児玉昌己研究室

内外の政治と日常について想うことのあれこれを綴ります。
書評田中素香 「ユーロ危機とギリシャの反乱」(岩波新書) 軽薄なユーロ消滅論への胸のすく反撃の書

 田中素香先生からも「ユーロ危機とギリシャの反乱」(岩波新書)のご恵贈を賜る。
 若い時代よりソコウ先生と呼ばせていただいているが、書はEUとユーロ危機の背景と現状を分析され、わが国の安直なユーロ崩壊論、EU解体論を戒め、ユーロ消滅などありえないとし、そしてその問題について、財政同盟の強化、財政移転システムの構築という政策提言まで踏み込んでおられる。
 かつての日本帝国主義を忘れて、安易なドイツ帝国論がもてはやされるわが国だが、当然ながらユーロの核心であるドイツの動向も触れておられる。
 EUではドイツの意思が極めて重要であることは何人も異論がないが、そのドイツについては、欧州中央銀行(ECB)の理事会では、その意思が必ずしも貫徹されえないことなど、むしろEU条約が定める非連帯的なユーロ加盟国政府が他の加盟国の財政支援を禁じる「非救済」条項について、EU側が、欧州司法裁判所も含め、それを現実的に広げる解釈で対応して、守旧派のドイツとの攻防が展開されているなど、EU政治の重層性を指摘され、実に興味深い。 
 他方、ドイツについては、その責任も強く指摘されている。
 すなわちEU条約が形成された1990年代初頭と現在とでは、国際金融経済環境が全く変わっていて、「破たんした条約」(200頁)にしがみついて、現状を見ようとしないと批判されている。そしてドイツのこの頑迷というべきメンタリティを「ドイツイデオロギー」というマルクスの、懐かしい著作のタイトルをつけて批判されている。
 そしてあるべきドイツと通貨危機脱出法については、ドイツが1970年代に持っていて、現在すっかり失念した連帯主義的な志向を想起すべきとし、財政移転のシステム構築へと踏み出せと繰り返される。それ以外には道はないと。
 実際のところ、その論は正論であり、EUが他の領域でも実践してきたことである。
 我々は多く失念しているが、関税同盟がその最初の事例であることを想起すべきである。
 EUの関税同盟にあっては、関税自主権が、国家が本来に持つ関税自主権を合意のうえで、移譲し、行使できない。それがために無関税で入る産業強国からの産品にたいして、産業弱国は関税障壁の高い壁を作り、国内産業を保護することもできない。したがって打撃を受ける国家に対しては、例えば地域基金などのEU予算を通した所得再配分メカニズムでこれをカバーするしかない。
 通貨同盟でも全く同じ論理の議論となる。
 いや通貨の国家に与える重要性からすると、なおのことである。

 実際、加盟国はユーロ圏にあっては、通貨の発給量決定の権限も、為替の独自の設定権を奪われており(合意の上でだが)、それによって生じる不利益は、ユーロ圏から離脱しない限り、財政移転による財政支援と所得の再配分で補うしかないのである。つまり財政「同盟」の強化が必要となるのである。言い換えれば、EUレベルでの財政連邦主義の確立である。
 ちなみに、EUにあって、同盟(union)というこの用語は「同盟」という語は、関税同盟しかり、通貨同盟しかり、銀行同盟しかり、パスポート同盟しかりで、加盟国からの主権的権限のEUへの譲渡に関する連邦主義に立った合意関係をいう。
 それ故、主権的権限を加盟国が大規模に維持する「欧州連合」という邦語表記を否定した連邦主義にたつEU(欧州同盟)の強化こそが、必然ということである。
 反EU主義に立つ国家指導者や、わが国でも、欧州委員会とか、ECBなど、EUが勝手に政策を壟断しているように言う手合いが多い。
 EU脱退の国民投票をいうキャメロンのイギリス保守党政権がその典型であるが、保守党政権がEU条約に自ら調印し、その後も、歴代政府が批准してきたということをまるで失念しているようである。
 だが、加盟国は、すべからく自国政府が
EU加盟にあたって、そしてそれ以降も、国家間条約であるEU改正諸条約の調印と批准によって、EUとその政策を、自ら合意したことを失念してはならない。
 キャメロンでいえば、彼が言うEU「改革」は自己利益の貫徹のためのEUの思想を体現した法的枠組みの「改悪」と言わないまでも、後退を主張しているに過ぎない。特に域内、域外を問わず、移民に対する差別的取扱いの主張については、ポーランドなど自国民を差別するものとして、親英国家ながら猛反発している。

