2012.12.31 Monday 冬に川蝉 それを詠む
小倉の料亭川蝉のことを書いたが、歌にしてみた。
冬にても 川蝉ありて 遊ばんや 氷雨も楽し 小倉旧交
2012.12.24 Monday 佐世保北同期の仲間との邂逅と、復興進む旧星野村(八女)をそれぞれ詠む
中州宿 集う仲間の 幾星霜 紅顔去りて 刻む白髪(しらがみ)
豪雨禍の 星野に寄りて 復興を 深く祈念す 聖夜を前に
2012.12.12 Wednesday
正月を前に庭の剪定 黒松と柿の木を詠む
庭の手入れ。柿の樹木にしっかり張ったヘデラ(Ivy)をすべて取り払ってもらった。裸になって寒そうだ。新春を前にくたびれた黒松も気品を戻した。
師走たり 刈揃えしや 老松の 褪(あ)せし気品も 戻りたるなり
柿の木の 幹を覆いし アイヴィの コートもなしで 君は寒かろ
2012.11.22 Thursday
晩秋の銀杏を詠む
街路樹の銀杏も葉を染め、そして落とし、晩秋から初冬の雰囲気を醸し出し、しかも泰然としている。あやかりたい気持ちを込めて一首詠む。
銀杏の樹 泰然として 葉を落とし 悠然として 君並び立つ
012.11.04 Sunday 帰国便のロンドン上空を詠む
帰国便の機内から眼下に広がるロンドンを詠んだものです。
ロンドンの 光の渦は ペンダント 夜の翼に 広がりてゆく
2012.10.29 Monday ルクセンブルグの夜空の星はオリオン
欧州は一挙に15度も下がり、冬入り。そしてルクセンブルグの天空に輝くのは、オリオン。その輝きに彼我の差はない。
欧州に ありて輝く 星座こそ 神秘なること オリオンなれば
欧州の 夜空を照らす オリオンの 彼我に差はなき その輝きや
2012.10.02 Tuesday 10月入り 天高く馬肥ゆる秋 秋を詠む
10月入り。室内も朝は、21度。いつのまにか、長袖。 野には、秋桜、曼珠沙華、そして芙蓉にむくげの花に満ちている。季節は来る時を知って、花は秋の路地を彩る。
コスモスの 路地にありてや 淡き色 移る季節を 知りて咲きたる
2012.09.12 Wednesday ひぐらしとすずむし 秋の訪れを詠む
9月も中旬。 まだ日中は夏日だが、朝夕の風は心地よい。ひぐらしと鈴虫に秋を感じる。
朝夕に きくはひぐらし すずむしの 音色も澄みし 秋の訪れ
2012.08.23 Thursday 佐賀の老舗旅館あけぼので九州政治研究者フォーラム それを詠む
佐賀は知事公舎もすぐという閑静な老舗の旅館あけぼので、合宿研究会。女将によると、あけぼのは明治22年創業。久留米が誇る青木繁も遊んだ旅館である。
はがくれの 歴史を残す名館に 集いて語る 明日のあけぼの
2012.08.21 Tuesday 入道雲にも秋を感じて
ロンドン五輪で遅れているのか、甲子園の熱闘は続いている。これが終われば、夏も終りを濃くする。
蝉しぐれも今年は長雨のためか、勢いがない。残暑は続いているが、朝夕、わずかに空の色合いに秋を感じている。
入道の 雲は彼方に そびえ立つ そちらは夏で こちらは秋か
2012.08.09 Thursday 実力ある勇者の顔は優しい 五輪女子レスリングの2つの金 それを詠む
勇者の顔は美しく、そして優しい。偉業の3連覇の伊調馨。そして一度は階級設定で五輪出場を阻まれた小原日登美。最後の挑戦にして頂上を極めた。共に素晴らしい。おめでとう。
五輪あり 御光輝く 女子フリー 栄誉栄冠 君こそのもの
2012.08.05 Sunday 法事の後 大谷山荘でくつろぐ
昨年逝った妻の縁者の法事。後、湯本温泉は、大谷山荘の湯で、しばしの休息。
車いすの叔母にも気配りをして頂いた。
夏草の 揺らす風なく 大谷の 山の荘(やしき)に 我はくつろぎ
2012.08.01 Wednesday 8月入り ロンドン五輪を詠む
8月入り、ロンドンから連日の五輪の報。喜びと落胆、青春の全てを込めた若人の技と力の五輪の競演 選手の栄光を祈念し、それを詠む
静けさや 炎暑の予感 抱く朝 想う彼の地は 五輪の競炎(ほのお)
2012.07.23 Monday 北部九州の梅雨明けを詠む
ようやく梅雨が明けた。先月の梅雨入りから梅雨明けまで、久留米耳納山の雨量は1500ミリを超え、例年2.7倍ということだ。蝉の幼虫も流されたのか。いつになく静かな夏の入りだ。
静けさや 豪雨の後の 蝉しぐれ
2012.07.15 Sunday 北部九州豪雨の後−黒雲の 去りて静寂(しじま)に 光る星
ここ数日、研究室でも自宅でも、断続的に緊急災害警報の携帯音。夜も更けて、外に出ると、いつ果てるかと思い続けたあの厚い黒雲が切れ、天空に星の輝き。安堵感が広がる。
黒雲の 去りて静寂(しじま)に 光る星 輝き深き 叢雲の間
2012.07.14 Saturday 北部九州、湿舌の禍 それを詠む
北部九州は梅雨末期の豪雨。湿舌の禍。演習中でも、自宅でも、警報の携帯音が鳴り出す。被災地のことを憂え、その収束を祈念しているところだ。
湿舌は 貪欲な雨 剣の舌 全てを浸し 山河(やまかわ)を削ぐ
2012.07.04 Wednesday 猛烈な雨 それを詠む
夏至が過ぎれば、入梅。今日は、終日ひどい雨。剣のような雨。2万4千人に避難勧告。被災地が案じられる。その想いを詠む。
この梅雨は 剣の雨や 光る雨 心を抉(えぐ)る 君去らまほし
参考ブログ
海鳴庵児玉昌己句歌集 2012年前半
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3074