児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
激化する内部矛盾と「王朝化」する中国 下

 中国の庶民は、極めて遺憾にも、わが国の一部の知識人や学者が誉めあげた文化革命という文化の大破壊と人間関係をずたずたにした文化大革命を経験し、さらには都市部のインテリの強制的移住という下放を経験した。
 この文革の期間、相互の監視社会を形成し、親が子を売り、子が親を売り、他人を攻撃することが唯一の自己保身の道であったとされる赤いファシズムというべき時代だ。
 上海外語学院、北京外語学院など対外関係に身を置く人材を養成する大学も逼塞を余儀なくされた。
 世界的に評価が高かった文学者の老舎も、紅衛兵という権力者に操られた狂気の中学生集団にいたぶられ、死へと追いやられた。
 
 かくのごとく、政治権力に翻弄されてきた中国では、庶民にとって、政治はタブーであり、庶民にとっての唯一の生活防衛が拝金主義となる。

 先ごろも役所による月餅の購入禁止が報じられたところだ。唐の時代に発し、月を愛でる風雅の文化の月餅は、今や賄賂の代名詞と化し、共産党下でますます隆盛を極める贈答の風となっている。それゆえの禁止である。
 この状況下で、毛沢東の名が、反権力の言葉として使われたのは、あの多数の中国人が勤務する日系企業に向けた暴力的な反日運動の最中であったことはよく知られている。デモを扇動した多くが、都市部への出稼ぎなど、現代中国で最も抑圧されている者たちであった。

 「同志」(トンツ)という言葉もである。今やその言葉は、使用時には皮肉か、可笑しみをもつ言葉でさえある。
 人民服は、政治権力者にとっては国威発揚のイベントだけに使用されるものとなり、通常はタンスの奥にしまわれ、アルマーニなど欧米のブランドの背広に置き換わった。

 地元警察による記者拘束受けて、記者の解放をと批判した記事を載せた広東省の新聞社があった。こちらは、なんと、拘束された記者が、拘束中に、一転、わいろをもらって報じた、と自白したという。
  共産党一党独裁の下で、権力と暴力、官憲の異様な腐敗と格差全開の国家がゆえに、真相は全く闇である。わが国刑法にある特別公務員暴行陵虐罪という言葉も頭をよぎる。
 行政もだが、司法も、似たような状況だ。
 将来の指導者と目されていた薄熙来は1審で無期懲役となり、最終審となる2審は審理もなく、わずか10分で控訴棄却。信じがたいほどの驚くべき司法のレベルである。司法もわいろで汚染されていると報じられているから、市民も、さほどの期待もないのだろうが。
 初めに党の方針があるという以外にはない。近代国家というレベルではおよそないことを改めて確認する。

 もとより、2013130日に起きた空自P3cへの中国海軍艦船のレーダー照射事件は、対外関係に一義的にかかわる国家機関である外務省の報道官がインタビュで問われて、まったく知らされていず、立ち往生したことでもわかるように、国家機構のレベルは世界的に知れていたのだが。
 
 我々はそうした国家と東アジアで共存をしていくことを余儀なくされるのである。
 さて反国家的として北京の公安当局に拘束された上海出身の朱建栄はどうなっているのだろう。我々から見ると、中国の代弁者そのものに見えた人だったのだが。


参考記事

富裕層に多額の「灰色収入」、貧富の差は20倍以上かCNN.co.jp 2013924

「整頓」で関係者処分へ=記者拘束の中国紙 時事通信 1029

警察よ、記者を返せ! 地方紙が1面で異例の大批判=中国 サーチナ1023

薄熙来追放で最大の脅威を排除した中国共産党2013年9月24日英フィナンシャル・タイム
中国3高官 海外逃亡 成果 検挙5年で6220人産経2013.8.14

中国社会科学院 海外逃亡の高級官僚18000人に上ると推計NEWSポストセブン2013
6

参考ブログ

2013.02.10 Sunday 国際情報戦に勝て 上下 評価できる安倍政権 中国レーダー照射事件

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3391
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3392

| 児玉昌己 | - | 08:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
激化する内部矛盾と「王朝化」する中国 上

