻な敵対の政治だ。政治のさらなる不安定化は必定だ。
 しかも、この選挙制度の下で、政権奪取だけのための、安保も、増税もマニフェストとはまるで違い、党の基本政策で党内の不統一を晒し続ける民主党という、憲政史上類例を見ない野合の巨塊というべき異様な政権与党が誕生している。
  ネジレは膨大に殺された死票により引き起こされる。膨大な死票は、次の国政選挙での怨念の復讐の矢として、政権与党の議員に向けて放たれ、突き刺さり、与党議員は累々たる屍を野にさらす。
 それが現行選挙制度である。
 政治の不安定化は、まさに政権奪取だけを目的とした、野合的巨大政権与党を出現させしめた小選挙区比例併用制という選挙制度にあり、それが諸悪の根源である。これはすでに下記のブログで書いた。
 欧州では、大半の国家で比例が選挙原則であり、政権は連立が常態で、合意による政治が成立し、それがゆえに政治の安定が確保されていることを明記しておこう。
 国会議員とその定数は、国民の代表としての立法者であり、国権の最高機関としての機能の保障であり、およそ行財政改革の対象、つまりカネの対象ではないことを明記しておきたい。
 結論に戻れば、議員諸君よ、諸君こそ国家の公務員で、公務員の給与削減を公言するなら、自ら実践せよ。
 でなければ、ただでさえ、原発政策、外交安保、年金、消費税、円高デフレの対応で怒り心頭の国民は、国民にのみ負担を押し付け、自らはなんの痛みも受けることがない人種と、決定的に政治家不信を強める。政治家はすべからく、少しは国民の痛みと怒りを知れ、といいたい。


参考ブログ

2012.01.30 Monday 比例80削減は、民意の「扼殺」  衆参の議席は国権の最高機関の機能の保障であり、財政改革の対象ではおよそない1-5

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3063
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3064

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3065
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3066

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3067

2010.04.27 Tuesday 朝日の社外匿名氏「率性子」の議員削減論を嗤(わら)う 上中下
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2284

2012.01.16 Monday  諸悪の根源は小選挙区制度である 1-3 政治学者の選挙制度認識を質す
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3045
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3046
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3047

2011.02.27 Sunday内紛続く「野合的」民主政権は選挙制度がなさしめるもの 5 
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2706




| 児玉昌己 | - | 17:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
国会議員は歳費を2割、政党交付金の大幅削減で身を削れ 上 国会議員よ 諸君こそ国家の公務員だ

  政治家は選挙公職者、つまり公務員である、という認識を持たないものがいる。
 というより、公務員といえば、自身とは別物だと思っているものが大半ではないだろうか。
 政治家諸君よ、貴君らこそ国家の公務員である。国民に奉仕する公僕である。
 すなわち一般の国家公務員同様に、議員も特別職か否かを問わず、国民による税金でその歳費を得ているのである。
 「身を削る」と言葉だけで、一般の国家公務員の給与削減には簡単に合意するが、自らはどうかね。 他の一般の国家公務員員の給料を減額して、得々とし、しかも自らは議員歳費も、政党交付金も、自分の懐に直結する事はまるでやらない。さっぱり身を削る努力を見せていないではないか。
 議論の後先が逆だろう。まして消費税の大増税を国民に求めるなら、議員歳費の最低でも2割減、政党交付金の削減も当然である。
それが、身を削るという、諸君らが安易に口にする本来の意味である。
 違うかな野田総理、他議員諸君。 いうこと、やることが出鱈目である。
 ちなみに巨大メディアも含めて、議員定数削減が身を削ることだと赤子の一つ覚えみたいにいうものがいる。身を削ることとは、小泉流の幼稚かつ危険な国会リストラ論に立つ定数削減ではなく、真に議員歳費と政党交付金の大幅削減をいうのである。
 解党のたびにその使途不明が問題になっている政党交付金の半減に取り組んで初めて身を削ることであり、率先垂範である。 
 身を削ることでは、定数削減という。だが、全くお門違いの議論であり、争点をすり替えるだけの議論である。 自分とはまったく無関係な比例で済ませようとしている。
 なぜ比例80かね。小選挙区を80どうして削減しないのかね。馬鹿げた議論だとは思わないのかね。 
 選挙区選出の議員が上であり、比例出身議員を自分たちより下だと見下すような認識と議論がその背景にある。 これも愚昧な認識だ。
 膨大な死票を生みつつ、わずかに1名しか選ばれることがないのが、小選挙区下で選挙区選出の議員である。
 だが、実際は、民意の体現という観点からすれば、選挙区全有権者の2-3割程度で選出されているだけの選挙区選出議員もいる。他方、比例選出議員は、どの政党であれ、民意を正確に体現した議員である。選出される議員の民意の程度という代表民主主義の正統性という観点に立てば、選挙区選出の議員にむしろ問題がある場合さえあるといえる。
参考記事

