児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
大晦日、一転勢いを得たシクラメンを詠む 海鳴庵児玉

  隣家からいただき、暮の食卓を飾るシクラメン。水を得て、今朝すっきりと立ち、再び、艶やかな花で飾ってくれている。

 

シクラメン 赤白緑 鮮やかに 暮の食卓 艶(いろ)は戻りて 

               海鳴庵児玉

どちら様もよいお年をお迎えください。

海鳴庵児玉昌己句歌集2014年前半後半

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3649

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3723






| 児玉昌己 | - | 10:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
竹原慎二さんのこと
  今年は高倉健や菅原文太など大物俳優が亡くなったりした。文太さんについてはNHK大河ドラマ「獅子の時代」があり、それはブログした。

今日は存命の人の闘病と生還の話。竹原慎二さんのことだ。

いうまでもなくミドル級の元世界チャンプである。

ボクシングに特に知識を持つわけではないのだが、テレビ番組の「ガチンコファイトクラブ」(TBS1999-2003)はずっと見ていた。荒ぶるものの相手を務め立派だと思っていた。

その後、東京出張中のホテルのエレベーターで乗り合わせ、厚かましくも、お礼を兼ねて、「あれ見ていましたよ」と、声をかけたことがある。軽く会釈されたことだった。何十万人のうちの1人にすぎなかったので、覚えるも何もないのだが。

その後は、インターネットで竹原慎二の「ボコボコ相談室」で、威勢の良い辛口の助言が印象に残っていた。そしてブログを始めたころ8年前だが、それを書いたことがる。

そして今年テレビが竹原さんの膀胱がんでの入院と闘病のことを特集して、驚いた。その中で、有り体にその苦悩を語っておられた。

不死身の人とばかり思っていたが、病は人を選ばない。やつれられておられた。癌との苦闘と苦悩を人知れず、体験されていたのだ。

幸い、奥様の献身的介護を得て、元気を取り戻されたようだ。

インターネットも久しぶり観ると、「ぼこぼこ相談室」も健在のようでなによりだ。

http://www.code-g.jp/bokoboko/101141121-048.php

全く別の世界の人だが、私の人生で、目には見えぬが、テレビを通してだが、竹原さんから力を頂いていたことを感じている。復帰されたことを喜ぶとともに、それを書きたかった。


参考ブログ

2006.04.02 Sunday 面白いサイト発見

http://masami-kodama.jugem.jp/?day=20060402

2011.12.14 Wednesday 31年ぶりにCATVで観るNHK大河ドラマ「獅子の時代」

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3020

2012.01.10 Tuesday NHK大河ドラマのことども 「獅子の時代」に寄せて

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3043



 

| 児玉昌己 | - | 13:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
平成26年最後の土曜日

  官公庁も御用納めを済ませた土曜日。みなさんいかがお過ごしだろうか。

 天気も回復して我が家も年賀状を済ませ、カレンダーの入れ替えをした。淡々とした年の瀬。

仕事は「海外事情」の論文も終わり、来春に使う教科書用の草稿の仕事をしている。正月もどこに行く予定もなく淡々とそれに向かうつもりだ。大学が休み入りし、講義や演習から解放された一時こそ、我々のかき入れ時なのである。

以前NHKのラジオ講座テキストとして出したものに手を入れる形で。

年が変われば、すぐに63。法定老人の範疇もすぐそこだ。現役を終えるのもそう遠くないことだ。

すでに30年有余年の歳月を経たEUと欧州議会研究だが、これをさらに深めていこうと思っている。

それにしても、寒暖の差が大きい。寒いと身体も縮むし、灯油も必要だ。

なお自民が現状維持した総選挙の前日の13日の土曜日、朝日新聞福岡県版で投票率についての談話が掲載されたが、九大法学部の南野教授がそれをご自身のツイッターで紹介してくれた。以下がそれです。


https://twitter.com/sspmi/status/543768079763640321








| 児玉昌己 | - | 23:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
拙文「2014年欧州議会選挙とspitzenkandidaten―EU政治への衝撃」刊行

 拓大の海外事情研究所から出ている「海外事情」 12月号欧州特集号に「2014年欧州議会選挙とspitzenkandidaten―EU政治への衝撃」
という論文を掲載させていただきました。The 2014 European Elections and the Impact of the Spitzenkandidaten innovation upon EU Politics. Journal of World Affairs. Institute of World Studies.2014.No.12.
その日経での宣伝広告がたまた総選挙翌日と重なり、自民勝利を伝える同紙の大見出しとともに下段に出ています。執筆陣は以下
www.takushoku-u.ac.jp/laboratory/jwa201412index.pdf

| 児玉昌己 | - | 20:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
原油暴落とロシアプーチンの苦境 イデオロギーでなく、モノと技術が政治を決する鮮烈的事例
  研究者としてはエネルギーと政治の関係を英労働党政権の北海石油国家管理政策を取り上げ、修士論文として、この道に入った。1970年代後半で、すでに35年以上の前のことになる。