 中国の首都で政治都市の北京は、天安門広場でのウイグル系の「テロ」。
 テロという呼び方にも注意がいる。立場を少数民族抑圧とみれば、民族解放運動ともなる。政治を見る目の難しさである。
 共産党政府は、事件を報じるNHKの画面をブラックにして情報アクセスを遮断し、国内でも報道統制をしているということだ。

 この事件そのものも衝撃的だが、それと同様に、この報道統制についていえば、政治権力の中枢が狙われたということで、中南海を包囲した1999年のあの法輪功事件同様、腐敗した中央、地方を問わず、権力者に対する不満が庶民に波及することを食い止める意図をもった処置であることは歴然としている。

 ところで、今日のタイトルとした王朝とは、政治学的に言えば、その権力を絶対化し、市民的自由などとは無縁の政治体制を言う。
 共産党政権の政治体制の維持のために、思想信条、デモも徹底的に封じ込める。まさに内部矛盾の激化というべき現象だろう。
 一般人も巻き込むテロは否定されねばならない。だが、事案の発生にも理由はある。ウイグル地区の漢民族化ということを背景にしている。 
 いずれにせよ、中国が抱える内部矛盾の一現象であろう。実際、暴力は暴力を呼び、抑圧は反発を強める。

 今の中国国内の貧富の格差は、香港系の情報では、20倍以上とも報じられている。日本では東京と地方の格差は最大1対1.6程度だろう。しかも地方は土地も安く、逆に住まいの購入費用で換算すれば、1万が3万にもなり、地方が庶民の豊かさで東京を凌駕し、東京の優位性は逆転する。
 ともあれ、中国における信じがたい格差を見るたび、胸が痛む。辛亥革命を主導した孫文が泣いているというものだ。

 1911年に打倒した清朝に代わり、20世紀中葉に赤い王朝が新たに成立し、21世紀初頭にそれが全開しているだけだという声も聞こえてくる。

 「王朝化する」とカッコつきでタイトルにしたが、その傾向を示すものは、格差全開と「太子党」という言葉に表される共産党幹部の貴族化、腐敗、海外逃亡などのほか、多数ある。

 内戦、長征時に、共産党が高く掲げていた「プロレタリア独裁」、「マルクスレーニン主義」のスローガンなど、いまや誰も使わない。
 国家資本主義が全開した21世紀のこの現在、国家と権力が共産党という一党で支配されるとすれば、腐敗は必然だ。
 国家機関の権力を背景にした巨額な賄賂を持って国外逃亡する高級官僚や党幹部も半端ではない。兆単位の資金が国外に持ち出されている。レコードチャイナは以下伝えている。

90年代以降、海外逃亡した政府高官18000人、持ち出し金額10兆円―中国 レコードチャイナ 配信日時:2011617

「絶対権力は絶対的に腐敗する」とは、イギリスのアクトン卿の有名な政治的格言である。

 資本主義社会には、市民的自由があって、それが政治的安定をもたらす。
 西側の政治体制にみられるように、市民的自由の保障が、その体制の安定の最低限保障となる。
 その市民的自由が確保されていなければ、資本主義社会は、金融資本主義の段階では
、極めて少数の強者による弱者収奪と、格差全開の政治制度となる。

参考記事
NHK「放送中断」ニュースも中断…中国が警戒読売2013
 1029

天安門前で車突入、5人死亡 故意の可能性邦人ら38人けが 日経2013/10/28

| 児玉昌己 | - | 18:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
野趣を超えた大自然 千仏鍾乳洞 Piano Bar House224 小倉博多に遊ぶ
 
 この休み、同志社OBの友人が名古屋から来るので、幹事というより「元締め」がふさわしいK君が住む小倉に4名の旧友が集合し、千仏鍾乳洞やピアノバーに遊ぶ。
 K君御推奨の千仏鍾乳洞は、地元の人は当然だろうが、私は、まったくの初めての知見。事前にレクチャーもなく、何より裸足になって、裾をまくってということでは、いったいこの先、何が始まるのかというほど。