国家公務員の給与削減、民・自・公3党が合意 読売新聞 217()1550分配信

国会議員歳費削減:後回し 若手議員に配慮−−政府・民主三役会議 毎日新聞 2012119日 東京朝刊

国会議員歳費削減:政府・民主、チグハグ露呈 毎日新聞 2012118

参考ブログ
2009.08.27 Thursday
 選挙制度で身を削るということの真の意味

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=1993 


| 児玉昌己 | - | 10:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
アントワープ中央駅(ベルギー)での楽しい動画 

  ストレスの多い上に、寒い毎日だ。いかが皆さんお過ごしだろうか。
  多く殺伐たる国家間の紛争や宗教対立など国際政治を追う欧州研究者としては、バランスをとることも必要である。
 少し元気が出る動画がユーチューブ上にある。
 これまでも、欧州の楽しい映像は、いくつか紹介して来た。今日は、ベルギーのアントワープ中央駅での、偶然見つけたその動画をお伝えしたい。
 アントワープ(現地語音ではアントウェルペェン/仏語アンベルス)はフランドル地域の中心都市、人口50万余。
 ブルージュ(ブルッヘ)から1時間余り。歴史的にいえば、ブルージュの川が埋まり、それに代わる形で、栄えた町である。
 個人的にも欧州大学院大学同窓で欧州委員会の法務部にもいた友人のピーターの故郷でもあり、折に触れて訪れている。
  この街はルーベンスの邸宅兼アトリエもあり、「フランダースの犬」で知られる大聖堂も、日本人観光客を集めている。
 そこで心温まる市民の交流がある。 心の交流は国境を越えた人間本来のものだ。
以下
http://www.youtube.com/watch?v=7EYAUazLI9k
 なお動画の開設には、2009年同駅で朝の8時に、200名余の踊り手による4分のショーとある。
 国鉄の協力を得て、相当の事前準備をなされたものと思われるが、ごく自然に駅構内の雑踏に溶け込んでいく。その演出と調和が素晴らしい。
関連ブログ


2007.07.21 Saturday アントワープのピーターからのEメイル

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=731

2012.01.22 Sunday 寒い夜には楽しい欧州の音楽をどうぞ ビヤ樽ポルカ(rosamunde)など
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3057


2012.02.15 Wednesday Pleasant animation at Antwerp center Station (Belgium)

by Masami Kodama (Notes) on Monday, 12 March 2012 at 16:41

 The rutine days continue with  stress. How will all of you be getting along?

It is necessary to take a  balance for a Europe researcher chasing international politics including a lot of brutal cross-national disputes and religion conflicts.

There is an animation which some spirit are reflected on on YouTube.

I introduced until now several  European pleasant animations here.
This time I want to showl you the animation which I found by chance on Youtube  recorded at Antwerp Chuo Station, Belgium..

Antwerp  is the metropolis of the Frandre area, a population of more than 500,000.

It takes  more than one hour from Bruges by train. When  the canal of Bruges was buried, if I say historically,  the  prosperity of Bruges was said to have moved to the city.

It is a hometown of Peter a graduate of the College of Europe and I can touch it in an occasion and visit there personally.

This town has the atelier and the residence of Rubens, too, and the Cathedral known with "the dog of Flanders", an English novel unknown in Belgium, translated into Japanese. They are   attracting many Japanese tourists, too.

Returning to the animation, there is  heartwarming civic interchanges. The interchanges of the hearts are  an original thing only  human being can enjoy,  beyond the border and nationality.

The following

http://www.youtube.com/watch?v=7EYAUazLI9k

In addition, for the animation, Some comments are given by the presenter . 
It says this is a show of four minutes by more than 200 dancers at the station at 8:00 of the morning in  March 2009.