 イデオロギーが政治を形成することではないという極めて即物的な政治の性向を知ったからである。

 それは忘れもしない1973年10月の第4次中東戦争と、それを契機にしたOAPECアラブ産油機構の石油戦略の発動による政治の混乱を目撃した時であった。

 政治の影響力は直接的には思想ではなく、モノ、すなわち食糧でありエネルギーである。

実際、わが国は大いに揺さぶられ、猛烈な石油インフレと原料不足に見舞われた。それまで日米同盟の中で当然のものとしてきたイスラエル支持一辺倒の政治の転換をもたらすものであった。米国が日本の石油供給を確保できないことが明らかになったからである。

この過程は柳田邦男の名著『狼がやってきた日』文藝春秋 1979に詳しい。

政治がエネルギーで動くということは、なによりイギリスのソ連研究者で、「歴史とは何か」で知られるE・H・カーも社会主義革命に関するレーニンの政治指導を扱った論稿の中で喝破している。すなわち社会主義と電化ということをである。国家の政治指導者としてのレーニンは、イデオロギーだけでは国民を納得できない電化という、現代社会における電力の必要性を熟知していたことをである。

 ソ連崩壊もそれを実証した。人はスターリン主義の抑圧的イデオロギーには耐えられるが、パンを提供できなくなったとき、それは簡単に打ち捨てられるということをである。

翻って90年後のロシア。

クリミアの併合を3月に行い、欧米の制裁を受けていたが、OPECの減産が不成立となり、一気に原油価格が100ドルから60ドルまで下落した。

 これにより、輸出の資源エネルギー輸出の割合が輸出総額の約 7 割を占めるロシアのルーブルは暴落。年初来から対米ドルで50%の暴落。

 クリミア併合では人気を上昇させ支持率8割となったプーチンだが、彼を取り巻く環境は一変し、苦境を強いる。ルーブルは変動相場制を強いられ、相次ぐ利上げ、買い支えで6000億ドルを超えていた外貨準備も1000億ドル程度は下落したという。来年はインフレと、企業は資金調達に苦しみ、社会ではリセッションが待ち構えている。

 本学の公開講座に来ていただいている木村汎先生からロシアのエネルギー資源の経済依存度と技術競争力の欠如は何度も、学んでいた。

 まさにプーチンはエネルギー価格の暴落と連動したルーブルの暴落で、内政と外交で、正念場を迎えているということである。

かくして私の専門で言えば、クリミア併合に対するEUの対ロシア制裁も実に活きているということである。

翻ってアベノミックス。 

消費者物価の上げを超えて所得が追い付かないで成果が問われているが、まさに神風の原油安である。とはいえ、リッター100円程度だった石油が、需給関係でなく投機的動きと化し、170円ほどにも高騰した。その正常化局面と見れば、この値下げ、当然だともいえるのだが。

 国土面積37万平方キロメートル・世界61位の日本、このわが国としては、メタンハイドレードの開発や、水素燃料電池車の世界的普及でこの苦境を乗り越えていく必要がある。もとよりメタンの除去や無害化、燃料電池の改良や水素製造コストの改善など山ほど課題はある。

やはり世界的な技術の開発こそが我々の武器である。

 

参考記事

コラム:原油が20ドルまで下がり得る理由2014 12 22 16:41 JSTアナトール・カレツキー ロイター

参考論文

論説>H・ウィルソン労働党政権下における北海石油国家管理政策の形成 : 「石油危機」へのイギリスの対応(一九七三-七五)

Article>Policy Making of the State Control of the North Sea Oil in Britain : The Labour's Response to the Oil Crisis (1973-1975)同志社法学168号 1981年 昭和56年7月

http://ci.nii.ac.jp/naid/110000199629

参考ブログ

2014.11.18 Tuesday 最近うれしかったこと 研究することの意味 ネット時代の効用

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3765





| 児玉昌己 | - | 11:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
暮れる一瞬の空の色を詠む 海鳴庵児玉

 夜のとばりに包まれる直前、駅舎の上にオレンジから紫までの色が輝く それを詠む

 

 