 本書に戻って言えば、ヨーロッパ統合の過渡期的性格を反映して、そして通貨同盟の構築にあたっては、作られた時の状況を反映して、ドイツによるドイツの歴史的なトラウマに立った独連邦銀行型の過度のインフレ抑制と健全財政の金融制度が欧州中央銀行とその制度全体に持ち込まれざるを得なかったということであり、現在は、その調整過程にあるといえる。
 それが、素香先生が本書で展開された上述の欧州中央銀行の理事会での攻防につながっている。

 ただしEU条約改正は、なんと28か国がすべからく承認を必要とする全会一致制であるがゆえに、それが簡単に進まない。
 しかも、EU運営条約125条の非救済条項があるがゆえに、EU条約とは異なる国家間条約である欧州安定メカニズム条約(EMS)条約で行われたのは、まさしくそれが故であった。

 本書では、ユーロ危機が単にギリシャなどの南欧の政府債務危機ということにとどまらず、ユーロ圏も巻き込むグローバルな金融資本主義とその暴走による危機でもあるという指摘が重要であり、ヨーロッパ統合と欧州通貨制度が本来的に持つその過渡期的性格や困難の指摘こそが重要である。
 硬直的な経済通貨同盟とEU条約の制約、そしてグローバル金融資本の両面の是正が行わなければ、ユーロの危機は続くと。
 
そしてまた EU離脱が問われているイギリスについても、大量の預金を域外に移動させ、ユーロ危機を増幅させたことなど(43頁)同国の無責任な動向についても、興味深い。
 ともあれ、数度となくユーロ消滅という認識を示したあの著名なクルーグマン教授を含めた内外の感情的で、時に軽薄なユーロ消滅論に対する、日本の知性による、胸のすくような反撃の書であり、これが今後のわが国のユーロ認識の基準と論争の出発点になるべきユーロ分析である。
 ぜひとも横文字にして世界に発信していただきたい重みのある書である。
 衰えた脳幹に強烈な知的刺激を得た次第だ。
参考ブログ

2015.10.21 Wednesday 竹森俊平の「逆流するグローバリズムーギリシャ崩壊、揺らぐ世界秩序」PHP新書を読む 上 下
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3917
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3918
 

 

  

| 児玉昌己 | - | 00:05 | comments(0) | - |
佐瀬昌盛「吉田茂論」フォーサイト論文の恵贈を受ける

  80を超えてなお学者としての姿勢を貫き、集団安保を語らせれば、わが国きっての権威佐瀬昌盛先生からはフォーサイト掲載の3部作の吉田茂論をいただいた。また同じくユーロを語るなら、先生を外してはあり得ないという経済学者田中素香先生からは、岩波新書「ユーロ危機とギリシャの反乱」をご恵贈いただいた。

 こうしたまさにトップを走っておられる先生方から、ご労作をいただいて、まったく恐縮の限りであり、感謝の
ことである。

 佐瀬先生の3部作は吉田の安保観が中心となっているが、政治指導全体についても触れていただき、ご論考の書籍化をぜひともお願いしたいものである。
2016.01.31 Sunday 書評田中素香 「ユーロ危機とギリシャの反乱」(岩波新書) 軽薄なユーロ消滅論への胸のすく反撃の書
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3971

 

| 児玉昌己 | - | 22:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
大寒波、炬燵と洋書でやり過ごす
 今冬最強の寒波は峠を越えたようだ。朝は一面銀世界だったが、5時を前にほとんど溶けてほっとしている。
 偶然か、
NYは同じく数十年来の大寒波で、20数名が死亡しているということだ。
 昨夜は久留米はマイナス4.9度。峠は越えたようで、水道管の凍結や破裂の心配もなくなり、安堵している。
 珍しく和室の炬燵で読書三昧。ヨーロッパの社民の本を読んでいる。以下がそれだ。
   Henning Meyer and Jonathan Rutherford eds., The Future of European Social Democracy: Building the Good Society.
 日本の社民勢力は、連合が腑抜けとなり、社会党の残党が自民脱党派で第二自民というべき勢力と野合し、解党し、民主党を作り、理論の提示も実践もなく、あろうことか比例の削減に手を染め、しかも旧社会党の太子党の連中など、党内の少数派になり下がり、惨憺たる状況だ。
 欧州も同様の状況であったが、格差全開の新自由主義の跋扈の前に、少しましになりつつあるようだ。
 その動向でもすこしは学んでほしいものだ。