With cooperation of National Railways provably, it seems that it was made with considerable prepparations, but melts into the crowd of the station yard were extremely naturally. The harmony are splendid.

| 児玉昌己 | - | 08:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
早春賦 「角ぐむ」水仙を詠む 海鳴庵/児玉

  北国は厳寒が続いているが、北部九州では寒い中にも春の息吹を感じる。庭では梅もほころび、水仙が芽吹き始めた。

この時期、口ずさみたくなるのは、日本の名歌100選にも選ばれている早春賦。
 大正2年(1913年)に作られ、もう100年余りの歴史を持つ。それゆえ、現代日本語からすると、難しい表現もある。2番は以下。

氷融け去り 葦は角ぐむ さては時ぞと 思う あやにく
今日も昨日も 雪の空 今日も昨日も 雪の空

角ぐむという表現は、単に芽吹くという以上の躍動感を感じる。
 庭の水仙は芽吹く以上に角ぐむという表現を使いたいほどだ。

ちなみに、あやにく、は生憎(あいにく)ということで、音の変化といわれれば、それまでだが、語順もあって不思議に響く。

かくして西国の冬も、いまだ早春賦の通りではあるが、わずかながら、春は名のみを超えて、確実に春の息吹を感じさせてくれる。

それがうれしい。

 水仙の 角ぐむ庭に 冬を削ぐ その息吹こそ 嬉しかりけり
                    海鳴庵/児玉

早春賦 コーラスと独唱

http://www.youtube.com/watch?v=MxJ69ZQ3uzA&feature=related

 

| 児玉昌己 | - | 10:10 | comments(0) | - |
降雪の久留米 草田男を借りれば  降る雪や 昭和も遠く なりにけり 海鳴庵/児玉

今日は、久留米は朝から断続的に雪。豪雪に苦しむ北海道や東北地域などと違い、西国九州では雪自体降ることはあっても、積もることはあまりない。まして雪下ろしなど無縁の世界だ。だが、今宵の降雪は珍しく屋根を白くしている。


 降る雪と自らの人生を重ね合わせ、時の経過を深い情感で詠んだ名句として、昭和の俳人中村草田男の以下がある。



 降る雪や 明治は遠く なりにけり

 この句は大正時代の
15年を挟んで、明治が幕を下ろして20年余の時を経た、昭和6年(1931年)のことで、明治末期に自身が学んだ小学校の学舎を眼前にした草田男30歳の時の句である。
 昭和の時代も終わり、平成の世を迎えて、
24年目。
 今宵、久留米で去来する感情は、81年前の草田男のこの情感をもってすれば、以下になる。



 降る雪や 昭和も遠く なりにけり 



 

| 児玉昌己 | - | 22:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
頑張れ山田悠子、そして全国の就活戦士たち 再録 「早海さんと呼ばれる日」を観つつ
 昨家ホームドラマ、松下奈緒主演、「早海さんと呼ばれる日」(フジテレビ)をみていた。
 就活で苦しむ3男と家族に焦点を合わせていた。実際、あれは就職希望者を待ちうける現実の厳しい一面を扱った内容で、胸を痛めた。
 4年前のブログ記事を再録し、就活戦士にエールを送りたい。
 2月の入試が終わり、ほっとしているところだ。だが、安堵感もすぐに消える。私はもう1つ気がかりなことがある。ゼミ生や周囲の学生たちの就職のことである。
 就職委員をやっていることもあり、学生の就職活動とその結果が大いに気になるところである。テレビでもリクルート社製作の「山田悠子の就職活動」をやっていた。
 このCM,山田悠子の名を持つ、受験戦士ならぬ、女子の就活戦士が主人公である。多数の企業にチャレンジし、ことごとく不首尾となり、疲労困憊の末に、一人暮らしのアパートに戻り、そこで、最後に1社から採用の電話を受けるという物語である。
 よく出来ているのは、
女子学生山田悠子の就活の模様すべてを、サッカーの応援団に擬した仲間が、スクリーンで観戦しながら、彼女の一挙一動に熱烈な応援をし、電話を受けた最後の瞬間は、抱き合って涙するというものだ。
 見られた人も多いことだろう。そして、我がことのように、納得したり共感した人も多いことだろう。ユーチューブで以下でやっている。
前半 
http://www.youtube.com/watch?v=Q73uiGr12nE&feature=related

後半 http://www.youtube.com/watch?v=S_Zdper2WH8&NR=1


 若者の人生の大きな部分を決定するのが、就職。いつの時代にも社会に巣立つ若者達を待ち構えているのは、就職内定を得るための、激越な競争である。その激烈さは体験した本人や家族でないと分からない。
 必死に動く山田悠子、そして彼女の仲間や知人や、そして家族の胸が熱くなる応援を真剣に扱って、実に共感できる作品である。
 私の周りにも山田悠子がいたし、今もいる。暫く前のことだが、10数社不首尾となった後、私能力がないのでしょうかと報告して、泣き
崩れた学生がいた。その後、彼女はホームランを放った。NHKに採用されたのである。
 採用を出してくれなかったところは、人事
採用者が、人を見抜く目がなかったのだ。
 そう思って、就活戦士の皆さん頑張ってください
| 児玉昌己 | - | 18:33 | comments(0) | trackbacks(0) |

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