児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
 平成24年の大晦日 歌番組で過ぎていく

 子供たちも巣立ち、叔母を迎えて、3人だけでの静かな大晦日。
 紅白と、年忘れの歌番組をザッピングしつつ、緩々と年の変わり目を過ごしている。
 金爆の白マスクには笑ってしまった。
 たいていのことでは驚かなくなっているが、審査員の綾瀬はるかをはじめ、会場の白マスクには、遊び心も満点で、客席との交流もかなって、NHKなかなかやるじゃないかという思いだった。

 ブログは、総選挙分析を書いたこともあって、今月は、23日、日間ヒット記録となる2212をトップに、連日1000ををはるかに超える数で推移し、明日になる31日のアクセスを除いて、35849と、3万5千を超えて、いつになくにぎわった。
 来年も書くべきことを、書きたいことを書いていくつもりです。
 皆さまにとってよい年でありますことを祈念して、今年のブログ納めとします。
 

 

 

| 児玉昌己 | - | 20:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
海鳴庵児玉昌己句歌集2012年後半

師走たり 刈揃えしや 老松の 褪(あ)せし気品も 戻りたるなり

柿の木の 幹を覆いし アイヴィの コートもなしで 君は寒かろ



2012.11.22 Thursday 
晩秋の銀杏を詠む
 街路樹の銀杏も葉を染め、そして落とし、晩秋から初冬の雰囲気を醸し出し、しかも泰然としている。あやかりたい気持ちを込めて一首詠む。

  
 銀杏の樹 泰然として 葉を落とし 悠然として 君並び立つ

 

 

012.11.04 Sunday 帰国便のロンドン上空を詠む 
帰国便の機内から眼下に広がるロンドンを詠んだものです。


 ロンドンの 光の渦は ペンダント 夜の翼に 広がりてゆく


2012.10.29 Monday ルクセンブルグの夜空の星はオリオン
  
欧州は一挙に15度も下がり、冬入り。そしてルクセンブルグの天空に輝くのは、オリオン。その輝きに彼我の差はない。

 欧州に ありて輝く 星座こそ 神秘なること オリオンなれば 

 欧州の 夜空を照らす オリオンの 彼我に差はなき その輝きや  


 

 2012.10.02 Tuesday 10月入り 天高く馬肥ゆる秋 秋を詠む 

 10月入り。室内も朝は、21度。いつのまにか、長袖。 野には、秋桜、曼珠沙華、そして芙蓉にむくげの花に満ちている。季節は来る時を知って、花は秋の路地を彩る。


 コスモスの 路地にありてや 淡き色 移る季節を 知りて咲きたる  

 

2012.09.12 Wednesday ひぐらしとすずむし 秋の訪れを詠む 
 9月も中旬。 まだ日中は夏日だが、朝夕の風は心地よい。ひぐらしと鈴虫に秋を感じる。


朝夕に きくはひぐらし すずむしの 音色も澄みし 秋の訪れ



 

2012.08.23 Thursday 佐賀の老舗旅館あけぼので九州政治研究者フォーラム それを詠む 
 佐賀は知事公舎もすぐという閑静な老舗の旅館あけぼので、合宿研究会。女将によると、あけぼのは明治22年創業。久留米が誇る青木繁も遊んだ旅館である。

 

 

  はがくれの 歴史を残す名館に 集いて語る 明日のあけぼの

 


2012.08.21 Tuesday 入道雲にも秋を感じて  
 ロンドン五輪で遅れているのか、甲子園の熱闘は続いている。これが終われば、夏も終りを濃くする。
 蝉しぐれも今年は長雨のためか、勢いがない。残暑は続いているが、朝夕、わずかに空の色合いに秋を感じている。
 
 入道の 雲は彼方に そびえ立つ そちらは夏で こちらは秋か




2012.08.09 Thursday 実力ある勇者の顔は優しい 五輪女子レスリングの2つの金 それを詠む 

 勇者の顔は美しく、そして優しい。偉業の3連覇の伊調馨。そして一度は階級設定で五輪出場を阻まれた小原日登美。最後の挑戦にして頂上を極めた。共に素晴らしい。おめでとう。