 1.2キロに及ぶ、長大かつ、時に頭がかろうじて通りほどの湾曲した洞窟内を、本格的な流水に足をとられそうになりながら、頭をぶつけないようにと、ゆるゆる進んでいく。
 帽子を持っていなかった別の友人は、流水と上からの滴で、足も頭もしっかり濡れるという状況。
 その流水は大雨の時には、洞窟自体が閉鎖されるという大自然そのもの。
 昭和10年に国指定となって、簡易の階段や照明が用意されたのは戦後のことで、最深部は照明のない部分もあるとのことだ。

 距離感がわからないため、その冒険の旅がいつ終わるのかという状況で進む。途中家族ずれも、カップルもいたが、元気なのは、子供たちという感じ。 
 予期せぬ「苦行」から解放され、休憩所で京都から取り寄せているという暖かい甘酒と、蒸した饅頭の美味が格別であった。
 「野趣」という表現をこえた、そのアドベンチャー・ワールドは、一見の価値あり。一度お試しあれ。
 夜は、小倉の料亭ちょろ松、そして堅野のPiano Bar House224。

 こちらは ピアノ、ドラム、ベースの生演奏で、しかも歌わせていただくことができる。それぞれに持ち歌を披露しあう。ちょっぴりアーティストになった気分のひと時だった。次回も使わせていただきたい店である。
 翌日は、名古屋の友人が直系子会社の社長で、顧問もしていたということで、トヨタと九電のラグビーを観戦。
 夜は、彼が現地のトヨタ関連の役員さんを通してアレンジしてもらっていた中洲の博多石焼大阪
屋。
 入り口は居酒屋風だが、上階には静かな座敷があり、秋の魚を堪能したところだ。
 

 刺身はウニベースのソースでいただく。これは珍しい。
 あいさつに見えた若女将は、国際政治のゼミで学ばれたのことだ。

 NHK大河ドラマ「八重の桜」で130年前の同志社創設時の在り様が放映される中、45年の時を超え、久しぶり集まった仲間との愉快なひと時だった。

 

参考サイト
千仏鍾乳洞は、
http://www.senbutsu-cave.com/ABOUT.html

Piano Bar House224は以下
http://house224.web.fc2.com/
博多石焼大阪屋は
http://www.osakaya-15.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 児玉昌己 | - | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
台風後の秋の月を詠む 海鳴庵児玉
 台風も九州は去り、秋の月は天空遠く頂点に輝いている。

 

 秋月の 天空遠く 頂点に 星も奪いて 光燦然 
                海鳴庵児玉
 
                   


               
| 児玉昌己 | - | 02:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
ベルギーの友人ジャックからの、さりげないメッセージ 言葉の力
 ベルギーはブルージュの、友人というよりも人生の先輩なのだが、ジャックが以下送ってくれた。
 言葉の力を表すもので、非常に印象に残る。

目の不自由な人が公共施設と思しき建物の前で喜捨を求めているのだが、関心もあまりひかない。通りすがりの1女性が言葉を書き換えてあげる。それで、人の関心と態度が変わってくる。

どう変わるかは、改められたサインボード同様、見てのお楽しみである。

 ジャックは、欧州大学院大学在外研究時代の家主さんで、9年ほど前、単身1年を送ったブルージュのその地で家主と借主の関係で出会い、その後、なにくれとなく気配りをいただいた。
 週末などは、夫妻で車でゲントなどに、連れ出してくれた。単身でさびしくしていると、気にかけてくれていたのだ。
 特にこの地域の酒ジニーバの専門店として「涙のしずく」(Dreupelkot)という名店があり、名物店主と、夫妻とで酒と会話を楽しんだことなど素敵な思い出である。

  それらを通して、欧州人の普通の、日常の生活の一端にさりげなく触れさせてもらった。
 私には欧州大学院大学時代は学生時代と、在外研究時代と2つあるのだが、後者を語るときには、欠かせない恩人である。

 数年前にベルギーの有力企業の技師長をやめて年金生活者入りしている。
 過日、このサイトを知らせてくれ、そのEメイルで、以下のメッセージを寄せている。

This is a wonderful one minute clip.