    
| 児玉昌己 | - | 18:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
降る雪や 色を消したり 街辻に 丸まり歩む 蒲原の如く  海鳴庵児玉

 深夜は月が出ているほどだった。そして起きると、銀世界。九州の人間には雪は非日常的で、降る雪は実に幻想的である。近くのセブンまで歩いてきた。降雪といえば、政治的には軍事クーデタの226を思い出し、絵画的には広重の蒲原を想い起す。
 

降る雪や 色を消したり 街辻に 丸まり歩む 蒲原の如く
           海鳴庵児玉

「蒲原の如く」とは新潟蒲原(かんばら)のこと。広重の東海道のシリーズにある。以下がそれ。

https://www.adachi-hanga.com/ukiyo-e/items/hiroshige028/

参考ブログ
2012.02.08 Wednesday
 降雪の久留米 草田男を借りれば  降る雪や 昭和も遠く なりにけり 
http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3072

11時現在、西日本の全府県庁地が氷点下とのこと

長崎市では午後4時の積雪が16センチに達し、1906年の観測開始以来の記録

名瀬測候所は奄美市の名瀬で、1901212日以来、115年ぶりに初雪

| 児玉昌己 | - | 11:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
不気味な大寒波接近の報におびえる
 数十年に1度程度の大寒波が北部九州に接近中ということで、灯油や食料品など買い物などに事前に出かけました。
 いつものショッパーズは同じ考えの人で、満杯。テレビの濃密な雪雲の接近は、不気味でさえあります。
北朝鮮はマイナス30度で労働者を数万退避させたとか。。
ソウルは10 年ぶり、釜山は96年ぶりの最低気温を記録とのこと。
 ともあれ、家に閉じこもり、無事にやり過ごすことを願っています。
 参考記事

北朝鮮、殺人的寒波で建設現場の作業員4万人を撤収させるWoW!Korea 123

 


 
| 児玉昌己 | - | 19:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
 柚子の樹にメジロの番いあり それを詠む 海鳴庵児玉
 明日からは10年に1度という大寒波到来予報の九州北部だが、庭に出ると、メジロの番い それを詠む

 柚子の樹に メジロ番(つが)いで 遊びおり 
 寒波目前 春や眼前
                   海鳴庵児玉

 
| 児玉昌己 | - | 10:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
ため息の出るEUの難民政治の困難
「ドイツ、移民の入国を拒否」AFPBB News120日という真偽定かならざるニュースが飛び込んできたり、そして、デンマーク警察が難民の所持金から現金を含む€1,340(邦貨約17万)以上については差し押さえが可能となる、法案が来週国会で可決される予定など、新たな動きが伝えられている。
Danish lawmakers back seizing migrant valuables EUobserver.21. Jan 2015.
 他方、かじ取りをしているEUでは、「難民対策3月がリミット、シェンゲン協定崩壊も=EU大統領」 2016 01 20日とロイターが伝えている。
 そうした中で、難民問題で多忙なメルケルに代わってダボス会議に出席しているドイツの大統領Joachim Gauckは、20日ドイツは難民受け入れの上限を検討していることに触れている。
そして旧共産主義国がEUの難民割り当て計画に参加を欲していないことについて触れ、以下のように述べている。
 「こうした国家では、その市民がかつて政治的に迫害されて、欧州からの連帯を経験したにもかかわらず、今度は一転、抑圧された人々との連帯を撤回するなど、ただただ理解が困難である。難民問題ほど、
EUと欧州統合を分裂と危機に強いている問題もない。」
Austria imposes asylum cap to 'shake up' Europe. EUobserver, 20. Jan, 2015.
 彼らをEUの加盟国にしたのは早すぎたと悔やんでいるのかもしれない。
 実際、ハンガリーのオルバン首相など、EUの精神など、あったものではないほどの国益丸出しの対EU政治である。
 実にため息の出る大量難民に直面する欧州の世紀的な困難である。