 五輪あり 御光輝く 女子フリー 栄誉栄冠 君こそのもの 

 

2012.08.05 Sunday 法事の後 大谷山荘でくつろぐ 

  昨年逝った妻の縁者の法事。後、湯本温泉は、大谷山荘の湯で、しばしの休息。

車いすの叔母にも気配りをして頂いた。

 

 夏草の 揺らす風なく 大谷の 山の荘(やしき)に 我はくつろぎ 

 

 

2012.08.01 Wednesday 8月入り ロンドン五輪を詠む 

 

  8月入り、ロンドンから連日の五輪の報。喜びと落胆、青春の全てを込めた若人の技と力の五輪の競演 選手の栄光を祈念し、それを詠む

 

 

 静けさや 炎暑の予感 抱く朝 想う彼の地は 五輪の競炎(ほのお)


2012.07.23 Monday 北部九州の梅雨明けを詠む 

 ようやく梅雨が明けた。先月の梅雨入りから梅雨明けまで、久留米耳納山の雨量は1500ミリを超え、例年2.7倍ということだ。蝉の幼虫も流されたのか。いつになく静かな夏の入りだ。

 

 静けさや 豪雨の後の 蝉しぐれ


2012.07.15 Sunday 北部九州豪雨の後−黒雲の 去りて静寂(しじま)に 光る星 

 ここ数日、研究室でも自宅でも、断続的に緊急災害警報の携帯音。夜も更けて、外に出ると、いつ果てるかと思い続けたあの厚い黒雲が切れ、天空に星の輝き。安堵感が広がる。

 黒雲の 去りて静寂(しじま)に 光る星  輝き深き 叢雲の間
                       

 

 

2012.07.14 Saturday 北部九州、湿舌の禍 それを詠む 

 北部九州は梅雨末期の豪雨。湿舌の禍。演習中でも、自宅でも、警報の携帯音が鳴り出す。被災地のことを憂え、その収束を祈念しているところだ。


 湿舌は 貪欲な雨 剣の舌 全てを浸し 山河(やまかわ)を削ぐ 

 

2012.07.04 Wednesday 猛烈な雨 それを詠む 
 夏至が過ぎれば、入梅。今日は、終日ひどい雨。剣のような雨。24千人に避難勧告。被災地が案じられる。その想いを詠む。 

 

 この梅雨は 剣の雨や 光る雨 心を抉(えぐ)る 君去らまほし

参考ブログ
海鳴庵児玉昌己句歌集 2012年前半

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3074

 



 

| 児玉昌己 | - | 00:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
冬に川蝉 それを詠む 海鳴庵児玉

 小倉の料亭川蝉のことを書いたが、歌にしてみた。


 

 冬にても 川蝉ありて 遊ばんや 氷雨も楽し 小倉旧交

                    海鳴庵児玉

| 児玉昌己 | - | 00:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
氷雨の晦日 オール同志社で料亭川蝉(小倉)に遊ぶ そして新島八重のことなど

  今日は晦日(ミソカ三十日)、明日が大晦日。誰にでも悲喜こもごもの出来ごとがあり、この1年が終わっていく。
 皆さまも、多くは年末年始の休暇に入っておいでのことだろう。

 一昨日はオックスフォードからクリスマス休暇で帰国したスティーブンデイ大分大学準教授夫妻と再会、会食。
 昨日は小倉に愛妻を不慮の事故でなくして落胆している学生時代からの旧友のところに、誘われて、遊びに行く。

 まだまだともに現役。忙しい日々を終えて、迎える年末、気分転換こそ必要だ。料亭の川蝉に招いてくれた。
 熊本からも級友が駆け付け、親子で同志社に学ぶ彼の長男と後輩の原田県議も加わった。オール同志社で、アレコレ、河豚刺しを堪能しつつ、話も弾む。ちなみに同店のフロアーの責任者は、久留米大学商学部のOBとのことだった。