It's not a joke, not religious, not political.

It's just . . . special.

I think you'll agree.

上記のサイトは以下
http://www.youtube.com/watch_popup?v=Hzgzim5m7oU&vq=medium


ゲント(ヘンク)の「涙のしずく」(Dreupelkot)店は以下
本来は静かに地元の人がジニーバを楽しむ場所だが、店の雰囲気は分かるだろう。
http://www.visitflanders.us/what-to-do/food-drink/bars-caf-s/dreupelkot.jsp

 
http://www.youtube.com/watch?v=MlQ14ZGvLp4

 

 

 

 

 

| 児玉昌己 | - | 12:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
来年(2014)5月の欧州議会選挙について 下
  今回の見どころは多数ある。

なかでも、注目すべきことが3つある。

1つは、2014年の選挙から勝者(相対一位)の院内会派から欧州委員会の長を出すということである。
 現在、欧州社会党、欧州人民党、欧州自民改革など主要な欧州政党は、それぞれその候補者の選定が必要となり、政党間にばらつきはあるものの、人選で動きつつある。これは、その後のことも含めて、議院内閣制にかじを切る欧州議会史上でも極めて重要な動きということができる。

2は極右政党の動向である。
 イギリスの政権政党を経験した労働党の中にも、有力閣僚経験者のジャック・ストロー議員のように、欧州議会は廃止されるべきだというもいるほどである。いわんや極右をや。
 フランスの国民戦線のマリーヌ・ルペンは「EUはソ連のように崩壊する」という始末である。
 そうした反EU的ムードが高まる中、基本的に排外主義的で自民族優越を掲げる極右政党がどれほどの議席を得、反EU、反移民を共通の旗印にする汎欧州政党を形成できるかということである。
 ちなみに、28か国のうち7か国以上総計25名以上の議員を得て形成できるのが欧州政党である。以前は1か国でも議員を多数擁していれば欧州政党の形成も可能であった。
 イタリアのあのベルルスコーニのフォルツァ・イタリアがフォルツァ・ヨーロッパで欧州議会に進出した例がそれだが、現在は、1か国では欧州的でないと、欧州議会議員規則で政党形成要件を厳格に規定している。もとより、その背景としては極右封じ込めがある。
 上述したごとく選挙戦が比例であるがゆえに、極右も合法政党であれば、議席獲得も可能である。
 イギリスではBNPという政党があるが、基本的には、白人主義政党であり、小選挙区制度の本国では徹底して締め出されている。だが、欧州議会では比例が故に、議席を得ている。
 ヨーロッパ統合が60
年の時を経て、ヒト、モノ、カネ、サービスの自由移動の確保という連邦的深化が急速に進み、とりわけ域内移民の急激な流入を招き、その結果、その反動としての排他的ナショナリズムの高揚をみている。
 また加盟国の国債(ソブリンローン)の増発などによる放漫財政の結果、ユーロ危機を招き、ヨーロッパ統合は危機的状況を招いている。
 その中で、EUの理念が侵されつつある。
 すなわち、EUは反ファシズムでスタートした。だが、ファシズムやナチズムに見られる狭隘な排外主義的ナショナリズムからの別離で出発したヨーロッパ統合の当初の理念が、極右勢力の台頭で、脅かされているのである。 
 EU28の加盟国でどれだけの支持を得るのか、自民族の極右の欧州政党構築、欧州政党化の可能性はあるのか、そのあたりを注視している。
 それにしても、実に興味深いことではないか。国家中心主義の極右まで、EUの舞台に融合させるヨーロッパ統合の凄さは。