 
| 児玉昌己 | - | 11:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
すこし幸せな時間

  試験期間中だ。監督業務を終え、帰宅し、挽きたてのキリマンジェロの珈琲を楽しんでいると電話がなり、出ると、数年前の卒業生だったN君の弟のY君から。

 兄弟とも教えいていたのだ。

 兄とは2か月ほど前か、電話で、彼が結婚し、親になったことを聞いていた。

そして今日の弟君。公務員志望だが、最終面接で落とされて、将来の進路で悩んでいると、兄に番号を聞いて、電話してきたという。

兄は民間会社に入り、残るのは彼一人。将来は親の後をとも考えているが、当面、外で仕事をしてみたいということ。関連の訓練学校に行きつつ、公務員の勉強を継続する希望を述べる。

実に賢明な選択だと助言する。誰かに背中を押してほしかったのだろう。

教師として嬉しいのは、単に教壇からの一方通行の話し手でなく、身近に感じてもらえていたことだ。もとより、印象に残る学生とそうでない学生もある。相手も同様だろう。相性もある。すべてが同じであることはないが、ゼミ生でなくとも、彼にとっては、講義などで、身近な存在であったのだ。それがうれしい。

 人生の選択は誰にでもある。

 当方は還暦をはるかに超えて、人生経験を人並みに深めたのだが、若者の生き方に、少しでもその経験と助言が役に立てば、いいのだ。

 教師名利の、すこし幸せな時間だった。

| 児玉昌己 | - | 16:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』の恵贈を受ける 選挙制度の提言を歓迎する

 松尾匡先生から新著『この経済政策が民主主義を救う、安倍政権に勝てる対策』(大月書店)が送られてきた。

 先生は自らその陣営にあるとする左翼勢力の経済政策認識が旧態依然のデフレ追求型、もしくはインフレ警戒型ということで、積極財政とインフレ目標を掲げて、旧態の思考を改めよと、何度も言われている。

 そしてそれがゆえに、逆に自分が組みするはずの左翼陣営からは、安倍支持者だと攻撃される、とぼやいておいでである。

 だとすれば、実に救いがたい連中である。

私にとって興味深いのは、第4章「躍進する欧米左派の経済政策」である。

欧州左翼は量的緩和と積極財政で、有権者の支持を得、勢力を回復しつつあると指摘されているところだ。

 もう1つ、メディアや左翼の「用語法」の問題も指摘されている。言葉は政治を語る上で極めて重要である。使い方次第では、発するものの考えとは逆の意味に転じることもあるからである。

例えば228頁は、株高に関する箇所であるが、優れている。

 それはいう。

安倍支持者は株価が上がったら「成果」だと言い、下がったら「実体経済に影響がない」と言う一方、アンチ安倍派は株価が上がっても「実体経済と関係ない」と言い、下がったら「アベノミクス終わった」と言いますが、こんな上下非対称なことを言ってはいけません。」

 政治的言説がいかに曲者かを示して秀逸である。

そして左翼陣営が使う用語法を「オオカミ少年」的とし、この言説は危険だと指摘される。

政治学者の私にとって最も興味深いのは、経済政策を分析した後、選挙制度の話で終わるところである。

 結局、政治を実践するのは国会の数。それを構成する小選挙区制度は民意を全く体現できない前近代的で封建遺制であることは、このブログでも再三私も指摘してきた。

 実際、行われていることといえば、衆院議長に提出された佐々木毅氏を座長とする選挙制度検討の調査会の答申は全く現状追認か、現状を悪化させる答申でしかない。

 その中身といえば、民主主義をもっともよく体現する比例を、意味なく削減し、大都会がヒト、モノ、カネと圧倒的な資源を持っているということを意識的に伏せ、1票の格差という表面的な価値だけに特化した小選挙区の定数の大規模な再配分を通した、地方死滅をもたらす格差拡大の答申である。

 すなわち、その行き着く先は、価値の平等という一見すれば民主主義にかなったように装いつつ、完全小選挙区へのシフトに政治学者が手を貸す結果と意味を持って進められている。