 冬の暮れ 寒の空には グラデーション 光の宝石 橙白青紫 (とうはくせいし)

               海鳴庵児玉

           

 

 


| 児玉昌己 | - | 08:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
産経の意味不明の選挙制度関連記事 で、山本記者よ、何をどうしたいのかね

  山本雄史氏の署名で以下の産経から選挙制度の記事が出ている。

衆院選 比例復活の課題浮き彫り 10万票落選×2万票当選産経新聞 1216

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141216-00000070-san-pol

テーマは10万票落選×2万票当選ということで、比例復活と結び付けている。

あれこれ候補者の当落の現状を書かれているが、だが、なぜ比例復活がこの極端に矮小化された当選者と落選者の実態と関係するのかね。 

それは比例とは無関係で、徹頭徹尾、小選挙区制度の致命的欠陥に起因する。

比例はむしろ死票と化した有権者の意思を救済するように働いているという事実になにより目を向けるべきだとは思わないかね。

貴兄は書く。

「沖縄県では全4選挙区で出馬した与野党候補計9人全員が当選し、落選者は1人もいなかった。死票ゼロという極めて異例の結果となった。」

死票とは有権者が投じた票が議席に結びつかないということであり、死票が少なくなったとはいえても、死票ゼロなどは本質的定義の理解に欠いた書き方である。

例えば、上記の沖縄1区では自民党支持の票53,241(36.6%)はすべて死票になっている。たまたま自民が比例の惜敗率で救われただけだ。沖縄でも日本全国どこででも、落選した候補者に投じた票はすべて死票である。

小選挙区制度の本質的定義がそうであるように、当選議席は1である。All or Nothingがその本旨だ。比例が復活当選で、小選挙区の不合理を軽減し、救済したということでないのかね。

実際、山本さん、あなたは自身の記事で一体何を言いたいのかね。

比例復活が問題なら、そう書けばいい。だが小選挙区制度の死票の問題と、比例復活は無関係である。

むしろ比例が、小選挙区制度という合法的な民意の大量虐殺を意味する膨大な死票を緩和している。そうではないのかね。

沖縄はそうして自民が出した膨大な死票を軽減できたのだよ。山本さんよ。

 本質的に選挙区ごとの異常な最低得票当選者と最高得票落選者の問題が起きる。それは徹頭徹尾、小選挙区制度の問題であって、比例の問題ではない。

都市部と地方の人口格差のある中で、小選挙区を採用しているから、こうした無様な選挙区ごとの格差が生じるのではないのかね。

 記事が、読者に全く理解不能であるのは、そこにある。

山本記者は比例代表並立制が「本来の趣旨に添わない珍現象」という。

だが、1994年の公選法改正で並立制を導入したものたちの不見識が最初にあって、並立制をとれば、ここ数回の総選挙結果が明らかにするように、「珍現象」でなく、きわめて論理的な展開であり、帰結である。

導入に関係した当時の官邸の関係者の成田氏はこの膨大な死票の次に生じる怨念によるねじれ現象である敵対の政治がかくも大きなものかを予測できなかったと自身で語っている。まさに自己の不明さによるものだ。

現行制度では前回の総選挙で記録したように、4割で8割をとるという如く、1位の政党への議席配分が小選挙区で極端に増幅され、比例は数学的に配分されるため、小選挙区制度による極端な得票と議席の乖離を戻すようにはなっていない。

 しかも、選挙制度改革では小沢一郎氏らが公明、共産つぶしで、これを主張したことは周知の事実で、森元総理も日経履歴書で書いているところである。

公選法改正で、はるかにましであった中選挙区を捨てた際、比例を導入したものの、本来500を小選挙区と比例の配分を300200と当初からアンバランスとなり、さらに比例は180へと削られ、比例のウエートは下がり、小選挙区の異常、異様というべき膨大な死票を生む現在がある。

 そこが、比例で得票ごとに当選者を政党に割り振るドイツの比例併用制との決定的違いである。ドイツ型にしていたら、こうした無様なことも基本的には起こりえなかった。

最後に、山本記者に問いたい。では貴兄は自身の記事で、何をどう変えたいのかね。

 まさか比例復活が面白くないから、膨大な死票をさらに加速化する完全小選挙区制度にせよといいたいのかね。それは前近代的な逆パラダイムシフトでしかないことだ。

EUの欧州議会は比例代表制を選挙の準則として、欧州議会選挙法に書き込んでいる。

小選挙区制度の本家本元のイギリスも、この出鱈目な小選挙制度でもがき苦しんでいる。(米国は封建遺制に眠りこけているが)
 比例制度は欧州各国の国政選挙で一般的となっており、欧州議会の選挙法改正の動きに従い、
1999年にイギリス選挙区では小選挙区制度(FPTP)を捨て、ドント式比例に変えたのだよ。ご存知かな。