表層的現象だけをとらえ、EUの危機を声高に言う安げな評論家のレベルを超えているのがわかるだろう。
 第3は投票率だ。回を追うごとに、欧州議会の投票率は下降傾向にある。
 EUの権限が拡大しているのに、実に皮肉な結果である。これは投票のインセンティブを欠くという第1の問題とも関係し、行政府を構成できる方向で、統治の実質を改めつつある。
 ともあれ、1990年代にソ連の衛星国を脱し、民主化し、西側化したものの、慣れない選挙の疲れがみえる新規加盟国であるが、平均投票率を下げている。
 それだけでなく、原加盟国でも投票率の漸減傾向が続いている。
 EUと欧州議会、そしてEUの民主主義の正統性と正当性を損なうものである。
 後半年余りだが、主権国家からなる欧州連合を否定しつつ、連邦主義をその実質とするEUでは、EU法を定立する権能を持つ超国家的議会と議会選挙があるということも、知っておくと欧州政治を見るうえで、参考になるだろう。

参考記事

European parliament should be abolished, says Jack Straw byPatrick Wintour The Guardian 21 February 2012

'EU Will Collapse like Soviet Union says Frances Marine Le Pen Planning European Far-Right Alliance International Business Times UK October 16, 2013.



 


| 児玉昌己 | - | 12:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
来年(2014)5月の欧州議会選挙について 上

 前回公開講座に関連して、ライフワークとしての欧州議会の研究や欧州議会直接選挙の現地取材やその直後に開催される、母校、ブルージュの欧州大学院大学同窓会参加の可能性などについて触れた。
 投票日は、2014年5月22−25日と少し先の話だが、欧州議会選挙について触れておきたい。
 政治学者にとって、選挙は選挙学者でなくとも、政治のすべてを決するといってよいほど重要事である。
 わが国先の総選挙での事例のように、投票した票の過半をはるかに超え実に56%が死票と化すような悪しき選挙なら、諸悪の根源となる。
 来年五月は、EUの議会である欧州議会の第8次となる欧州議会選挙である。しかもこの選挙、比例制である。欧州政治に大きく影響を及ぼすのが欧州議会選挙である。
 欧州議会はそんことを欧州議会選挙法で明記している。したがって、半数の支持もないのに議席の7割を得る日本やイギリス、さらには3割程度の低投票率の米国の小選挙区制度とは違い、欧州の有権者の意思がより明確にしめされるのである。
 歴史に触れれば、
1952年に欧州石炭鉄鋼共同体の共同総会として発足し、爾来、60年余の歴史のなかで発展を遂げ、78議席でスタートした議会は751名で争われるまでになっている。

 1979年にはそれまでの国内の政治勢力に相応し、指名で加盟国の議員定数分を埋める形をとってきたが、79年に直接選挙に置き換わった。2014年は28か国、5億人を要するEUにおいて、一斉に直接選挙が実施される。有権者は優に4億人を超える世界最大の国際的選挙である。
 インドのように人口大国での議会選挙はあるが、国際的な規模で立法権を持つ議会の選挙は、後にも先にも、EUの議会をおいて、ほかにない。

  EUの議会では、かくして、加盟国議会同様、欧州レベルでの議会制民主主義に立つ政党政治が展開されている。

 しかも、初期の議会が諮問議会でしかなかったが、リスボン条約で、加盟国の国益を体現する理事会とともに、共同立法権者としての地位を確固たるものにした。

参考ブログ
2012.01.17 Tuesday
 諸悪の根源は小選挙区制度である 結 政治学者の選挙制度認識を質す

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3050

2012.12.18 Tuesday これが小選挙区選挙の実態だ 下 死票は3730万票、死票率56.0% 虚構の2大政党制

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3356

 

| 児玉昌己 | - | 16:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
来年度の公開講座の調整で頭を痛める 

 勤務校では有料、無料の公開講座を社会的活動の一環として実施している。
 年間、医学、語学、教養、歴史などなど、多数の講座を開講して、社会的な貢献の一翼を担っている。
 私が担当している国際政治経済分野については、無事好評のうちに今年度も終わった。
 継続は力なりで、受講者もリピーターの方も多く、ほぼ定員を満たす状況で推移したのが何よりである。

