2012.06.20 Wednesday 梅雨は傘が映える その風情を詠む
梅雨入りし、本格的な雨。近所の幼稚園には送り迎えの傘の波、水たまりに映えるカラフルな傘、それを詠む。
梅雨入りて 溜りに映る 傘の花 鈍き空にも 赤青緑
2012.06.03 Sunday 湯屋の風情を詠む
仕事の後の日曜日、 朝に風呂、休日ならではのささやかな贅沢、湯屋の景色を詠む
湯屋にあり みゆる景色ぞ 秋津島 青葉若竹 映ゆる竹垣
2012.05.24 Thursday どくだみを詠む
どくだみの季節。凄い生命力で、庭の手入れでは一苦労だ。だが、この季節、この花くらい一輪差しに似合う花もない。
白き花 一輪挿すは どくだみの 十文字こそは 君だけのもの
2012.05.12 Saturday 5月の杜若(かきつばた)を詠む
花で何が好きかと問われれば、梅も桜もいいが、私は菖蒲(あやめ/綾目)、杜若(カキツバタ/燕子花)を挙げたい。 庭にはアヤメ、杜若、琳派から300年。時を超えて、その美を誇る。それを詠む。
燕子花(かきつばた) 君は不変の タペストリ 元禄の世も
平成の世も
2012.05.05 Saturday 2012年黄金週間後半を詠む
黄金週間後半、熊本は阿蘇小国町の杖立(つえたて)温泉に出かけたり、家族と近場でのしばしの休日である。
杖立の 渓流およぐ 鯉のぼり 健やかなれや 明日の礎(いしずえ)
新緑に 裸身眩しき 百日紅
2012.05.01 Tuesday 5月入り 同居のヤモリ君を詠む
自宅付近をねぐらにしているカササギの事は歌に詠んだが、やもり君も、また同様に、我が家を住みかにしている。
ヤモリ君 君も同じか この家は 遠慮なしだね 構いなしだよ
2012.04.21 Saturday 玄関前で羽を休めていたカササギを詠む
今朝、自宅を出るときに、なんと大振りのカササギ(カチガラス)が羽を休めていた。なんと優雅で牧歌的なことか。ドアの開閉に驚きもせず、すぐには飛びださない。ドアを隔てて誰が家主か、それを詠む。
かささぎや 玄関前で お出迎え 君の家だか 僕の家だか
2012.04.14 Saturday 原鶴温泉で過ごす土曜日の午後
企業人となっている長男が遊びにきて、筑後川沿いにある泰泉閣の河童の湯でのんびりと午後の湯を楽しむ。土手には菜の花が色を染め、川面はキラキラする春の陽を受けていた。
河童の湯 肩を並べて ゆうらゆら 親子で浸かり
ゆうらゆうらり
2012.03.27 Tuesday 庭のすみれを詠む
庭には燦々と春の日が当たり、水仙が元気がいい。目を移せば、スミレソウの藍が可憐だ。
スミレ草 君はゆかしき 藍の花 藍は可憐に 傍に咲きたり
2012.03.13 Tuesday 紅梅とその美を競う水仙を詠む
早春賦2番の歌詞にある角ぐむという表現については、2月に我が家の水仙の芽吹きで触れた。それから1カ月後、紅梅と見事にその美を競う水仙を詠む
気高きは 黄色き花の 水仙よ 大地を割りて 君は現れ
2012.03.06 Tuesday 春の雨と鮮やかな紅梅を詠む
雨のたびに春が近づく3月初旬。寒い冬で遅れていた開花だったが、庭の紅梅が美しい。今や緋色に近い、散り始めの紅梅が雨に打たれて、なおさら見事である。それを詠む。
春や梅 紅も際立つ 春の梅 くすみし庭に 紅は燃え出で
2012.02.28 Tuesday 旭川に向かうバスの中
着地後千歳空港は閉鎖。後続のフライトはキャンセルか大幅遅延。私たちの飛行機は到着したものの、ドアが凍結して開かないし、かろうじて けん引車でゲート入り。まず2度と経験することはない、ハプニング。旭川の最低気温マイナス20度、 雪雪雪の北海道
往き往きて 函館雪に埋れけり 春や遠きに 未だこの地は
登別 雪や湯船を 鷲づかみ
2012.02.11 Saturday 早春賦 「角ぐむ」水仙を詠む
北国は厳寒が続いているが、庭では梅もほころび、水仙が芽吹き始めた。この時期、口ずさみたくなるのは、日本の名歌100選にも選ばれている早春賦。歌詞2番にある「角ぐむ」という表現は、単に芽吹くという以上の凍土を割って出る生命の躍動感を感じる。
水仙の 角ぐむ庭に 冬を削ぐ その息吹こそ 嬉しかりけり
2012.02.08 Wednesday 降雪の久留米 草田男を借りて詠む
昭和の俳人中村草田男には降る雪に時代の情景を詠み込んだ以下の句がある。
降る雪や 明治は遠く なりにけり
この句は大正時代の15年を挟んで、明治が幕を下ろして20年余の時を経た、昭和6年(1931年)のことで、明治末期に自身が学んだ小学校の学舎を眼前にした草田男30歳の時の句である。
昭和の時代も終わり、平成の世を迎えて、24年目。今宵、降雪の久留米で去来する感情は、81年前の草田男のこの情感をもってすれば、以下になる。
降る雪や 昭和も遠く なりにけり
2012.01.31 Tuesday 冬の寒さも極まりて 冬を詠む
寒さは頂点を極めつつあるが、凍てつく冬にも賑わいはある。それを詠む
天空の 寒さはここに 極まるも きらめく星座 ほらそこにあり
冬盛り 昼は梅の花(か)夜(よ)は星座 寒さも愉し その賑わいの
2012.01.08 Sunday 持世寺の明星(ほし)に 雁還(い)くをみる
小正月、山口で過ごしている。正月が忙しかったため、この連休を外で過ごしたかった。やわらかな持世寺の湯につかり歌を詠む
小正月 湯けむりうれし 持世寺や 茜の明星(ほし)に
嗚呼 雁ぞ還(い)く
海鳴庵/児玉昌己句歌集2012年後半
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海鳴庵/児玉昌己句歌集2011年後半
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海鳴庵児玉昌己句歌集2011年前半
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