 来年のNHK大河ドラマは同志社創設者の新島襄の妻女、八重を主人公とする「八重の桜」である。平清盛がパッとしなかっただけに、大いに期待されている。
 慶応の福沢の妻女や、早稲田の大隈の妻女については、ほとんど知ることがないが、同志社の新島の妻女八重は全国的な知名士になる。大いに結構なことだ。
 八重は会津の砲術師範を誇る武門山本家の娘。鶴ケ城攻防戦では男装し、七連発銃をもって、激戦の砲火を潜った女傑である。
 わがご先祖は長州藩士族。戊辰戦(1868年 - 1869年)と最後の攻防というべき会津戦ではどこかで激突していたかも、などと想うと、140有余年前の出来事も不思議に身近に感じる。
 ともあれ、晦日。今年は年賀状も書く気がない。還暦を過ぎたので、不義理を許してもらえるかとも独り思っている。
 戸外は雨。氷雨。家人と2人だけの静かな晦日だ。
 追記
 同志社の八重については、この10月末、欧州はパリ、ルクセンブルグ、ブルージュに3年ぶりに出る空港内の書店で偶然以下の書を得て、ずっと機内で読んでいた。八重に対する感情を改めた徳富蘇峰のことなど実に興味深いものだった。

福本武久小説・新島八重 新島襄とその妻」 (新潮文庫2012年、  初出『会津おんな戦記』筑摩書房、1983
また
保阪正康『八重と新島襄』(毎日新聞社)2012年もある。
 こちらは保坂らしく自らの取材で知られざる八重とキリスト者、襄に迫って、読ませる。

| 児玉昌己 | - | 14:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
年末はシャンソンで寛ぐ 小さな花Petite fleur、情熱の花Tout l'amour

 26日の会議で今年の全てのスケジュールを終えて、27日から年末の休み入り。

ザピーナツのカバー曲として知られている以下の2つのシャンソンなど聴いて、一年の終わりを味わっている。よかったらご一緒に。
  モノラルの音楽が60年代のフランスのあの頃の雰囲気を伝え、想いを過去にめぐらし、否応なく気持ちを高めてくれます。

小さな花 ダニエル・ダリュPetite fleur   Danielle Darrieux

http://www.geocities.jp/pppppppihyghhg/Paroles/francais/petite-fleur2/2petite-fleur.htm

 


情熱の花 Tout l'amour  Caterina Valente カテリーナ ヴァレンテ
Tout l'amour que j'ai pour toi est brûlant comme un feu

「君への愛は火のように熱く燃えている」など、恋する人への思いは洋の東西を問わず激しい。
 若かったら使ってみたいほど。こんな名曲で仏語を学校教育でならっていたら、どれほど教育効果があったかなどとワインを傾けています。

なお「小さな花」にはSi les fleursで始まるアンリ・サルバドールHenri Salvadorの歌詞もある。共に味わい深い。

http://www.geocities.jp/pppppppihyghhg/Paroles/francais/petite-fleur/petite-fleur.htm

参考ブログ

2012.02.15 Wednesday アントワープ中央駅(ベルギー)での楽しい動画

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3075#comments
http://www.youtube.com/watch?v=7EYAUazLI9k

2011.07.30 Saturday 落ち込んだ時は、米加ポピュラーソング2曲
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2890
asve  the last dance for me

http://www.youtube.com/watch?v=qmi3EPUrw6g

| 児玉昌己 | - | 11:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
政策に一貫性がない維新 2012年総選挙雑感

 維新については、政治学者として、日本的ポピュリズム政党という観点から関心があり、その結党前後から注視している。今回の総選挙では54議席を得て、第3党になった(比例代表で日本維新は第2党)。

この政党、政治学者からみると、理解できないことが多すぎる。意思決定が政党では重要なのだが、誰が、そしてどのように政策を決定しているのか、それがまるで見えてこないからだ。かつての民主みたいである。
 報じられている橋下維新の会と、石原旧太陽との合同による問題だ。イデオロギー的にも随分開きがある。