 しかも定数是正を小選挙区という4割で8割の議席をもたらす反民主主義の制度の根幹にはまるで触れていないのが最大の問題である。さらに悪質なのは、現状の悪を全く考慮することなく、定数再配分を5年ごとに行うという。

限界集落広がる地方を全く考慮することなく。

 まさに「地方創生」どころか「地方総殺」の時代錯誤の答申でしかない。

本書の論に戻せば、現在進められている左翼陣営による、経済も政治も異なる者たちの統一戦線への動きは野合でしかないという認識を示されている。

 そして、それでは有権者を納得させえないという認識に立ち、わが国の民主主義政治の根幹に直結する選挙制度の変更を当面の目的とした統一候補を立てて、選挙戦で勝利し、比例制に基づく、選挙制の抜本改革を法制化するということを提案されている。

 まことに理にかない、我が意にそった提案である。

実際、現行の小選挙区制度は、細川氏など導入したものすべてが、誤っていたというほどのひどいものである。

 そしてそのもとで成立している安倍政権など、選挙で勝利したというものの、実は、小選挙区制度の最大の民意の代表とする観点からすると、グロテスクなほどに過剰代表されている。かつて民主が同様にグロテスクに議席を得ていたようにである。政治の振幅が大きく、政治家も育たない。

 安保法制を含め、自民が出した憲法学者までが違憲であるということにみられるように、そんな過半数さえ取れるか取れないかの程度の政権が提出、議決するなど、本来、論外のことなのである。

ともあれ、松尾先生が、選挙制度に触れておられるのは、尽きるところ最後は、経済の問題も政治の問題に帰着することである。

すなわち政治学と政治学者はそれなりに意味があるということだ。

政治学者の存在理由と、それがなす発言の有意性、それを改めて確認させる書である。

それにしても、経済政策では「ピエロ」と松尾氏に批判される民主党。選挙制度でも同様である。さらなる定数削減をという。選挙での大敗も理解せず、野にいていまだそう繰り返している。

最近では、産経も読売も、現行小選挙区制度下での定数削減の問題の深刻さを理解し始め、定数の大幅削減を、大衆迎合と叩いている。

 まったく救い難い政党であることよ。教訓を学ばない政党は消え去るのみである。こんな政党が、ポスト安倍自民の受け皿になれるなど、あろうはずもないのである。

 哀れなる日本の民主主義である。

参考ブログ

2010.08.06 Friday 好著のご紹介 松尾匡「不況は人災です」筑摩書房 2010年 上

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2469

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=2470

2012.07.26 Thursday 『新しい左翼入門』(講談社新書)と著者松尾匡先生のこと 「由緒正しき人」のこと 上下

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3225

2012.12.18 Tuesdayこれが小選挙区選挙の実態だ 上 死票は半数以上、3730万票、死票率は実に56.0

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3355

2015.02.14 Saturday アダムズ方式? 「アダムズ・ファミリー」なみの古色蒼然の、子供だましの衆院選制度改革

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3804

2014.12.14 Sunday 定数削減を大衆迎合とする読売紙社説(2014.12.9.)を高く評価する

http://masami-kodama.jugem.jp/?eid=3776 

参考記事

自民・細田幹事長代行「アダムズ方式は古色蒼然」 選挙制度改革案を批判 産経新聞 20151211

衆院区割り5年ごと調整、定数10減答申へ読売20160114

「一票の格差」があってもいいじゃないか! 紋切り型の是正と定数削減は地方の切り捨てにすぎない産経20151228 議員定数削減 大衆迎合の主張は嘆かわしい 読売社説20141209

Parties’ demagogic calls to curtail number of Diet seats deplorable.The Japan News(yomiuri). December 09, 2014

 

 

 

 

 

| 児玉昌己 | - | 11:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
お年玉年賀はがき 切手セット4枚当たる

  この時期はお年玉年賀はがきの当選を見るのが楽しみだ。150枚弱で4枚の切手シートが当たっていた。100枚で2枚の確率だから、今年は当たり年だろう。

 1月もかくして中旬から下旬へと移っていく。センターが終われば、大学の期末試験と入学試験だ。明日から冷え込むという。暖かくして寝よう。





| 児玉昌己 | - | 18:03 | comments(0) | trackbacks(0) |

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