イギリスでは、それが国内政治に波及して、多党化現象を起こし、英独立党(UKIP)などが台頭し、好き嫌いを超えて、政治がにぎやかになっている。

ともあれ、産経は何をどうしたいのか、ストレートに言うべきだろう。
 珍現象は比例復活制度のためではない。小選挙区がその起因であり、それを変えれば、解決する。

 すでに読売は、社説で、現制度下での議員定数の大幅削減を、民主と維新の「デマゴギー的」(英文訳)大衆迎合であると批判し、民主維新の両党は「何を勘違いしているのか」と、切り捨てている。

その通りで、欧州と人口比でみる極端に議員定数が少ない部類に入るのが日本である。下記のブログを観よ。

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2364

しかも、国民の代表の数は、行財政改革とは無縁のもので、カネの問題で代表を削減することは、議席をいくらで買えるかというヒルズの金融ブローカーの言葉にもつながり、民主主義の死に直結する危険な兆候だ。

前回、4割で8割の議席を得る得票と議席との異常なる乖離を前に、そしてそれで鬱積した不満は政権運営次第で、民主がそうであったように、次の自民にも突き刺さる効能性が高い。

産経の選挙制度に関するビジョンも聴きたいものだ。

 

なお、今回の自民の選挙区での実態は以下。時事

自民は48.2%の得票で、全295選挙区のうち223議席を獲得。議席占有率は75.6%。全小選挙区の合計で約2541万票。全得票に占める死票率は48.0%

参考ブログ

2013.01.14 Monday 森喜朗元総理の日経私の履歴書 比例削減での小沢一郎氏の役割への言及

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3373

2014.11.26 Wednesday 英独立党UKIPの議席獲得の票数にみるわが国の小選挙区制度のグロテスクさと定数削減論の愚昧さ

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3771

2014.12.14 Sunday 定数削減を大衆迎合とする読売紙社説(2014.12.9.)を高く評価する

http://masami-kodama.jugem.jp/?day=20141214

2011.10.04 Tuesday 国会議員定数国際比較についての本ブログ記事への反応

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2947

議員定数削減 大衆迎合の主張は嘆かわしい 読売社説20141209日英文読売

Parties’ demagogic calls to curtail number of Diet seats deplorable.The Japan News. December 09, 2014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 児玉昌己 | - | 09:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
師走の澄んだ夕暮れを詠む 海鳴庵児玉

 師走入りして早半ば 九州でも寒気はきびしい。澄んだ夕暮れの冬の空気を詠む 

 

 


  夕暮れの 師走の空に 茜雲 青澄(せいとう)なる気 冬の清(すが)しき

                                 海鳴庵児玉





2014.11.24 Monday 海鳴庵児玉昌己句歌集2014年後半

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3723



| 児玉昌己 | - | 20:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
自民圧勝の虚と怪 これが小選挙区制だ 得票と獲得議席の著しいかい離 全有権者の25%の支持で76%の議席

  時事と日経など各紙が今回の衆院選を分析している。

それを活用しつつ、小選挙区選挙の実態を書こう。

投票率は史上最低の52.66%。

自民党の小選挙区の得票率は48.2%、全295選挙区のうち獲得議席は223議席。議席占有率は75.6%。

民主党は得票率は22.5%。獲得議席38議席、議席占有率は12.9%、共産党は得票率13.3%、獲得議席はわずかに1、議席占有率は0.34%。

小選挙区選の当日の有権者数は1億396万2784人、投票者数は5474万3097人で、棄権者数は4921万9687人。今回の小選挙区の有効投総数は5293万票。 自民党は2552万票。
 前回の選挙では自民は43%の得票で79%の議席を獲得。今回は得票率48%の得票で、議席占有率は76%。

自民党への投票者は、有権者総数から見れば、25%。それにもかかわらず小選挙区の議席の76%を得ている。

 「死票」は2540万票。小選挙区の定数が5議席減った分も勘案すると、これこそ1票の格差どころではない憲法違反というべき合法的な民意の虐殺が継続している。死票は相変わらず異様に高い水準である。

 自民圧勝、1強他弱とメディアはいう。だが、民意の反映という観点から見れば、自民の圧勝など、さほどのことでしかない。

 何かおかしいと思う気持ちが大切である。

 議員定数削減では、国民はその必要を全く認めていないのに、維新や民主があたかも国民がそう思っているように、無理やりに誘導する定数過大論のデマゴギーと同様に、実に変なことなのである。