 橋下党でもあり、石原党であったり。首班指名で、多数決からみて安倍を押すのが当然とした橋下氏が、「政党とは首班指名で代表を出すことだ」と石原代表に一喝され、あっという間にその見解を翻した。
 有権者の意志であり、安倍氏を推すのは当然だ、多数決の常識だ、日本人は多数決を知らない、と語った橋下氏だったが、信念が一夜にして覆る。
 これは、総選挙直後のことで、よく覚えておいでだろう。

 維新・石原代表、安倍総裁への首相指名投票に反発、産経新聞 1216(

ちなみに、みんなの党の解党維新合流の動きもあったが、TPP,選挙制度など党の主要政策で、原理原則が違うとして、渡辺党首がこれを拒否し、討ち死にを避ける協力にとどめた。これは正しい対応だった。みんなは、ブレないその姿勢が評価されて、倍増となった。
 そして産経が以下の記事。

維新は分裂含み? 「54」議席の重みを生かさない手はないのに…産経新聞 1223()

 この党に関する各社の記事見出し(すべてデジタル版)を拾い出してみると、喧伝していた重要政策について、かくも主張を変えている。これでは、この党のいうことは全く信頼性がないということになる。特に産経と読売が書いているから、同じ印象を皆が持つということだ。


維新またブレた 運動員相次ぐ選挙違反…松井幹事長トーンダウン産経新聞1221

維新の会>最低賃金廃止を修正 衆院選公約毎日新聞124

「衆院定数半減」盛り込まず=維新公約【12衆院選】(時事通信2012/11/23-21:23

衆院半減やTPPを削除…日本維新、「八策」に代わる“党綱領”作成へ産経新聞 10月5日

維新>企業献金禁止を撤回 旧「太陽」に譲歩、目玉骨抜毎日新聞1120

波紋広がる橋下氏「竹島共同管理」発言 国会議員団との“内ゲバ”も産経新聞 106

維新、橋下代表に「拒否権」付与…権限強化へ 読売新聞922
参考ブログ

2012.08.27 Monday 大阪維新の衆院定数半減論 大衆迎合そのもの 上下 米国がいいのかね 定数過大論は欺瞞 

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=32532012.08.27 Monday 
大阪維新の衆院定数半減論 大衆迎合そのもの 中 衆院半減でなく国会議員3分の2削減の暴論

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3254


 

| 児玉昌己 | - | 12:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
佐世保北同期の仲間との邂逅と、復興進む旧星野村(八女)をそれぞれ詠む 海鳴庵児玉

 冬至も過ぎ、今年も大詰め。過日、佐世保北高同期の同窓会で福岡近辺在住の8名が那珂川を望む西中州の料理屋「芝」に集う。理系も文系出身者も40年を超える時を刻むいい顔だった。22日は、大学関係者で、職域、学部を超えて、夏の豪雨の直撃を受けた旧星野村の宿舎「池の山荘」に集い、猪鍋を囲む。それを詠む。 


中州宿 集う仲間の 幾星霜 紅顔去りて 刻む白髪(しらがみ)

 

豪雨禍の 星野に寄りて 復興を 深く祈念す 聖夜を前に 

                      海鳴庵児玉


海鳴庵児玉昌己句歌集2012年後半
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3342
| 児玉昌己 | - | 00:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
今日は懇親会 朝日新聞22日夕刊(福岡山口版)で総選挙コメントが出ます

 慌ただしい師走だ。教職員有志で星野村まで温泉に出かける。そうしたゆとりの時間もあってもいいだろう。一生懸命頑張った一年であるから。勤務時間の後は、それぞれ忙しく、交流のゆとりがない職域を超えた同僚との懇親会は、お酒も会話も楽しいことだろう。
 なお、今夕の朝日新聞夕刊福岡山口版に総選挙の福岡選挙区についての私のコメントが掲示されます。

| 児玉昌己 | - | 13:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
総選挙も終わって今年も大詰め 12総選挙後感 下