 今回は、有終の美を飾るべく、防大名誉教授の佐瀬昌盛先生、木村汎北大名誉教授にお願いし、それぞれ集団的自衛権と北方領土返還についての動きなどご講演いただいた。
 いずれも現下のわが国が取り組むべき重要な外交の課題であり、戦後政治の決算ともいうべき宿題である。
 両先生とも半世紀をその分野の研究に捧げておられる大先達で、碩学であられ、政府の要路とも関係をお持ちである。

 担当した講座の方、今年度は終わって、一安堵である。しかし終わりは新たな始まりでもある。来年度の計画を求められることになる。
 次年度の件で、講師の先生方の日程調整をしているところである。

 日程調整といえば、外部講師との調整に忙殺されていて、実は私自身の日程調整が必要だということを失念していた。
 来年度のことになるが、私事でいえば、5年に一度の欧州議会選挙が従来より1か月繰り上げで実施される。翌6月には、欧州大学院大学卒業30周年の同窓会が開催される。
 欧州議会選挙は、私のライフワークと位置づけている欧州議会のことでもあり、また10年に一度の同窓会は、EU研究者や裁判官、欧州委員会などEU官僚となっている卒業生が多く参加する。
 それで、同窓会が情報獲得や情報交換の重要な機会になる。
 短期出張で2つこなせるか、大学の講義等も加わり、そのあたりの調整がかかってくる。
 かくのごとくして、今年も残すところ2か月あまりとなった現在の私である。

| 児玉昌己 | - | 21:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
セブンの100円コーヒーの美味なること セブンよ ウルトラだ

コンビニに行くことは10年前は、積極的には皆無だった。最近は、結構行く。
 セブンが近くにあることもだが、ドライブのさなかに、息子にこのコーヒーいけるよと差し入れしてもらって、その美味さにびっくりした。100円で味わえる贅沢だ。

 以来、ちょくちょく行く。
 過日も、暑い日で、昼間食事を済ませて、コーヒーがほしくなり、近くのセブンに入って、アイスのLを注文し、車の中で、一息ついていた。
 缶コーヒーの売り上げが下がったといっていたが、むべなるかな。あの味で100円なら、缶を買うこともない。消費者からすると、セブンよ、ありがとう、である。
 セブンでは高級志向を打ち出し、ゴールド戦略もあるが、こちらも確かに優れていて、サバの味噌煮なども、買って食することもある。
ガソリンを入れると、ナナコのポイントがたまるという案内もあって使った。
 銀行も併設されていて、こちらも便利だ。
まさにコンビニconvenience store 便利屋(店)さんである。

| 児玉昌己 | - | 18:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
 Ipadでスカイプの衝撃

 祝日で夕刻、自宅のソファで寛いでいると、突然、スカイプの受信音。それもIpad.

もとよりスカイプはずいぶん前から、活用しているし、もう9年も前のことになったが、ベルギーでの在外研究中は、教え子とやり取りをしていたこともあったのだが。
 Ipadで受信音を拾ったのは、初体験。驚愕。

 相手は、スティーブンから。改まって言えば、大分大学教授のデイ先生から。彼もカメラ付きで、お互いをみつつ、話ができる。

 そんなことに驚くのか、と驚かれるなかれ。当方は還暦を優に過ぎているおじさんなのだ。

スカイプでの会話といえば、パソコンでは当然としているのだが、Ipadがソファで鳴り出したのは心底驚いた。操作にもあわてて手間取った次第だ。
 Ipadでの会話といえば、2週間前、京都出張をする前に泊まった福岡のホテルのロビーで、アイパッドを手にして、ドイツ語で嬉しそうに会話している外国のご婦人を見かけた。
 なるほどそんな使い方もできるのかと驚きはしたが、やはり自分のことではなかったのだ。 

 ともあれ、お互い、どこででもカメラ付きで会話ができる。すごい時代になったものだ。

 

 

 

| 児玉昌己 | - | 18:40 | comments(0) | trackbacks(0) |

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