 民主の場合、財政改革とデマというべき議員定数過大論の観点から、議員は国民の代表であるという誇りも、認識もなく、デマゴギーを振りまき、比例の大幅削減を口にしていた。
 菅直人氏など2度も比例で救われているにも関わらず、比例定数をさらに大削減しよとしたことへの謝罪も、比例への感謝さえいわない。
 実に無様なことである。
 反民主的の小選挙区制度を強化を叫ぶ政党のボスが、わが国の選挙制度においてかろうじて残っている民主的要素である比例に救済されている。
 実に民主党、維新とは、選挙制度認識という政治の核心部分、すなわちその本質において、茶番であり、カリカチュアでさえある。

 民主が言っている比例定数80減を実践していたとすれば、同氏など2年前から議員バッチなど無縁の、歴史的にも稀なる、かつて首相を経験したただの人でしかない。

 
 
 
 2度の救済を恩とも感じる気持ちがあるなら、党内に残留したわけだから、党のボスの一人として、民主の選挙制度政策の廃棄と比例強化への全面的転換と、抜本改革に乗り出すべきである。
 

 いよいよ新国会で選挙制度改革となるが、それに関与する「有識者」という名で答申を出す政治学者を含めた関係者が、この民意をまるで反映しない小選挙区制を維持した形で、改正案を答申しないかを見守る必要がある。
 我々は実に政治学者をも監視する必要がある。

参考ブログ

定数削減を大衆迎合とする読売紙社説(2014.12.9.)を高く評価する

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3776



| 児玉昌己 | - | 13:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
定数削減を大衆迎合とする読売紙社説(2014.12.9.)を高く評価する

 昼、第47回衆院選挙で、近くの投票所に出向き、国民の義務を果たしてきた。小選挙区で選択の余地が奪われている。しかし、それでも投票してほしいと思っている。

 政治を軽蔑するものは軽蔑に値する政治しか持てないというトーマス・マンの格言を人様に話しているからでもある。それは実際、朝日新聞福岡県版で取材に答えた記事として、昨日13日付で掲載されている。

 ところで、阪南大学学長の辰巳先生と話をしていて、投票日ということで大阪での選挙の話になった。

 それで、読売新聞が、私の年来の主張と同様な社説を書いていますよと言われる。それは数日前旧知のスティーブン・デイ大分大学教授も同様に会話の中で触れていたものだ。その時は聞き流していたが、今回、それを実際に入手し、読んでみた。

 英文ともに以下がそれだ。

議員定数削減 大衆迎合の主張は嘆かわしい 読売社説20141209日

Parties’ demagogic calls to curtail number of Diet seats deplorable.The Japan News. December 09, 2014

 同社の英字紙では、私と同様、議員定数の大規模削減の要求をdemagogic callsと記している。

 私といえば、以前から民主や維新について定数削減論をブログで批判してきた。以下がそれらだ。

関連ブログ

2010.05.25 Tuesday 議員歳費と議席の削減論について 4 先進11カ国の人口比別国会議員定数

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2364

 

 2012.12.18 Tuesday これが小選挙区選挙の実態だ 下 死票は3730万票、死票率56.0% 虚構の2大政党制

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3356

 特に上記のブログでは、比例の80削減という愚昧な論を展開しつつ、落選して比例で救われた主要閣僚など党幹部の一覧を紹介しておいた。彼らは今度も同様の状況で選挙を戦っているが、比例に感謝せよということである。 

 維新については以下だ。

2012.08.27 大阪維新の衆院定数半減論 大衆迎合そのもの

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3253

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3254

 維新は実に大衆迎合を地でいくように、参院242を消し去り一院制にし、さらに250の半減と500議席もの削減を口にしていた。
 今も、大幅削減論を主張している。しかし、
今回既に敗北を党首の市長自身が口にしたとネット記事に出ている。その短絡さにはあきれるばかり。政治は息が長いものでなければならない。特に小政党はなおさらのことだ。

 読売の社説氏と意見が完全に一致しているわけではないとはいえ、メディアが定数削減を大衆迎合としてとらえ、その弊害を書き始めたのは高く、評価できる。

ともあれ、今夜膨大な死票を生みつつ、審判が下る。

関連記事

橋下氏 投開票待たず敗北宣言「完敗」デイリースポーツ20141213





| 児玉昌己 | - | 22:07 | comments(0) | trackbacks(0) |

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