  政治家はもとより、わが国では学者も含めて十分理解していないが、なにかイギリスは小選挙区制度のモデルと、英国民が誇っていると誤解しているものがいる。
 だが、実際は、そうではない。この愚昧な制度にもがき苦しんで、それからの脱却に踏み出そうと苦闘している。
 欧州では比例制度が選挙の準則であり、27カ国で構成されるEUの議会である欧州議会では欧州議会選挙法で比例を準則としている。イギリスもこれに従い、1999年にはイギリス選挙区では、単純小選挙区制度を捨てて、ドント式比例に転換し、全面比例へと改めた。
 この結果、下院議会でも、2大政党制の凋落が加速化し、多党化現象が急速に進んでいる。ニック・クレッグ率いる英自民党がAV(選択投票制)を連立の条件とし、国民投票を実施したのはその事例である。AVの中途半端さと、現行の単純小選挙区制度の最大の受益者となっている保守党の反対で否決されたが、逆に現状への不満は昂進し、比例への志向はそれで高まっているとみてよい。
 比例代表制に向けた改革の全面展開を押しとどめているのは、ただただ前近代の遺制というべき下院議会での単純小選挙区制度であり、その既得権益に身を置く保守党と労働党という2大政党の抵抗である。

 他方わが国では、民主政権の下で、「身を削る」と称し、政党交付金の大規模な削減にはまるで手をつけず、「一体改革」という愚昧きわまるスローガンにみるように、消費増税というカネの問題と、国権の最高機関の構成を律する選挙制度での比例削減が一緒にされたのである。実に噴飯ものの愚劣な思想であり、まさに馬鹿に付ける薬はないということそのものであった。
 そして、小選挙区で落選し、その比例に救済されて、再度政治に復帰する総理経験者の菅氏をはじめ、民主の主要閣僚連がいる。すこしは自分たちが口にしてきたことの愚昧さを知るがいい。
 民主党自身の総括が必要になるが、この点はしっかり反省し、方針の転換を図ってもらいたい。

 実際、「藪医者はひとりを殺し、悪しき政治家は万を殺す」という政治の格言があるが、それを地で行った。実際有権者の民意は合法的に56%も殺されたのである。
 1994年の公選法改悪による現行選挙制度の導入では、在京の政治学者もそしてメディアも、共に推進することに手を貸したのである。その反省から全てがスタートされるべきである。
  
 
なお、このブログでいえば、選挙をはさんで、ここ1週間平均のアクセスは通常から千件ほど増えて、1600を超える水準である。感謝である。


参考ブログ

2012.12.18 Tuesday これが小選挙区選挙の実態だ 死票は半数以上、3730万票、死票率は実に56.0% 上下

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3355
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3356

かつての当事者が認める小選挙区制度の失敗 過則勿憚改 上下
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3268
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3269

2011.02.05 Saturday イギリス選挙制度改正法案の現状 1-5

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2665
参考論文

拙稿、多党化する欧州議会選挙の英選挙区と2010年英下院議会選挙--欧州統合運動の英議会政治への影響 The European parliamentary elections (UK constituency) and its impact on the British parliamentary politics 比較文化年報 20, 63-85, 2011-03  久留米大学大学院比較文化研究科



 

| 児玉昌己 | - | 09:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
総選挙も終わって今年も大詰め 12総選挙後感 上

 総選挙の記事を整理して、ブログを書いたりしていたが、大学の方が忙しかった。  
 朝日の政治部から福岡支局入りしている若松記者から電話。総選挙結果について、無効票の増加などについて、アレコレ話をしていた。私個人は、ようやく今年の講義納め。26日まで大学院の会議はあるが、ほっとしている。
 新年となれば、後期講義と期末試験に続き、学部と大学院の入試が迫ってくる。
 組織は日本では1月というより4月が重要で、おとそ気分もほどほどに仕事開始ということになる。だが、今はようやく1年の終わりだから、来年のことをいうのは控え、少し楽になった今を喜ぼう。NHKのラジオ講座の仕事で忙殺していた一昨年、そして昨年と変らず、実に忙しい一年だったのだから。
 衆院選挙では勝ったもの落選したもの、その秘書ともども、それぞれの生活が始まっている。落選した議員秘書の数は800とも言われているが、ドライに、大量の秘書を必要とする自民の議員秘書に鞍替えすることもあるかもしれない。政治家と秘書は一心同体などと言っておられない激変の政治である。
 ともあれ、庶民は、増税を気にしつつ、相変わらずの淡々とした生活である。
 今回の総選挙では、各紙ともいい紙面となっているが、最も印象的なデジタル新聞の見出しは東京新聞。以下がそうだ。

小選挙区24% 比例代表15% 自民 民意薄い圧勝 東京新聞20121218日朝刊

 これは全有権者を基礎にした得票率を基礎にしており、投票棄権者も含めてみると、自民党圧勝といえども、自民への支持は愕然とするほど低い。
 自民は、有権者総数でみると、小選挙区24%、比例代表15%の得票で294議席(獲得議席はそれぞれ237と57。
 議席占有率77.3%/小選挙区79%、比例31.6%)である。
 10ポイント低下した実際の投票率での小選挙区の獲得票実数では25,643,309票で全体の43%。比例で16,624,457人で27.6%。投票権不行使(棄権)者をのぞいても、得票4割で8割の議席ということである。
 今回の総選挙では56%という膨大な死票がでており、最高裁がいう1票の格差違憲状況どころか、全国レベルで反民主主義の状態そのものである。
 民主は比例を大規模に削減することで、これをさらに拡大しようとして、崩壊した。

 それもこれもこの見出し通り、得票率と獲得議席の異常な乖離現象を見せる小選挙区制度のグロテスクな相貌を典型的に示した総選挙であった。東京新聞はそのことをストレートに書いて優れている。
 こんな愚昧な制度を選挙制度の「改正」と称して導入した。当事者である河野元衆院議長は失敗したというが、であれば速やかに改善せよである。
 比例80の大幅削減などと馬鹿げたことを言っていた民主も壊滅的な結果をもたらす懲罰を国民から受けて、しかも総理経験者も含めて18名が落選し、うち菅氏を含め7名の閣僚経験者が、その比例で救済されている。

 もし実施していたら、彼らの議席はほぼ全滅状況だったかもしれない。そのことへの謝罪も聞きたいところだ。
 本来政党法、政治資金規正法の強化で対処すべきだったのだが、1994年の公選挙法の改革には、意思決定の迅速化のみに意が置かれ、この選挙制度が持つ悪というべき膨大な死票に全く注意がはらわれず、怨念として鬱積して生じる「敵対の政治」についてのイギリスの経験も全く考慮されず、選挙制度の基本中の基本である民意の正確な議席への反映がないがしろにされた。
 しかも比例定数は、公選法改正後2000年には、小沢自由党の主張を入れ、さらに20議席が削減された。さらに小沢グループ大量脱党の前から、民主は確信犯というべくも、比例の80という赤子の一つ覚えの大量削減の固執である。
 もし民主政権下で80削減が実施されていれば、残りの100。これも不要だとして完全小選挙区制という、反民主主義そのものの、前近代遺制への逆パラダイムシフトに走っていたことだろう。

参考記事

安倍チルドレン119人数合わせの裏方まで当選しちゃったスポニチ20121218

圧勝自民思わぬ余波…新人184人分「氏名標」大急ぎ スポニチ 1220

見たことない光景…議員会館退出、最大266人読売 1220
政党交付金>維新27億円 自民44%増、民主は半減 毎日1219

衆院選小選挙区、無効が最多204万票 白票増加か 日経 2012/12/19

落選議員秘書、失業800人の悲哀 「子供がまだ小さいんです…」夕刊フジ20121218

参考ブログ
2012.01.30 Monday
 比例80削減は、民意の「扼殺」 1-5 衆参の議席は国権の最高機関の機能の保障であり、財政改革の対象ではおよそない
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3063
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3064
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3065
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3066
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3067

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